130728_武奈ヶ岳_小川新道の歩き方


先日道を誤って登山道でない沢を下ってしまった武奈ヶ岳の小川新道にリベンジしてきました。
ものすごくローカルな内容、かつ、あまり人気のなさそうな登山道だけれど(今日も日曜にも関わらず1パーティしか会わなかった)、前回同様、今回もしっかり道を間違えかけたくらいわかりにくいので、誰かの役に立つかと思いアップしておきます。たぶんいつか役に立つ人もいるでしょう。

さて、久しぶりに出町からの10番京都バスに乗り坊村下車。御殿山コースから武奈ヶ岳登頂。
前回とぴったり同じジャスト2時間。
山頂でシルバーコンパスで山座同定していたら、近くのおじさんに「お兄ちゃん、ここ磁北狂ってるで」で声をかけられた。
前回道迷いしてから、知人に貸してもらった「二万五千分の一 地図の読み方/平塚晶人」(これ練習問題が付いていて、とってもわかりやすくて良いです。お勧め)で地図の読み方を勉強し直して磁北も2.5万の地図に書き込んでいたのだけれど、それよりも3度くらいずれるらしい。聞くと山岳会の上級指導員さんだそうで、山岳保険のこと、オリエンテーリングにおける複歩や交解法など色々教えてもらった。また追って調べてみるためメモ。

で、中峠まで問題なく降りていって、そこから小川新道に入る。結論から言えば、最初の1121のポイント(シャクシコバノ頭)の手前と降り口がとってもわかりにくい。上記地図のAとBの地点。

まずAは、下記写真の通り、道なりに行けそうな踏み跡のある開けた「巻いていく」道がある。今日も最初ここを進んでみた。すると、途中からどんどん道らしくなくなっていく。けれど、タオルがかけてあったり(これが問題)、踏み跡もちょっと行くとまた見つかったり(たぶん前回の自分のような人が結構いる)、なんとなく行けそうな気がしなくもない。

けれど、地図を見れば、明らかに登山道は尾根を1121まで登り切り、その反対側の尾根に続いていくはず。
なので、巻くはずがない。もう一度戻ってよく見ると、テープの反対側に藪にちょっと埋もれた道が尾根沿いにある。

それを辿ると1121っぽい、用心看板がある頂点にでる。これが正解。
黄色いタオルは紛らわしいのでゴミと見なして持って帰りました。

次ぎにB。これも道なりに行ってしまいそうな道が沢の方に延びている。前回はこれを進んでどんどん藪こぎみたいになり、沢を下る羽目になった。

これも地図をよく見れば、尾根伝いにしばらく進むはずなので、沢に向かうはずがない。コンパスを当ててみても方向が違うとわかる。
また、よく見ると、木々に隠れて見えにくいが黄色いテープが少し進むとある。
ここまで来て、ああビニルテープでも持ってくればよかったと気づいたが遅いので、分岐点の白テープに矢印を描いておいた。これで間違わないはず。

小川新道はあまり人が通らないようで、テープも古いし、少なめだし、色が白いテープが多いのでわかりにくかったりする。それを除けば、大きなごろごろした岩があったり、また道も比較的歩きやすいので気持ちいい。


おにぎり岩。

おにぎり岩振り返り。

月見岩。この付近でとても珍しい鳥のさえずりを聞いた。iphoneを忘れてきたことを悔やむ。録音したかった。

この慰霊碑に突き当たって尾根沿いの下りは終了。90度右に曲がって谷を下っていく。

慰霊碑のすぐ脇にある、ビバークできそうなすごいキャンチの大岩。

こんな谷を下っていく。

沢の水音が聞こえてくると、ピンクのテープが乱貼りされた地帯にでる。番号が振ってあるので人工林の何か目印かな?登山道のテープとまじってとてもわかりにくい。
ここまで来たので正確な登山道をナビゲートしようと、登ったり降りたりして探すも、どうも明確な道がない。なので仕方なく、コンパスに従って降りていく。たまにテープがあるので間違ってはない模様。
すると、ぴったり分岐点に出た。地図の読み方を勉強し直してきた甲斐があってとても嬉しい。けれどかなり地図をこまかく確認しながら降りたので、時間がかかってしまった。

そこから今日は滋賀に抜けて電車で帰るつもりなので、大橋を超えて沢沿いを金糞峠までずんずん登る。往きのバスの吊り広告にイン谷口から比良駅までの臨時バスが復活したと書いてあったので、最終便に間に合うべく、急いで進む。

かっこいい樹形。群生していた。なんだろう?

大橋小屋。

大橋の徒渉地点。泳ぎたくなる、ゆるやかできれいな溜まり。けれど時間がないので降りずに登る。

この辺は巨岩がごろごろ。
金糞峠に着くと、遭対協よりイン谷口へ降りる道は青ガレで落石など危険なので別の道を行って下さい。と立て看板がある。
ちょっと迷うが、時間もないし、危険マークが付いているけれど登山道として一応あるなら経験的に大丈夫だろうと行く。

確かにガレてはいるけれど、気をつけて進めば問題なさそう。あまりテープはないけれど、振り返るとたまにペンキ矢印はある。(下りの矢印はなかったのでほぼ登りメインの道なのかな?)まぁコンパスと地形に従えば問題なし。

上の写真の左手が金糞滝(たぶん)、橋の奥の先、右上が青ガレ。距離にすれば一瞬で通過できるけれど、後から見た看板によると青ガレ上部に亀裂があるらしい。いつ大きな岩が落ちてくるかわからないということなら、確かに用心してもどうしようもない類いの危険さだと思う。

急いだおかげで無事バスにも間に合った。
比良登山線はこちら。

石川直樹が「全ての装備を知恵に置き換えること」という本を出していたけれど、星による航海術と同じように、地形とコンパスによるナビゲーションはGPSに頼らずともとても正確にかつ柔軟に山の中を動き回れるという片鱗が伺えたことが今回とても嬉しかった。もちろんGPSも確かに保険としてはあっていいと思う。(自分もiphoneのDIYGPSをDLしたけれどまだ試せていない。。)

山道を歩きながら、足下を見る眼、少し先の山道の行く方向を見る眼、より大きく地形を感じながら進む眼、3つのスケールを行ったり来たりしながら山道を歩く感覚は、視野が一段階広くなったように感じる。

建築になぞらえれば、ディテールを見る眼、部屋と部屋の連結のような空間構成を見る眼、周辺環境に対峙するボリュームといった大きな俯瞰的視点の眼、という感じになるのだろうか。その3つのスケールの行き来をスムーズに行えれば行えるほど、建築においても空間をより把握できるのだろうか。などなど考えながら1日歩いていました。



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