72日目 100319 DELFT – UTRECHT – DELFT



0850起床。疲れていたのか8時間も寝てしまった。朝食を食べ、1020出発。1040の電車に乗り、ロッテルダムで乗り換えてユトレヒトへ1130着。駅構内でお昼を食べてから、バスで見学を予約しているシュレッダー邸へ向かう。

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Schroder house
G,T,Rietveld
1924
Prins Hendriklaan 50,3583 Utrecht,Netherlands

■ユトレヒト中央駅のバスターミナルから4番のバスに乗る。Burg, F. Anderealaan行きで、10番目のPrins Henderiklaanで降ります。(ひとつ前はDe Hoogstraat、バスは次の駅のアナウンスが流れます。もちろんオランダ語ですが、バス停名はわかります。約10分程度。歩いたらおそらく50分くらい。帰りは向かい側のバス停から同じ四番に乗ればOKです。予約したら自動的に送られてくるメールにも書いていますが、まずエラスムス通りにあるチケットオフィスに行き、チケットを買います。そこにはブックショップなどもあります。そこで待って参加者が集まれば、そこからツアーがスタートします。

■月火休み。オンラインでの事前予約が必要です。オーディオガイドによる見学が1500-1600、日本語ガイドあり、9e。ガイドツアーが1100-1500の間で一時間おき、16e。ただしオランダ語か英語で、その時の参加者によって変わるようです。絶対英語で!と予約時に書いておくことをお薦めします。内部撮影不可。このチケットでセントラルミュージアム、ミッフィー美術館も見ることができます。
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バスを降りて1230、ちょっと焦って向かうも簡単に見つかる。チケットオフィスで予約を告げチケットを買って、本などを物色。Tさんの家で見たhow to constructe the Rietvelt furnitureという本を悩んで購入見送り。自分以外に二人いる参加者を待つ。少し遅れて到着。オランダ人のようで、おかげでツアーはオランダ語となり、自分は日本語のオーディオガイドを貸してもらう。が、結論から言えば、予約時に注記してでも英語ツアーをお願いした方がよいと思う。一人オーディオガイドは除け者にされた感があり、また目の前のガイドの方が情報量が多そうなので。シュレーダー邸の後に行くエラスムス邸ではオーディオガイドはないので、それも説明がわからないのはもったいない。

シュレーダー邸のツアー。外観から見るにかなり小さい。元々は周りは田園風景でそれが気に入りシュレーダー夫人とリートフェルトはこの土地に決めたが、今は目の前に高架道路が走り田園は跡形もなく消え去っている。リートフェルトはこの道路ができた際、景観が前提で建てたのだから、その景観がなくなったのなら、この建物も壊すべきだ、と訴えたそうだ。

玄関の郵便受けはガラス製で郵便物が入っているかどうか一目でわかる。建物は当時としては珍しく一階にキッチン、アトリエ、お手伝い室、二階にリビング、ダイニング、寝室、浴室がある。玄関扉は用心のため?上下の二枚扉になっている。玄関を入ると夫人と娘二人、息子一人のそれぞれの棚があり、電話用ベンチがある。そのため玄関には二階へ通ずる通話口があり、来客はここから夫人を呼びかける。

本来はリートフェルトはRC造で作りたかったらしいが、鉄骨と木造になった。そのためか、デステイル的に抽象化したかったためか、全ての素材が何かわからないように、色を塗っている。

プランは上記の通りだが、一階の全ての部屋に、お手伝い室にまで、外部への出入口と洗面台が設けられている。個人の自由と独立を尊重した結果だそうだ。オランダ人は子供が親から離れる時期がかなり早いそうだが、そのあたりに国民的メンタリティもあるのかもしれない。一階の一室にあるリートフェルトのアトリエ(けっこう狭い)には自らデザインした造り付けの家具が多くある。

二階に上がると一階とは一転、広いワンルームになる。ここを夜には可動間仕切によって子供の寝室とリビングを間仕切りできるようになっている。可動間仕切りは上下のレールで引き出されるが、開き扉もついており、思ったより固定感があり、機能的な印象。トップライト(ここのスチールサッシもファンネレと同じ三角断面にシルバー塗装)を持つ階段室は引き戸により部屋と間仕切りできるようになっている。手すりの隙間まで木製パネルで塞ぐことができ、空調対策も考えられている。

浴室の隠れ方がすごい。夫人の寝室の隣にあり、折れ戸を引き出しL字型の壁とすることで、階段室と間仕切りできるようになり、夫人の寝室から引き戸でアクセスする。しまわれている時ははそこに浴室があるとは全くわからない。

リビングの角の開口部は開くようになっており、角が完全になくなる。部屋の輪郭である縦の線がなくなることで、内と外との境界線が消失し、より開放感を感じるようになる、という解説を聞いて、今更なぜ自分を含め建築家は角を落としたたがるのかわかった。リートフェルトの最も有名な家具、blue and red chairは家の中において、家具だけで閉じてしまわない、オープンな家具を作りたいという想いから生まれたらしいが、彼のそのオープンエンドな思想はこの建築にも通底している。

シュレーダー邸の後、エラスムス邸もツアーに含まれているので見て、ツアーは終了。

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Erasmuslaan
G,T,Rietveld
1931
Erasmuslaan 5 – 11,3584 AZ Utrecht,Netherlands
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セントラルミュージアムへのバスはない、とのことより地図をもらって歩いて向かう。途中、リートフェルト設計の家が一軒ある。外壁の水玉模様がタイルかと思ったら塗装(プレファブ組積造解説にかいてあったので、工場生産のブロックかな?)で驚き。かわいい。

雨が降ってきたので小走りで到着。セントラルミュージアムはとても動線がわかりづらい。迷ってから(確か)ドローグがデザインしたカフェでお茶休憩。シャンデリアを見て、あ!これが心斎橋のあのお店の元ネタか!と一人ほくそ笑む。トイレがよく出来ている。FRP防水で便器から何から全てを取り付けてからカバーしているのかな?ロッテルダムのボイマンス美も同じ仕様だった。どちらもドローグ?展示は特に何もない。

美術館を出て、何か忘れているなと思い、ふとダブルハウスを見てこなかったことに気づく。シュレーダー邸からの道沿いにあったのに。しょうがなく歩いて戻る。

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Double house/Villa KBWW
MVRDV
1997
Koningslaan 124,3981 Utrecht,Netherlands

■シュレーダー邸やセントラルミュージアムに置いてあるサイクリングマップの②のリートフェルト設計の建物のほぼ真裏にあります。
■個人邸なのでもちろん外観のみ。
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外壁はフレキシブルボードっぽい触感。面付けでビス止めのラフな留め方。それくらいしか外観からはわからない。中が見てみたい。
帰 りはシュレーダー邸近くのバス停まで歩いてバスに乗り駅へ。まっすぐデルフトに帰る。家に帰り、買い物に行って、挽肉が残っていたのでボロネーゼニョッキ を作る。初めてにしては美味しい。食後ビールを飲みながら、ロッテルダムのWさんとスカイプを繋ぎながら、お互いの卒業設計の話など。自分の制作の形を思 い出せなくて驚いた。作業を少しして一時半就寝。



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