朝04:40起床。キッチンで朝食を作って食べ05:40出発。

たまたまトイレに起きてきたハンサムガイが見送ってくれる。駅まで歩いて25分ほど。Hendayeまでの切符を自動販売機で購入1.55e。06:15出発。

電車は30分おきにある。30分ほどで到着。歩いて目の前にあるフランス側のHendaye駅に行き、窓口でボルドーまでのTGVの切符を購入。34.4e。まだスペイン語でも通じるようだ。

列車に乗り込む。車内のデザインはさすが、配色がすばらしくきれい。
その後ボルドーやパリに着いても思ったが、フランス人は色使いや装飾的なデザインにも現れているように華美なものを作らせれば天才的だと思う。

それは彼/彼女らの顔つきにも表れていて、日本人のように比較的背が低くなんとなく野暮ったいポルトガル人に比べると、顔のパーツそれぞれが非常に良くできている。

地下鉄や駅などで眺めていると、つい見とれてしまう。繊細で確かに美しい。美と崇高は古来から隣り合わせのように思うけれど、彼らはその美しさを自覚していて、そのためか、時折傲慢に感じるような態度を取る。

1030ボルドー到着。駅の手荷物預かりで荷物を預ける。一番小さいロッカーでも余裕で50Lのバックパックが入る。4e。駅前のインフォで地図をもらう。中心街へはトラムで15分ほど。歩くと45分ほどらしい。

すぐ目の前にトラムの駅がある。発表されているのを見たことがないが、伊東事務所っぽいターミナルと街灯。もしこれで違う事務所だったらあからさまに過ぎる。やはりフランスに入ると一気に物価が上がる。カフェに入ってコーヒーでも飲みながら地図にプロット、と思ってもどこもスペインの倍くらいの値段。

ボルドーでの目的はOMAのボルドーの家を外観だけでも見に行くこと、それしかない。おそらく誰しも絶対に見てみたい建築がひとつやふたつあると思うが、自分にとってはそのうちのひとつがここなので(ちなみにもうひとつはB)あらかじめgoogle mapの航空写真から探し出した(異常)地図の画像をデジカメに入れていたものを見て向かう。郊外なので完全にインフォの地図からは外れている。

トラムに沿って少し東に歩いたところでパン屋さんがあり、お昼にと購入(とっても美味しい。さすがフランス)。すぐスーパーがありサンドイッチなど買いこんで、気持ち良さそうなベンチを探すも東に大きな橋を渡っても行く先はずっと郊外のロードなので、しかたなくバス停に座って食べる。

そこまで歩いてきた距離と、この先の距離を比べると、想像以上に遠そう。が、バスの路線がバス停の地図を見てもよくわからないので、仕方なくとぼとぼ川沿いを南へ歩く。

30分ほど歩いたところで大きな地図があり、それを見るとseminoir Bel Sitoとボルドーの家のところに書かれている。それが何のかわからないが、公共の街路地図に載っているということはもしかしたら公共的な施設に転用されている?という期待を胸に向かう。

—————————————————
Bordeaux house
OMA
1998

■Bordeaux St Jean駅を出て右に(東に)トラムに沿って歩きます。トラムは北へと曲がるので、そこから外れてそのまま東へ歩くと、大きめの道路に出て、その向こうに大きな河があります。

少し北へ上がると堤防の上へ上がれるのでそこから橋を渡ります。すぐ南に鉄道橋が、北にはpont de Pierreが見えます。

ちなみにこの辺から歩いている人はほぼ皆無で、車か自転車(ロードバイク)しか走っていません。郊外の幹線道路といった趣。

橋を東に渡って、川沿いの大きな道Quai de la Souysを南へ延々まっすぐ歩きます。(ちなみにこの川沿いの道に入ったところにバス停があり、28番に乗れば下記のrue jules guesdesとav, Gaston Cabannesの交差点あたりまで行けます。片道30分を5分くらいでいけるはず。ですが、バスは1,2時間に一本くらいです)。

すると、道際に標識が多くある角にあたるのでそこを左へ、東へ曲がります。Rue jules guesdesです。右手に新しく出来たタウンハウスを見ながら道なりに歩くと少し開けた交差点にでます。そこを右へ、南へ。Av,Gaston Cabannesへ入ります。この辺の小さな街Froiracの中心なのか店が並びます。

ちょっと歩くとマクドナルドの、800m、と書いた大きな看板が出てくるので、そこを左へ逸れます。上り坂で扁平なS字に迂回して丘を登っていきます。すると登りきったところにvilla Bordeauxの門扉(というか車止め)がでて来て到着です。

■といっても、中には入れません。インターフォンがあるのでフランス語がわかる方は迷惑を承知で交渉は可能かもしれません。北側は何かよくわかりませんが廃墟になっていて、ずんずん歩いていくとほんのちょっとだけ木立の向こうにボルドーの家が見えます。

柵もないので(まぁ車止めにも柵はありませんが)入ろうと思えば、敷地には入れます。が、まず不法侵入だと思うのでそのあたりの自覚と責任を持たれるならば。
—————————————————

結局駅から1.5時間ほど歩いて(途中何度か道を間違い、行き過ぎ、迷ったのでそれも含んで)到着。けれど車止めから明らかに私有地進入になりそうなので、とりあえず北側の入れる道から回り込んでみる。

そこは打ち捨てられた廃墟のようになっていてスクウォッターが落書きもひどく、今にもスクウォッターが出てきそうで少し緊張しながら奥へ進む。たぶんこの晴天の昼下がりだからまだ入れるが、雨や夜だとまず入るのは怖い。どうやらゴミの不法投棄場になっているようで、ゴミ山ができている。途中捨てにきたのかバンとすれ違ったが文句は言われなかった。木立に隠れて微かにボルドーの家が見える。大きい。明らかに豪邸。野原から鹿が出てきて、その先に家の庭から半袖半パンのおじさんが見える。やはり人はいるよう。

ここ以外は山で荒地になっており廻りこめるところはなさそうなので、人がいるならば、と正面に戻り、ご迷惑だろうな、と恐縮しながらインターフォンを押してみる。辞書で調べたフランス語で、「日本から来た建築家なのだけれど中を見せてもらえませんか?」と駄目もとで聞いてみる。

お手伝いさんなのか、おばさんっぽい女性が通話口に出て、おそらくこちらの言ったことは通じたようだが、あちらの返答が全然聞き取れない。メゾンしかわからなく、英語に切り替えて訊いてみても、やはりフランス語しかわからないようで、結局切られてしまう。

誰か道行く人にお願いして、英語で伝えてそれをフランス語で代わりに訊いて貰えないかお願いしようと、しばらく道で待ってみるが、飛ばす車以外は全く人通りがない。歩くような道ではないのだ。

二川幸夫さんならここで構わず入っていくのだろうなーと思いながら、逡巡した挙句あきらめる。自分が住人なら庭に知らない人が入ってきたら怖いし、少なくとも快くは思わないだろうから。

ここでそのようにあきめてしまうところが、偉大な建築家達との違いなのかもしれないなーと何か敗北感を感じながら帰り道をとぼとぼ歩く。途中バス停でバスを15分くらい待ってみるも時間になっても来る気配がないので、あきらめて歩く。帰りは1時間ちょっとで駅まで帰れた。

掲示板を見るとパリ行きのTGVは軒並み遅れている。乗る予定の16:32の便も30分遅れ。カードで切符を購入。フランスの自動券売機はicチップのついているvisaやmasterなどのカードか、コインしか使えない。なぜだろう、中途半端に不便。紙幣が使えなければ自動にする意味が中途半端にないと思う。

チケットは早割りの金額の三倍程度、iDTGVというネット購入のみの金額よりも20eほど高い83eもする。日本の新幹線に比べれば普通なのだけれど、イタリア、スペインの同じくらいの距離の移動から鑑みると恐ろしく高い。フランスは電車に代わる長距離バス路線が皆無なため、長距離を移動しようとするとこのバカ高いTGVか飛行機しか方法がない。国鉄労働者が強いからか何か知らないが、こういうところにもフランス人の高慢さをいちいち感じてしまう。もちろん駅や切符には最小限の英語の案内しかない。アナウンスもフランス語のみ。スペインとは大違い。

ボルドーのインフォの地図やポンピドゥーのガイドに日本語が載っているのには驚いたが、普通のインフラレベルでの英語表記がもっと欲しい。おそらくフランスも観光産業による収益は大きなものだろうと思うが、こういう制度的にも人間的にも高慢な態度ならばリピーターは減るのではないかと思う。

個人的にはナントの友人やパリの友人にとてもとてもお世話になっているのだけれど、行く先々で、他では(インドではまた違う形で感じたけれど)感じなかった高慢な態度に不愉快な印象を受けた。

色々な国を廻っていると言語も文化も全ての違いは相対的なものに過ぎず、貧富の差に関わらず線形的に優劣を論じれるものではない、と思う。

おそらく日本人はその国民的メンタリティ上、文化的優越感を白人には感じないだろうが、他のアジア各国に対してはどうだろうか。反面教師的によい勉強になった。まぁ今更自分が言うまでもないくらい当たり前のことだけれど。

17:00頃ボルドーを発車し、パリのモンパルナス駅へ20時過ぎ到着。
リヨンのYHで出会ったパリに住む医者の青年と会う約束をしているので携帯に着いた旨電話をする。今日は仕事が忙しいらしく、明日の夕方に食事をするということに。地下鉄を乗り継いで宿へ向かう。

YH協会の宿は軒並み高く、AIJというユースを予約した。最初の一泊分を先にカードで支払わなければならないが、ドミ一泊19e(混み具合によって値段は変わるらしい)はおそらく最安だと思う。

メトロ8番線Redre Lolline(発音がとても難しい。おかげで翌日待ち合わせに苦労する)を降りて徒歩5分ほど。駅前にスーパー(21:45まで)はたくさんある。wifiやPCはなく、近くのマクドナルドがfreeのwifiを使える。(深夜二時まで開いている。というかここ以外にフリーのwifiはみつからない。wifi表示はあってもオンラインでカード支払いの必要があるところばかり。しかもかなり高い。ネットカフェはどこも持ち込み不可。)

朝食つきだがコーヒーとバゲットだけの今までで最もシンプルなもの。まぁパリなので贅沢はいえない。電子レンジだけ使える(22時まで)。リビングも24時に閉まる。あと、同室で連泊でも荷物をベッドの上や床に広げていると、勝手に退かされて、ビニール袋に入ったものとかはひどいと勝手に捨てられたりする(食材がなくなっていた)。掃除のおばさんが強気のようだ。こんなところははじめて。ちょっとひどい。

チェックインして手持ちの食べ物で食事。とても日本人が多い。宿泊客の半分くらいの印象。話すとほとんどが卒業旅行の学生か大学生。たまたまお話した人にビールを頂いて少し話し24時に締め出されて部屋に戻る。24時半就寝。



No Responses to this post

This post has no comments yet.

Leave a Reply