175日目 100630 LAS VEGAS



8時起床。朝食に下りる。パンケーキ(セルフ)とコーヒーだけの朝食。このホステルはfacilityにどれも嘘はないが、軒並みnot good but enoughという感じで微妙。やはり朝はまだ暑さは少しまし。食後作業。電話でflagstaffからsedona行きのアリゾナシャトルバスをようやく予約する(この路線だけオンラインでは予約できず電話でのみ予約を受け付けている)。なかなか電話が繋がらなかった。イームズ邸は何度も電話しているが、ビジネスタイムのはずなのに、ずっと誰も出ず留守電になってしまう。

10時半頃出発。今日も雲一つない晴天。温度計を部屋に置いてきたので正確にはわからないが、40度はありそう。風が吹いても熱風。歩いてダウンタウンへ。地図を見ると近くに郵便局があったので寄って切手を購入。アメリカの郵便局はどこも軒並み行列。職員の絶対数が足りないのか、窓口はいくつも並んでいるのにいつも2つ以上開いているのを見たことがない。

そのままバスの行きしなに見たFゲーリー設計っぽい建物を見に行く。雑誌では見たことない気がするがどう見てもゲーリィ。見ていても違いがわからず頭に残っていなかっただけかもしれない。EMPよりかは良い。中に入って見ようと扉を押してみたが閉まっている。Cleaveland  Clinicと書いてあったので医院なのだろうか。にしてはガラスから中を覗いた限りでは講演のできるホールのような内観だった。

炎天下(まさしく炎天下、じりじりと皮膚が焼けていくのが如実にわかる。)の中、歩いてストリップ(ラスベガスのカジノの集まる中心地)へのバスが通る停留所へ。一日券7$を購入し、ちょうど来たエースバス(急行、鈍行はデュースバス)に乗り込む。

20分ほど乗って、ストリップの南の端で下車。そこから北に、戻る方向に歩いて行く。Lasvegas Boulverd沿いにカジノ兼ホテルが集まって並んでいる。写真を撮りながら歩いては、たまにカジノに入って涼んで休む、を繰り返す。帽子をかぶってなかったら一時間も外に居たら倒れそうに暑い。カジノは客寄せのため、一部ドアも開け放しで冷房を掛けている。テラスのあるレストランでは、テラスの外周部に細かい霧の吹き出るスプリンクラーを廻し、テラスにも客が座れるようにしている。もちろんオフィスビルなどにあるような空調負荷低減のための回転ドアなど一切ない。呆れるくらいのエネルギーの無駄遣い。この街丸ごと停めてしまえば、どれだけ地球環境に良いだろう。

ストリップは完全に歩者分離されており、信号は全くない。歩行者はほとんどがエスカレーター付きの歩道橋を渡る。それでも車での移動がメインなので道路は渋滞気味。飛び降りでもあったのか、歩道橋の手すりの上に背の高いガラスの落下防止柵が設けられている。おかげで写真が撮りづらい。

ホテルはそれぞれピラミッドやパリ、ニューヨーク、ヴェネチアなどを模した外観で人を引き寄せようとしている。ハードロックカフェやマクドナルドも、一目でそれとわかるファサード。まさしくヴェンチューリのラスベガス。そんな中、一つだけ現代建築っぽい建物があった。リベスキント風だが、コーナーの納まりや内部を見ると、リベスキントではないと思う。詰めがかなり甘い。リベスキントとゲーリーを足して10で割ったくらいの感じ。けれど彼らでさえ人を引きつけるイコンとして消費されるのだ。中にはヴィトンやディオール、プラダ(工事中)、トムフォードとおなじみのブランドが並ぶ。ここが日本だと言われても信じるくらい同じだ(図式としては逆だろうが)。

カジノの内観はどこも大して変わらない。賭け事には一切興味がないので、試しにもやりたいと思えず、雰囲気と内装だけさらっと見てスルー(勿体ないのかもしれない)。

OMAの手がけたグッゲンハイムラスベガスは今朝ネットで調べると、どうやら随分前にグッゲンハイムが撤退し、閉館した模様。公式サイトにも今やラスベガスは影も形もない。もしかしたら転用されて建物は残っていないかと、あった当たりに行ってみたが見つからない。

バスにまた乗って歩いて宿に戻る。シャワーを浴び、少しログを書いてから夕食を作り食べる。さすがにトマトソースも飽きてきた。日も暮れてきたので急いで食べて再出発。夜のラスベガスを見に、またデュースバスでストリップまで行く。

宿に戻ってからもう一度調べてみると、グッゲンハイム・エルミタージュは2008年に閉館していた。ホテル・ヴェネチアンの中に合ったらしく、その後はルイヴィトンが入るかシアターになるか、と記事にはあったので、行ってみる。かなり広いカジノのある一階の奥、裏側の車寄せのあるエントランス脇にあった。まだ12mmはあろうかという厚いコールテン鋼のファサードは残っていたが、やはりドアは閉まっている。今も何にも使われていないようだった。鋼板に施されたGUGGENHEIM HELMITAGEのサインはおそらく消しようがないのでそのままになっていた。場所はカジノのすぐ脇で一等地と言ってもいい場所だが、あまりにも人が入らなかったために閉鎖されたらしい。ラスベガスに来る人々はアートを見るような人々ではないのか、カジノやショーのエンターテイメント性に負けたのか。

昼間よりも夜の方が圧倒的に人が多い。カジノの中にいると今が夜だということを忘れるくらい賑わっている。既に22時。ラスベガスの夜はおそらくこれからだろうが、特にやることもないのでぼちぼち帰ることにする。デュースでダウンタウンまで帰り、とぼとぼ宿まで歩く。パトカーが時節走り、おそらくカジノに雇われているセキュリティが24時間建物前に立っている。自転車やセグウェイに乗った警官も巡回しており、思っていたより夜も安全そう。(けれど、行きしなのデュースのバス停前で何をしたのか若いカップルが手錠をかけられポリスに取り押さえられていた)

宿に戻り少し作業をしてから部屋に戻ると外と変わらないくらい暑い。部屋の一人の男が風邪を引いているらしく、おそらく冷房を消しているため。あまりにも暑かったので部屋に戻ってきた時に弱で冷房をかけて少し冷やしておこうと思ったのに、戻ってきたら消されている。寒いなら毛布をたんまり被ればいいのに。暑さはどうにもしようがない。もう一度冷房をつけて眠ろうとするも、ベッドがほかほかに暖まっているためなかなか寝付けない。2時頃就寝。



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