141115_3Dcad


今年も大学で担当している授業の自己紹介が終わりました。
毎年学生にkeynoteで15分程度のスライドを作っています。あまりそういった機会がまだない中、80人ほどの人を前にプレゼンするのは自分にとってもとてもいい機会なので、毎年内容をアップデートして臨んでいます。

去年のafter real anonymus designのシンポで拝見した久下玄さんのプレゼンがとても上手く参考にさせてもらいました。TEDやappleの新商品発表も。今年は今までよりいくらか余裕が持てた気がします。ひとつ感じたのは、動いたり歩いたりすると随分リラックスできるものだ、ということでした。

授業では3Dcadも少し教えるのですが、自分が学生の頃と比べて隔世の感があります。おそらく今の実務や修士学生レベルでは昔の2Dcadと同じくらい3Dcadが使えて当たり前になってきているのではないか、と。

一番の要因はハードの処理能力が格段に上がり、ソフトも手が届くようになってきたことでしょう。個人的にもこの数年で一気に2Dcadと同じくらい日常的に使えるなくてはならないツールになってきました。と同時に、設計ツールとしての模型との長短も感じています。

長所のひとつは、モデリングが劇的に手軽になってきたため、パースをそらで描けなくても模型より早く正確なスタディができること。模型は人が居れば分担することで人工を結合できますが、人が居ないといくら手が早くてもある程度の時間がかかる。3Dは一人でも模型より効率的に立体にできる。(逆に分担しづらいか)

また、模型では表現しづらい枠の形状や見付見込といったプロポーション、物の厚みや仕上げのバランスをスタディするのには適していると思います。

けれど、他人とイメージを共有するツールとしては、模型の方が優れている。自分でモデリングやレンダリングしていると、その空間をかなり歩き回ってイメージ出来ているのだけど、それをいくらパースで切り取ったりウォークスルーを作ったりしても、同じだけの理解と実感を短い時間で伝えるのは、相手が同業者であってもズレが生じると感じます。

その点、模型の共通認識性は、プロでも素人でも変わりなくブレがない。かつ、光の入り方や自然光による明るさの検証でも、いくらレンダリングで見ていても、模型でも検討しておかないと不安、というのも感じます。

模型の作り方も変わり、まず3Dmodelを作ってから展開に切り出して作る方が最終的には早い。(スケールにも依るかもしれないけれど)。自分がオープンデスクの頃はいかに平面図だけから早く1/100の模型を作るか?を鍛えられたのを思うと随分時代は変わったものです。昔なら現物合わせで削りながら合わせていた形状もプラモデルを作るような感覚で出来てしまいます。

その自由度が増した分、豊かな建築が作れているのか?その辺は意識しておこうと思っています。



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