26日目 100201 PISA-FIRENZE-VENEZIA



0630起床。身支度をして0700朝食に降りる。ベーコンオムレツとトーストとカプチーノ。同室のトリノから来たイタリア人と相席する。手早く済まして0740チェックアウト。荷物を預け、駅へ。切符を自動販売機で購入し、0805ピサ行きの電車に乗り込む。

0922ピサチェントラーレ駅着。帰りの切符とフィレンツェーヴェネチア間の切符を購入しておく。Firenze SMN StからVenezia SLStまではES(特急)しか走っておらず44e程度と高い。調べると一日一本だけIC(急行?)が1320発で3時間かけてヴェネチアへ行く便がありそれだと22e半額。が、22e=3000円弱でフィレンツェの建物を見れるのなら安いものだと考え、夕方のESで予約する。

駅中のタバッキでバスの切符(60分有効1e)を往復分二枚買い、斜塔行きのバスを訊き回ってさがす。LINEA ROSSAのper TORREと書いてあるバス停に辿り着く。駅から出て道向かい側の建物の足元にある。バスに乗り込み、バス停の停留所一覧に書いてあったTORRE 1という表示が車内の電光掲示板に表示されるのを待つ。

が、地図を見ながら、どうも斜塔+ドゥオーモ近いな、と思うところを通り過ぎるが、まだTORREは出ない。景色はどんどん郊外になって行き、これは行き過ぎたなと停まったバス停の表示を見るとやはり行き過ぎている。循環線なので乗っていればいつか着くが、時間がもったいない。遠くスイスと隔てている山が見れたので、よしと考える。日本の山と違い、ナイフのように鋭い尾根をしている。結局TORREという表示は出ずに、piazza miracoleがTORRE(tower)のことだった。なぜバス停と車内の表示を統一しないのか不明。

バス停からすぐにドゥオーモ建物群の敷地に入る。斜塔に登るチケット15e+礼拝堂など二つの建物に入れるチケット6eを買う。延べ3000円弱、結構高い。斜塔は時間ごとに区切って入場を制限しているらしく、1100の入場と言われた。すぐなので斜塔裏側にある建物(みやげ物屋とオフィス?の間の入り口)に行き、指示通りカメラ以外の荷物を全て預ける(無料)。

時間に行くと三々五々、行き違いできないくらい細い階段をぐるぐる登っていく。オフィスの前に飾ってあった青焼き図面を見ると、天端から垂直に線を降ろすとGLで水平距離4.5mも倒れているらしい。(ガイドブックによると一時は5mを越えたときもあったらしいが、修復工事の結果戻ったとのこと。またこの傾きは地盤沈下によるもの。設計かと思っていた自分を恥じる)。

 

傾いた建物の螺旋階段を登る、という経験はおそらく他になかなかできない気がするが、予想以上に平衡感覚がおかしくなる。かなり傾いている。結構すぐに頂上に辿り着く。手すりはあるが、傾いているため、下側へ行くとちょっと怖い。意図的な設計ではないが、デコン建築より過激な空間体験に感じる。




降りて洗礼堂へ向かう。ちょうどツアー団体客が入ってきたおかげか、その音響効果を披露するために係員が軽くアカペラで歌う。すごいリバーブ。深い。反響音がどんどん周波数が上がり天に昇っていくような音がする。ここでコーラスを聴いたらすごいことになりそう。

一通り見学して12時過ぎに駅にバスで戻り、フィレンツェへ。1344着。駅前、サンタマリアノヴェッラ教会隣のインフォで地図(詳細でとても使える)をもらい、一路サンスピリト教会へ。が、着いたらシエスタ?休憩中。0930-1230,1600-1730しか観光客は入れない。6年前に来たときにははそんなに短くなかった気がする。(ちなみに内部撮影も禁止になっていた)。

しょうがないので、ドゥオーモへ向かうと、こちらもどうやら今日のみ1530までで、数分前に扉は閉められてしまっていた。ついてない。そのまま捨て子養育絵画院へ向かう。ブルネレスキの建物だけでも見ておこうと思った。


こちらは外部なので閉館もなく見ることができる。相変わらず治安というか雰囲気はあんまりよくない感じ。連続するアーチが正半円であること、かつ天井部にはリブも稜線もないドーム状になっているため、ぽこっぽこっとボリュームがはまっていっている感じがする。また、回廊となっていない外壁部分にまでアーチを体裁上連続させる、という操作がとてもモダンに感じる。「その場の意匠どうこうでなく、形式を優先する」という考え方。それによって広場を囲む三面に端から端までアーチが連続することとなる。

16時を目指し、急ぎ足でサンスピリト教会へ来た道を戻る。勤めていた事務所の同僚でイタリアで働いていた経験をもつ方が、「なんで日本人はあんなに急ぎ足で詰め込んで建築を見回るんだ?」とイタリア人によく言われた、とのことだったが、まさに自分が今そうなっている。出国前からわかっていたことだけれど。

着くとちょうど扉が開く頃だった。入って中を見学する。今まで見てきた教会に比べると床も壁も柱も天井も、シンプルな、質素な感じがする。が、捨て子養育院同様の天井ドームと共に、外周部の縁の処理の仕方が普通ではない。建築史図集でも開けて平面を見るとわかるが、外周部も半円状の平面になっており、またその天井部も断面的にも半円になっている。そのため全方向的にアーチが続いていくような感覚に陥り、かつ、平面断面上のどこにも角がないため(またその頂点に窓があることも効いているのかもしれない)、奥行き感が狂う。不思議な拡がりを感じる内部空間になっている。

今回の旅行ではあまりにも見る建物が多いため、普段なら見学時に携行する解説も関連書籍の情報も全く手元にない。自分でエクセルで打ち込んだ見るべき建物の情報リストと、交通や宿泊情報を行くところだけ複写したガイドブックしか持ってきていない(ま、それでも結構な量だ)。ネットの情報も自宅や図書館の書籍でも調べらることもできないため、自分の容量の少ない脳に残っている情報と、そこで感じたことしか書けないのが申し訳ない気がするが、半分は自分用のメモを兼ねて書いているので、ご容赦願います。

15分くらいで教会を後にして、途中スーパーで食材を買い込み、宿へ荷物をピックアップしに行く。1710駅に到着。予約したESは10分遅れで到着し乗り込む。eurostarの車両のようだが、思ったほど設備もデザインも感心しない。車内でログと写真の整理。

結局50分遅れで20:20ヴェネチアサンタルチア駅着。駅前で水上バスの切符を買う。
一回券で6.5eととても高い。計算して72時間券を買う。空港へのバスもこれで乗ることができる。ユースまでの水上バスの路線番号はユース本や歩き方記載の番号とは変わっており、2か41、N(深夜のみ)で行ける。41が早いが、20:15が最終で既に行ってしまったので、2番を待って乗る。最寄はZitteleという駅なのだが、手元に路線図がないまま乗って気が着くとZatteleという駅に着いたのであわてて降りると一字違いで4つくらい前の駅。まぎらわしい!また15分ほど待って同じ番号に乗り込み、21:30頃宿に着。

6年前くらいにイタリアに来たときもここにとまった覚えがあるが、その時に比べおそろしく閑散としている。やはりシーズンオフ。22e。部屋は今までで一番の大部屋だが、鍵のかけられるロッカーがついている。日本に来て10年の台湾人の方と話すと、彼もツェルマットに行ってきたとのこと。-20度にもなるこの季節でこれだけバックパッカーを引き寄せるというのもすごい。スイス情報を色々教えて頂く。24時就寝。

 



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