6時半過ぎ起床。昨夜お会いした同室で隣のNさんの姿は既にない。後で訊くと毎日5時くらいに目が覚めるそう。定年を過ぎやっと時間ができたのでお一人で旅行されているそうだ。降りてパンと果物の朝食を食べる。明日予約しているセドナ行きのバスを電話で明後日に変更できたので、明日Sさんが誘ってくださったツアーに参加することだけ伝えて出発。

8時にアムトラック駅に昨夜申し込んだシャトルバスがピックアップしに来るので、その少し前に駅に着く。バスの姿が見えないのでベンチにいた男に尋ねるとここで合っていると言う。同じく不安そうにしていたチャイニーズの女の子Cと話す。聞くと同じグレイハウンドバスでラスベガスから乗っていたようだが、お互い全く気づかなかった。面白いくらいテンションが高い。フラッグスタッフの街が狭いのか昨日駅でお会いしたMさんといい、奇遇が多い。

遅れてやってきたNさんも合流し、シャトルバスに乗り込む。車中Cと話す。北京の大学で現在経済とマーケティングのphDをやりつつ、Siemence(だったかな?)のプロジェクトに加わっているらしい。その会社を知らないと言うと、世界企業なのに!と驚かれる(後日調べるとその通りだった)。企業では同僚がドイツ人が多いので英語が共通語として話されるので喋れるとのこと。先日SFでお会いしたCさんも言っていたが英語を話せるようになるには仕事で使わざるを得ないのが一番早い。中国語は漢字が2種類あり、台湾や香港で使われているのは昔からある日本の漢字と多くが共通するもの。一方本土で使われている漢字はそれをシンプルにしたもの。シンプライズの例をいくつか書いてもらう。確かにこれでは日本人が読めないのも無理はない。アメリカ英語が省略するスラングを造り、日本人はすぐに名前や名称を短縮し、中国人は文字をシンプライズする。単純化を指向するのは人間の性なのか。

2時間ほど走ってグランドキャニオンパークの中心部にあるMaswik Lodgeのパーキングに到着。ここで18時過ぎにピックアップされるまでが自由時間。ロッジ内にあるインフォメーションで日本語の地図をもらう。ちゃんと中国語の地図もありCも喜ぶ。無料シャトルバスの経路からまず一番遠いYaki Pointまでブルーとグリーンラインを乗り継いで行く。

到着し岸壁まで歩く。見渡す限りの岩々。高さが高いのと対岸までの距離があるためか、スケール感が狂ってよくわからない。赤い岩から白い岩、緑がかった色の岩など、層により色が違う。自然に形成されたはずなのに、同じような形の地形がリピートされているのはとても不思議。

一旦そこからグリーンラインで一駅戻り、Pipe Creek VistaからYavapai observation stationまでリム沿いを歩く。岩の中にぽつぽつ低い樹木が並ぶ道を歩く。木々はエリアによって軒並み枯れている。そのうちのいくつかは黒こげになっている。雨が降ると落雷が多いので(そのため雨の日は絶対傘はさしてはいけない)そのためだろうか。高い木はひとつもない。

途中Mather pointは閉まっているが、飛び出した崖の際まで行けるところが2カ所ほどあり、崖の先まで恐る恐る行く。柵もないのでちょっと怖い。お腹も空いてきたねと話していると、Cがリュックからベーグルとツナ缶、チェリーを出してきてくれて、それで日陰を見付けてランチとする。こんなことを言うと中国人に怒られそうだが、今まで遭った彼らと違い彼女はとても気遣いが細かい。年配のNさんにもちゃんと気を遣う。頭も良さそう。レストランは遠いので昼食を持ってきていなかったのでとても助かった。お腹も満たして、また歩き続ける。

途中のパーキングからツアー客が一気に増えてその流れに付いていくとYavapai pointに辿り着く。遠かっただけはある、すばらしい崖。険しい岩場を降りて、先っぽまで行く。順番を待って記念撮影。レンズが調子がどんどん悪く、ピントを合わせるのにコツがいるため、他人に頼むとなかなかいい写真が撮れない。残念。

またそこからバスに乗り、レッドに乗り換えてHermits Restまで。午後になったからか、レッドラインだからか、かなり混んでいて、3台目のバスでようやく乗り込む。東側の崖がよかったからか、こちらはあまり大したことがないように感じてしまう。バスでMohave Pointへ戻る。ここでは見れないと思っていた谷底のコロラド川が見えたのでCが喜んでいる。Powel pointまで行き歩いてHopi Pointへ戻る。ここでもコロラド川が見える。思ったよりちゃんと川の水はある。下を見ると、谷底へ降りていくトレッキング客がちらほら見える。片道6,7時間らしく、今日はもう時間もないので無理だが、機会があってまた来ることが在ればちゃんと用意をしてきて降りてみたい。

帰りのバス15分ほど前にバス停に戻ってくる。行きと同じ運転手でフラッグスタッフ駅まで帰る。駅でCとお別れ。Nさんと宿に戻る。明日セドナに行かれるNさんのバスを代わりに電話して予約する。一息ついて夕食を作ろうかとキッチンへ行くと、昨日のベトナミーズが今日も作っている。話をした後、よかったら今日も夕食に招待するよ、と言われてありがたく参加させてもらうことにする。今日は白湯のようなスープにたっぷりのブロッコリーと挽肉が入った物、マグロの缶詰を焼いたもの。スープをごはんに掛けて食べる。あっさりした味でとても美味しい。訊くと今日作っていた彼は家が小さなレストランを経営しているらしく、たまに手伝うので料理は嫌いでないらしい。どうりで上手いはず。

食後一階で少し話してから明日も早いので23時半就寝。



No Responses to this post

This post has no comments yet.

Leave a Reply