49日目 100224 PORTO


08:40起床。疲れてきているのか怠けてきているのか、最初の頃より起きるのが遅くなってきている。シャワーを浴び降りて朝食を食べて10:30出発。今日も台風のような暴風雨。傘は簡単にひっくり返るのでさせない。

まずは207のバスでセラルヴェス美術館へ向かう。

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Serralves Museum of Contemporary Art
Alvaro siza
1997
Rua D.Jo?o de Castro 210,4150-417 Porto,Portugal

■ユースホステルから、向かうのであれば207番のバスで近くまで行ける。自分は504番(が早く来たので)で向かったが、手前で曲がってしまうので、右手に、塀(向こうに森が見える)が続いてきたら降車ボタンを押し、Joao ⅲというバス停で降りて塀に沿って進行方向に歩けば入り口に辿り着く。

■10:00-19:00。公園と美術館で5eと書いてあったが、今は一部改装中らしく3eだった。日曜の15:00-16:00のみ建築のガイドツアーがある。(展示のガイドツアーも別時間であります)。内部撮影可能。
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11時頃到着。アプローチからシザらしい庇が迎えてくれる。
中に入ると幼稚園児から高校生まで多くの授業の一環っぽいツアーが行われている。今はセラルヴェス財団のコレクションからアーティストの出版物に焦点を当てた展示だった。


しかし、やはりシザは天井が巧い。美術館であってもダウンライトやスポット(配線ダクトも)を全く使わず、天井や壁の間接光、光天井(内部に照明も仕込んであるトップライト)でまかなっている。そのため展示に対しては少し暗いところもあるが、建築プロパーから見ればこちらの方がすばらしい。


白い壁はペイントではなく左官のようだ。巾木や腰壁は石。壁面の石と左官を角で見切っている(石の小口も塗りこんでいる?もしくははっかけ?)のが意外。そのためかあまり重さを感じない。

美術館を平面図で見ると、変な出っ張りや形があるように見えるが、実際にそこを歩くと全く引っ掛かりがない。不思議だ。よく見るシザのスケッチのように、パースから形を起こしているからだろうか。確かに平面図の整合性は実感できず、実際にそこを歩いたときに見える風景の整合性が重要だ。



一通り写真を撮りながら展示を見ていると、昨日レサのレストランで会ったバーゼルからの建築家ご夫婦に再会する。やはり同業者は廻るところが同じなのだ。再会を驚き喜ぶ。聞くと彼らは今朝建築大学を見てきたようで、その後ソウト・デ・モウラのcasa das arteに向かったが14時からしか入れずここに来たらしい。

明日は同じくモウラのブラガスタジアムに行くと言うので、自分も行きたかったが行き方がわからなかったからあきらめたのだ(websightは見つけたので見学したいので公共交通機関での行き方を教えてほしい旨のメールを送ったのだが、予想通り返事は帰ってこなかった。。。サッカースタジアムで車でしか行けないはずはないと思うのだけれど)という旨を話すと、明日はレンタカーで行くつもりなので、一緒に来るか?と言ってくれる。喜んでお願いする。

翌朝先方の泊まっているホテルに待ち合わせの約束をして別れる。明日はアヴェイロの建築大学(シザ)を見に行こうかと思っていたが、もちろん偶然の出会いを優先する。スタジアムの後は同じくモウラが修道院をリノベーションした建築を見に行くらしい。楽しみ。

美術館を後にし(ちなみにここの本屋の品揃えはなかなか素晴らしかった)、敷地内の数点のランドアート(D.Graham,R.Serraなど)、casa serrarvesを見る。後者は期待外れ。

雨は降ったり止んだりだが、風がものすごい。またバスに乗って建築大学へ向かう。

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school of architecture,porto univ
Alvaro siza
1994
Rua do G?lgota 215,4150 Porto,Portugal

■同じくユースから、セラルヴェス美術館からなら207のバスで近くまで行ける。バス停(どこで降りたかメモ忘れました。すみません)を降りて進行方向右手に曲がり坂を下り、トンネル(アーチ、橋?)を潜ると左手にいきなり出てくる。

■開館時間は不明ですが、大学なのでほぼずっと開いていそうです。上記のように西側からアクセスすると入り口に安い学食があります。部外者でも(たぶん)入れます。構内はどこまで入っても何も言われませんでした。(図書館は入り口で入っていい?と聞いたらOKでした)。学食のある建物が事務所やホール、図書館などを含む施設で、他の分棟が製図室、教室などのようでした。
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ちょうどお昼の時間なので学生に混じり学食でランチ。なんだか世界学食巡りをしているようだ(そんなつもりはないのだけど)。メニューはポルトガル語で全くわからない。隣と同じものを頼む。クリームコロッケとレタスとライスのワンプレートで2e。食後にりんごのパウンドケーキとエスプレッソで0.9e。安い。学生達の持っている筒の長さから、A0クラスの図面を手書きで描いているのかなと推測する。

食べ終わって建物を廻る。作品集を見ていても思っていたけれど、素材の勝ち負けが面白い。
巾木が拡大されたようなトラバーチンの腰壁が建具枠に勝ったり、かと思うと外壁では腰壁と開口部が交錯したり。


レストランでも思ったが、普通ぴったり揃えてしまいそうなところをわざと伸ばしたりずらしたりすることによって、うまく言えないがそこを歩いたときにスムーズに連続するような感覚を与えてくれる。


かつ、ずれていることで複数のレイヤーが重なったような、奥行きのある印象を与えてくれる。機能的にもおよそ手や足が当たりそうな全ての天端部に石が立ち上がっているため汚れにくい。理にかなっている。

 

図書館に入る。トップライトには照明も内蔵されているのか明るい。書架の上部に吹き出しが、足元に吸い込みがあり、その石との見切りが巧い。

階段の段板が一段だけ木になっているので石が割れて代用しているのかな、と思ったら書架のラインから繋がっていた。巧過ぎて感心して一人で唸る。こういうミニマルでない、かつ、とってつけてたようでない、何かを延長した装飾的要素の入れ方が抜群に巧い。とっても建築家的なロジックの装飾だと思う。


製図室では学生がパワーブックを開けながら模型を作っている。結構一人当たりのスペースが広くてうらやましい。




延べ二時間ほど滞在して後にし、歩いて先ほど開館時間を教えてもらったcasa das arteに向かって見る。が、それらしき建物が見つからない。地図に書いてあるその場所には古い様式の建物が建っており、近くの警備員にきいてもそこだと言う。しかも閉まっている。残念。

強い雨が降ったり止んだりするたびに雨宿りを繰り返しながら、歩いてinternorteへ向かう。予想より小さくきれいなオフィスへ入り、すんなりサンティアゴ行きのバスチケットを購入でき、サンティアゴからサンセバスチャンへのチケットもここで買えた。時間と金額はalsaのサイトで調べていた通りだった。(チケットにはalsaと書いてないけれど)。

一安心して昨日インフォで教えてもらったネットカフェのありそうなショッピングセンターに行くも、カフェはあったがここもコネクトNG。帰ろうかとcasa da musicaまで行き、カフェで聞いて見るとwifiが使えるという。試すと確かに繋がる。上の階では繋がらなかったのに。灯台下暗し。19時の閉館まで TGVの予約を試みるが、思いつく限りの方法を試してもカードを代えても予約できず。sncfのサイトの構造がとてもわかりにくい、かつ居住国によって内容が違うのが意味不明。おかげでどんどんフランスの個人的印象は悪くなるばかり。

バスで宿に帰りキッチンで二日分のパスタを作って食べ、 明日の分を今日買ってきたタッパに詰める。電子レンジがあるので、これで毎日作らなくて済む。隣のテーブルで食べていたフランス人はナントから勉強で来ているらしい。大学には日本語のコースもあるが、既に英語、スペイン語、ドイツ語をやっていて手一杯かつ日本語は構造が違うので難しすぎると言っていた。逆も然り。その通りだと思う。

溜まっているログと写真の整理。明日は少し早起きしなければならない。0時就寝。



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