140301 YFT

お施主さん自ら調色された黄色が絶妙。まるでヴォイド床の間。

先日、縁あって伊藤立平さん設計の京都のスタジオにお邪魔しました。
建て主さんはカメラマンでありYFTを主宰される山田さん。初対面にも関わらず根掘り葉掘り矢継ぎ早に打つ質問にも丁寧に、隅々まで応えてくださいました。

 


どこまで書いていいのかわからないけれど、現場に来た大工さんが「お施主さんどこですか?」と山田さんに尋ねたほど現場職人と化していたくらいセルフビルドで改修された家ですが、スタジオに窯も据える(上の写真は作品の一つ)奥さんと相まって、セルフビルドだからこその割り切りや創意工夫に溢れた、愛のある素晴らしい空間でした。

当日お伺いしたら設計者である伊藤さんも来て下さるとなって、後半は施主設計者交えて、色々とお話し伺いました。

cadよりもエクセルに向かっていました(分離発注による金額調整作業が大変だったため)と伊藤さんは半ば冗談で仰っていましたが、「予算や建物の状態、出来上がりの見立ても含め、総合的な見地からコントロールしアドバイスしてくれたことは、設計者の貢献としてとても大きい」という山田さんの言葉が印象的でした。

予算的な制約も片方にありつつも、築100年クラスの町屋だからこそ全てを新しくカバーするのではなく、既存の土壁をあえて残し、崩す部分の土壁の土を水に浸けて残す部分の土壁の補修に利用するなど、改修だからこその豊かさを享受しようとする姿勢には共感するところが大いにありました。

「竣工時だけが重要なのではなく、着工前の既存の姿も、工事中の風景も、竣工時の姿も、その後の使われていく様子も、その流れを撮りたい」というカメラマンとしての山田さんのお話もその通りで、(写真は取り忘れてしまったけれど)冬の暖房効率のため吹抜に天井代わりに掛け渡された障子紙(カテナリーアーチの放物線がとてもきれい)や、寒かったからと自分で後から架けたお風呂の天井や陶芸スペース廻りの温室カーテンなど、日々進化している家の様子(伊藤さんも来る度にバージョンアップされていると仰っていた)は山田さんの言葉を裏付けていました。ご夫妻のセンスが本当にすばらしい。

ペンダントのヒモを延長し、重しに奥さん作の陶器のかけらが付いている。

山田さんのポートフォリオも拝見し、写真の話も詳しくお話し頂きました。
楽しすぎて長居しすぎてしまい恐縮でしたが、山田さんご夫妻、伊藤さん、ありがとうございました。

YFTさんはhttp://www.koh-create.co.jp/yft/index.html
山田さん撮影のスタジオの写真は伊藤さんのサイトに。http://www.tappeiito.com/



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