33日目 100208 BARCELONA



07:40起床。朝食に食べて09:00出発。地下鉄に乗って市内中心部へ。

まずは10年前には公開しておらず、2006年から公開となったカサバトリョを目指す。カサミラの前を通り、前回見学したのでファサードだけ見る。横から見ると上部に行くにつれセットバックしている。一階のお土産物屋でよい写真の絵葉書を売っている。各地で絵葉書を物色しているけれど、どこも文字が入っていたり写真がもうひとつだったり、必要に迫られなければ買う気がおきないものが多い中で、ここのものは写真として普通に面白い。スペインのイメージをうまく切り取っている。その並びの本屋で無くしていたノック式赤ペンを購入。やっと買えた。本当は最初になくした三色ペンがいいのだけれど、まだインドからどこでも結構探しているのにお目にかかったことがない。たぶんあれは日本の精密技術ゆえなのかもしれない。ノック式でさえやっとヨーロッパで見かけるようになったくらいだから。

カサバトリョへ。入場料17.5eと高めだが、オーディオガイドももれなく貸してくれて日本語もある。何より内部が見る価値がある。

解説によると海や動物の骨をイメージした、らしい、ということだが、確かに直線の部分がなく波打った壁面や建具、開口部を見ると頷ける。

しかし、もしガウディがそこからインスピレーションを受け、出発点をそこからはじめたにせよ、実際にできたものは、それらのイメージを含みつつより広い解釈のできるものになっている。

「にも見える」が、それだけには見えない、イメージの多重性というか、多面性というか。抽象化しつつ、その仕組みの延長線上に別の見たこともないものになっているところが、面白いところだと思う。まぁこれを作った木工職人の腕の確かさもすばらしいと思うけれど。

次に近くのアントニタピエス美術館に向かう。前回も見たが、もう一度見たかった。が、改装中らしく長期閉館中。残念。

向かいにあるホームセンターに入る。欲しかった修正ペンやクリップを購入。スペインの文具メーカーMILANの日本では見ない消しゴムや文具がいっぱいで思わず買いそうになるのをぐっと我慢。uniyやpilotよりもmilanの方が安いというのが日本と逆で変な気分。製図用品なども違って面白い。一館丸々廻る。

その後郵便局へ。雨が降ってくる。昨日までの二日間の晴天が嘘のように、曇りで肌寒い。日本まで小包を送る場合のやり方と金額を確認する。

その足でポンペウファブラ大学図書館へ。これも地中海ブログさんの紹介で知り、それに従い向かう。が、住所で地図を辿り着いたところはオフィス棟で入れず、受付で地図をもらってバスに乗り図書館のあるメインキャンパスへ。そこは海際で、椰子の木が道路際に並び、南国の雰囲気。

正門をくぐり、図書館bibliotecaの受付でライブラリに行きたい、と話すと普通に入館許可とかもなく、あっち、と指をさされる。ので普通に入る。新しい建物にある図書館の地下からアクセスする。学生が一杯。国が違えど大学生はどこも同じような格好をしている。新館はがやがやしているが、長い廊下をくぐって旧館(というかリノベーションされた館)に入ると一転とても静か。

レンガ造の元工場か何かだろうか、とても天井の高いアーチが連続する空間にPCかGRCでできた床を挿入し、3フロアの図書館にしている。使っている素材は木(建具は壁と木目まで揃えた突き板、さすが!)とフェロドール塗装っぽい鉄骨、前述のセメント系の仕上げのみだが、色合いとテクスチャが既存のレンガに馴染んでいる。

また照明計画がうまい。アーチ天井を照らす間接のためのアッパーと、通路および書架の上に立ちながら本を載せたりして見やすいように手元照明がついている、それだけで全然暗く感じない。あまりにも静かなので気を遣いながら何枚か撮影して後にする。

その後学食に寄って、お茶とパンを食べる。残念ながらランチは終了していたが、やはりここも街中の2/3くらいの値段で食事できる。

雨は激しくなってきており、日没も近く迷うが、ヘルツォーグドムーロンのフォーラムに行くことにする。
地下鉄で向かう。駅を降りると少しさびれた感のある道を目的地めざして歩く。隣には現在建設中の高層ビルが二軒並んでいる。

しかし、フォーラムは残念なことになっていた。展示換えか改装中か、内部は工事をしており、看板には書いてあるレストランは既にも抜けの殻。人の気配は全くなく、時折自分と同じ建築ウォッチャーが写真を撮るため雨の中でも近づいてくるのみ。廃墟のよう。

雑誌で見ていた分には結構期待していたが、それほど実物には感心しない。外壁の仕上げの岩肌もボリュームを浮かせた構成に対し、重さと浮遊感の相対感として正解だし、サッシと吹きつけ面の納まり、天井面の仕上げ、それにパンチングで開口をとる採り方、合わせガラスのみの手すり、ガラスカーテンウォールの納まりなど、全て正解と思えるのに、なぜか感心するほどでもない。

1/50くらいの模型で見れば、すごい!と飛びつきそうだけれど、1/1のスケールで見ると、大味に見えてしまう。ではディテールを凝ればよいのか?というとそうでもないと思う。引き続き考えたい。

靴もずぶ濡れで寒くなってきたので、宿に戻る。パスタを作り食事後、メールが見れずに困っていた日本人の方二人にPCを貸してあげて話す。ドイツ留学からの帰りらしい。同室の日本人の方がワインを持ってきてくださり、1時頃まで話す。その後、翌日郵便局から本や溜まったパンフレットなどと一緒にデータのバックアップDVDを送ってしまいたいため、部屋で作業。4時就寝。



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