07:40起床。08:30の朝食スタートに降りるがまだ食堂が開いていない。
少し遅れて開き急いで朝食を食べて出発。09:30の昨日のスイス人夫婦との待ち合わせにバスで向かう。10分前に到着。ロビーで先方は既に車を待っていた。レンタカーが遅れているらしい。
昨日casa das artesに行ったが閉まっていたと話したら、彼らが行ったときも閉まっていて、どうやら屋根が構造的に危ないらしくもう二年前から閉まっているとのことだった。危ない。
レンタカーが到着。GPS付。マニュアルシフトだ。旦那さんの運転でブラガへ向かう。今日はブラガのスタジアム、同じくsouto de mouraのリノベーションしたホテル、階段のある教会へ向かうらしい。ポルトガルはeuで最も交通事故が多いらしく注意して運転されている。
彼らは二年前に京都に二週間滞在し、桂離宮や重森三玲の自宅(庭園美術館かな?)、金閣寺や銀閣寺を見て、旅館に泊まったとのこと。クリスチャン・チュミという重森に関する本を書いているランドスケープアーキテクトの友人が京都に住んでいたらしい。
アメリカに行くならライトの落水荘はベストでマストだ、など国は違えどやはり同じ建築家、見に行くところはことごとく被っている。面白い。彼はドイツ人で奥さんはフランス人、もう64らしいがとてもそうは見えない。とても元気でタフだ。
ポルトを出るまではワイパーが追いつかないような豪雨だったが、ブラガに入ると雨もやみ、青空が見えてくる。喋ってくれないGPSと格闘しながらなんとか一時間足らずで高速を飛ばしブラガスタジアムに到着。
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Braga Stadium
Eduardo Souto de Moura
2004
parque norte-Ap.12 ,Monte Castro-Dume,4700-087 Braga,Portugal■公共交通機関での行き方はスタジアムのホームページでも載っておらず不明。高速だと降り口からオレンジ色の「estadiam」というサッカーボールの標識が出てくるので、それに従えば辿りつけます。
■月曜から金曜の試合のない日に限り、10:30/15:30にガイドツアーがあります。一時間ほどのロングとショートがあり、ロングは5eでした。6,7,8月は14:30の回もあります。
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旦那さんが売店にいた人に聞いてくれるとガイドツアーがあるとのこと。
フランス語で話していたので、珍しいねと言うと、ポルトガルからフランスへ働きに行く人が多いらしく、フランス語を話せる人が多いらしい(実際この後も道を聞いたら半分くらいはフランス語で話していた)。
教えてもらったスタジアムの入り口へ歩いていくとガイドツアーは15:30までないとのこと。しょうがないので先にホテルを見に行き、それから帰ってくることにする。
車で道を訊きながらホテルへ。全く知らなかったが、souto de mouraが修道院をリノベーションしたホテルとのこと。少し迷って40分ほどで到着。見るからに高級そう。レセプションで尋ねると快く見学を許してくれた。スイスの同じようなホテルではまず見学不可らしく、ここは親切だと彼らは感心していた。料金表を見るとシングルでも188euroから。いいホテルだ。
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Pousadas Santa Maria do Bouro
Eduardo souto de moura
?????
Mosteiro Santa Maria do Bouro,4270-633,AMARES
www.pousadas.pt
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部屋も一部屋だけ見せてくれる。外壁に面したニッチをうまく残して窓際のベンチに転用している。既存のニッチにあわせて真鍮で造っているオリジナルのサッシワークがすばらしい。
開閉システムも良く出来ている。
廊下の巾木の入れ方など古い構造体に対して、そこを触らずにどう手を入れるかのよい勉強になる。
souto de mouraは不勉強でシザに似た建築家かと思っていたが、そうではないようだ。後のスタジアムでもそうだが、スカルパのような繊細なディテールを使うかと思えば、石を刳り貫いたり、後に見学するスタジアムのように豪快な構造を用いたり。世代も下るから当然かもしれないが、シザよりもモダンなデザインだと思う。
奥にレストランがあり、ご夫婦からランチをご馳走になる。魚がメインのコース。ポルトガル特産らしいグリーンワインを頼んでくださる。とても美味しい。魚に良く合う。
一皿目はあっさりしたブルー?チーズと魚のフライ二種。パンがとても美味しい。ポルトガル特産らしい白身魚(名前を失念。。。)のムニエル?をお願いする。車に乗せてもらいその上ランチまでご馳走になって恐縮するばかり。どうやったらこのお礼をできるだろうと考えるがいい案が浮かばない。
食べながら自分の旅に出た経緯など話をするが、説明しようとすると英語が追いついてきてくれずとても歯がゆい。たどたどしい説明を我慢強く聞いてくれて感謝。しかし美味しい。
スタジアムのツアーの時間が迫ってきたので食後はエスプレッソだけで済ませ、少し庭を見学してから車に乗り込む。
時間通りに到着。全部で8人くらいのツアー。おじさんがポルトガル語で説明し、それを同じツアーにいたスイス人がフランス語に訳してくれ、それを旦那さんが英語に訳してくれる、という申し訳ない伝言ゲーム。
最初はチームのトロフィーなどの展示室から始まり、こっそり辟易しあう。15分ほどしてやっとスタジアムへ。すごいロケーションでここに建てただけでもよくやったと思う。石を掘り出すだけで二年かかったらしい。
サッカースタジアムはカンプノウしか見たことがないが(それも贅沢な話だけれど)、より近くで見れる印象。二階スラブはキャンチで、大屋根はワイヤーのテンションで持っているため全く柱が出ず、すばらしい。
ピッチレベルにも降りて、芝にも入らせてくれる。初めてスタジアムをこのレベルで見たけれど、想像するだけで臨場感が全く違いそう。次はこのレベルで見てみたい。
一時間ほどのツアーを最後はまたトロフィールームに行きそうになったので、旦那さんが用があるから、とうまく切り上げてくれてスタジアムを後にする。
最後は階段のある教会へ。
ポルトガルにしかないところらしく、古いがとてもきれいだという。到着するとちょうど雲の切れ目から太陽がのぞき抜群の天気。
今日のハードスケジュールに対するプレゼントだと喜び合う。結構な山の上にあり絶景が望める。
階段を下りて振り返るとその反復が美しい。
踊り場にある噴水はそれぞれデザインが違い面白い。
息を切らせて(しかし60オーバーとは思えない体力!)往復し、教会を後にする。
一路ポルトへ。
帰りは渋滞に巻き込まれ、19時過ぎにホテル着。入り口でお礼を言い、バーゼルでの再会を約束し別れる。丸一日本当にお世話になった。お世話になってばかりな気がしてしょうがない。
宿に戻り昨日作ったパスタを温めて食べ、ポルトガル語しか表示されない備え付けのpcでなんとかひとつだけTGV-europe(本当にこのサイトは意味がわからない。居住国を日本にするのと他の国にするのではなぜか予約できる日が異なるし、国をunknownにすると予約できる日が増えるのはいいが、住所を入力するプルダウンに日本だけ出てこない。と愚痴ばかり書いてもしょうがないのだけれど、これで困っている日本人は絶対多くいると思う)の予約ができた。
フランスの移動はかなり前もって取っておかないとバス便がないため、恐ろしく高くなる。随分前に調べた金額の倍以上(10日前でも)になっていた。
見る建物が多い日が続くと整理するデータが多く忙しい。0時就寝。