6時起床。朝食を食べて果物をいくつか持ち、玄関にSさんNさんと集合。7時に少し送れて予約している車が到着。Loyd Taylerという御年72の老人が今日のツアーを案内してくれる。ヴィジターインフォで教えてもらったツアーだそうで、一昨日彼女達がモニュメントバレーに行った時に、アンテロープも行きたいという話をすると、応じてくれたそうだ。

クライスラーのセダンに乗り込み一人100$払って出発。一台で300$らしい。三人も居ればレンタカーを借りて廻った方が圧倒的に安いが、道もわからないのでしょうがない。Sさんから聞いていたが確かに英語が聞き取りにくい。フラッグスタッフから北へ、走って一時間くらいで休憩(ロイドの朝飯休憩な気がする)。その後途中峠の天辺近くにある道脇のビューポイントで少し停めてくれて写真を撮る。3時間半ほど走ったところでアッパー・アンテロープキャニオン到着。ゲートがあり、ここからは専用のツアーバスしか入れない。ロイドが訊くとどうやら次のツアーまで30分以上あるらしいので、先にロウアー・アンテロープに向かう。1時に迎えに来るから、と行って車を降ろされる。ゲートに行くと、ガイドブックではこちらは自由に見れるとあったが、ここもツアーでないと入れないと言われる。ちょうど10分後に次回があったので、申し込む。1045スタート。

ヒップホップを聴きながらスケボーしてそうな少年がガイド。まれに見る面倒くさそうな解説も途中から段々列が前後に長くなりいつのまにかなくなる。少し歩いたところに谷底に降りていく割れ目があり、そこから降りていく。人が一人か二人くらいしか通れないような入り組んだ裂け目を歩く。ペトラ遺跡を思いだすが、あちらはもっと高く直線的な形態で、かつ地面より上。こちらは地面より下でより狭く、形態は丸まっている。岩の質が違うからだろうか。

奥に行くに従い深くなっていく。雨水の流れで作り出されたとは思えない。所どころ岩はせり出し、キャンチレバーになっている。1時間近く歩いたところで、上に上がる階段があり、3,4階分くらいの階段を登り地上に戻る。帰りはそのまま地表を歩く。地表からは知らなかったら全然気づかなさそう。

12時に少し遅れてパーキングに戻るとロイドが既に待っていた。車に乗り込み、すぐ近くのアッパー入り口へ。ちょうどすぐ次にツアーがあるということで、ロイドはまた自分たちを降ろしてどこかに行ってしまった。正午前後しか谷底に光が入らないためか多くのジープが行き交っている。オープンエアの後ろの座席は満席で仕方なく、室内に三人で乗り込む。砂漠のような道無き道を20分ほど走る。喋っていたら舌を噛みそうな激しいアップダウン。

今度は地表下でなく地上に聳える岩山の割れ目に入っていく。ネイティブアメリカンぽいガイドはロウアーとは打って変わってとてもちゃんとした解説をしてくれて面白い。岩によって何何に見える、と教えてくれる。彼らは想像力が豊かだ。岩棚に砂を手ですくって滝のように流して見せたり、上を見上げて逆行の関係でモニュメントバレーのように見えたりすることを教えてくれる。

10mくらい上部から差し込む光はスポットライトのように強く細い筋を描く。砂岩のためか、絶えず上から砂が落ちてきて舞っているため、光がよりくっきりと見える。さっき見てきたロウワーとはまた違う趣。これは本当に見れてよかった。アメリカの歩き方には載っておらず、アメリカ国立公園の歩き方にしか載っていない。人の多さから有名なのだろうし、日本人団体ツアーもひっきりなしに来ていたが、誘ってもらわなかったら絶対に見れなかっただろう。SさんNさんに感謝。

一番奥まで行くとまた岩の峡谷は終わる。来た道を引き返してツアーは終了。帰り道は既に日は傾き、往きと同じ道とは思えない暗い道となっていた。ぎりぎり間に合った最後の時間帯だったよう。よかった。帰りはオープンエアの座席に乗る。面白いくらいバンピングしながら帰る。1.5時間で25$のツアーはそこで終了。待っていたロイドの車に乗り込み、Pageの街に遅い昼食を取りに行く。イタリアンでラザニアを食べる。帰り道にコロラド川やパウエル湖が見えるポイント、ダムを案内してくれる。宿に18時過ぎ到着。朝7時からだったので11時間ほどのツアーとなった。さすがに72歳の体には疲れが見える。先ほどアッパーアンテロープでツアーガイドにアメリカ人がさりげなく皆で集めたチップを渡していたやり方を真似て、別れ際に握手しながらチップを渡す。

サハラ砂漠のように砂まみれになった体をシャワーで流し、溜まった衣類と合わせ洗濯にかける。部屋に戻るとコリアンのUさんという日本人ぽい風貌の若者が入っていた。夕食どうするの?と訊かれたので、作るから一緒に食べる?と誘う。昨夜ベトナミーズにご馳走してもらったおかげで余り気味の食材で四人分のポトフを作り、今日同行の二人とUさんとで食べる。妹さんが早稲田大学の学部に留学していたらしく、当時彼も日本語を半年ほど勉強していたので日本語を話すことができる。半年とは思えないくらい。

明日の予定を訊くと特に何も無いというので、Sさんも行く予定のセドナに誘う。乗り気だったが、今日バスに乗ったNさんの話では明日の予約は一杯っぽいと運転手が言っていたという情報から夜も遅かったこともあり、あきらめる。作業をして0時頃就寝。



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