7時起床。少し寝坊。急いで準備をして簡単に朝食を食べ、出発。昨日まで晴天だったのに、今日は生憎曇り空。予約している8時10分前にレンタカー窓口到着。キョートグランドホテルという名だけあって、日本人をちらほら見かける。フロントには日経新聞も置いてある。15分くらい過ぎても誰も来ないのでフロントで尋ねるとさくらレンタカーの受付はインターネットコーナーの中にあった。それでもまだ誰も来ていないので、少し待つと20分くらいに受け付けのおじさんが、お詫びもなくさも当然のように入ってくる。文句を言いたい所をグッとこらえてチェックインをする。メールで送っていた内容も車種以外は何も伝わっていない模様。定年を過ぎたくらいのおじさんだが、いやに偉そう。昨日のリトルトーキョーの案内所のおじさんといい、客商売をしているとは思えない。完全にスポイルされている。閉じた飛び地の日本人社会がそうさせせるのか。

トヨタのヴィッツを借りる。今回は日本語ナビ。諸所チェックし、出発。すぐ近くの道からフリーウェイに出る。I-5をひたすら南へ100マイルほど。途中から霧雨のような雨が降ってくる。2回目だから、よりもナビが日本語だからか、とてもスムーズに辿り着く。googlemapのdirectionより早く着いた。所要2時間。11時前到着。正午まで一時間もある。すばらしい。これなら日本でも運転できるんじゃないか、とさえ思ってしまう。(たぶん、できない)

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Salk institute
Louis I Kahn
1965
North Torrey Pines Road 10010,CA 92037 La Jolla,United States

■LAからだと車でしか行けません。もしかするとユニオンステーションからメトロリンクを使ってOceansideまで行き、Sandiegoから来ているCoasterlineに乗って、近くの駅まで行けるかもしれないのですが、その乗り換えができるかどうかが未確認です。また最寄りといっても地図上で見るに歩いて2,30分はかかりそうです。
Sandiegoからなら上記の電車、またバスが研究所の前まで運行しているようです。

■月ー金の正午から一時間のガイドツアーがあります。下記サイトから予約して行きましたが、当日を見る限り、予約なくても正午までに着いてツアー希望リストに記入すれば大丈夫なようでした。無料ですが、予約時に任意で寄付を求められます。

http://www.salk.edu/about/architecture_tours.html
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写真からはもっと海際かと思っていたが、少し距離がある。visitor parikingの場所がわからず、海側のだだっぴろいフリーのパーキングにに停める。狭いところへの駐車はまだあまり自信がないのでちょうど良い。太平洋をちらっと見て行こうかと思っていたが浜辺は遠そうなので安全に建物に向かう。ここで遅れたらせっかく早く着いた意味がない。

研究所は東西に走る軸線の両側、南北に建っている。北側からアプローチし、中央の広場へ出る。一気に視界が広がる。右手には海。間に森、その向こうに砂浜の丘が見える。掃除夫が池の掃除をしている。そのおかげか、中央の軸線を流れる水は透き通るきれいさ。床は全てトラバーチン。壁の白色コンクリートはトラバーチンのような風合い。広場に入った印象は、思ったより小さい。が、軸線の東側、海と反対側まで行き、見返し海を望むと、写真の印象通り広い。建物のプランによる凹凸により、向きによって印象が異なる。

通りがかった事務員にレセプションを訊くと、東側にできた新館に案内してくれる。カーン設計の研究所旧館を建設したゼネコンが設計したらしい(ガイドの聞き取りがちょっと不安)。コンクリートの色は違うが、V型の凸目地など、カーンのモチーフを踏襲している。

受付でサインインする。一番乗りだった。時間があるので持ってきた果物とパンで昼食。ギフトショップでポストカードを購入。もしやツアーは一人か?と思って待っていると、10分前くらいから立て続けに入ってきて、結局15人ほどの大所帯に。

ツアーは12時ちょうどにスタート。まずは新館から案内。展示パネルがあり、ソーク博士やこの研究所の研究内容なども交えて説明を受ける。カーンは現場に4回しか来なかったらしいが、本当だろうか。それでこの密度が実現できたのならすごい。担当者が常駐していたのだろうか。

いよいよ研究所に入る。建物内部から。廊下や階段を巡るが、研究所内には入れない。窓から覗くのみ。写真で見ているとコンクリートの目地が多すぎて少しうざったい印象を受けていたが、実際に見ると全然そんなことはなかった。45年を経てもコンクリートはとてもきれいに残っている。風雨にさらされ完全に色あせている木部と比べるとその違いがよくわかる。密実に打ち込まれ、硬そう。スランプ値も低いのだろうか。解説には型枠も4層にわたりコーティングした特殊な型枠で打ち込み、フィニッシュのきれいさを追求したとあった。

研究所内部は完全に無柱の、アメリカンフットボールコートが入るほどの大空間ワンルームとなっているが、今は各種パーティション→デスクが置かれ、そのような見通しは得られない。ソーク博士の未来へのフレキシビリティへの要望の結果だそうだ。研究者の使っているパソコンが全てmacだったのが意外。アメリカに入ってから見るpcの半分くらいはmacな気がする。ここアメリカでこれだけのシェアを誇っているなら、windowsのシェアにかなり切迫しているような気がするがどうなのだろうか。

建物は六層から成っており、居住フロアは三層、それぞれの間に設備フロアがある。そのうちの一つを見せてくれた。CH2200程度の空間に所狭しと設備配管が密集している。この階は自然換気だけでエアコンは入っていないそうだ。外部壁が厚いゆえ、それでも夏も涼しいらしい。

外部から木建具が見える部屋は、プライベートオフィスらしく、見学することはできなかった。残念。

最後に広場に戻ってくる。ルイ・バラガンがこの敷地に来た時、カーンにこの広場について相談を受けた際、「ここには何も置くべきではない。これは空のファサードなのだ」と言ったらしいが、まさしく。上手いことをいうものだ。

それぞれ思ったよりシンプルに、仕上げの種類もすくないのだが、目地とそれぞれの仕上げの吟味、何よりもプランにより、圧倒的な強度を作り出している。ツアー後、広場に座りしばし海を眺める。実際に外に出てランチを取っているひとも少ないし、滞在する庭というより、見られる庭に近い印象だが、研究に行き詰まった時にぼーっとして頭を休ませるには絶好の広場のランドスケープだと思う。

ツアー後半から、カメラの調子が悪い。絞りの羽根が戻らず、Error99と出る。(調べると原因不明のエラーの表示番号だった)。だましだまし電源を入れ治したりして撮影できたが、ちょっと今後が心配。

気がつくと時刻は13時半。そろそろ戻らないとレンタカー窓口の閉まる五時までに車を返せない。駐車場に戻り、出発。LAに近づくにつれ、段々空が晴れてくる。あと半日ずれていたらソークも晴れていたのかもしれない。市内まで戻り、ホテルの近くまで来たはいいものの、ガソリンスタンドを見付けるのに苦労する。ナビでの検索がよくわからないため、自力で出発前に教えてもらったスタンドへ向かう。ナビが外れると、運転するのはとても大変。後ろを気にせず徐行で曲がり道を確認し、ようやく発見。入るも向きが逆でスタンド内でUをきる。

無事ガスを満タンにして、ホテルに戻るもパーキングの入り口がわからない。てっきり出口の隣かと思ったら違う模様。すぐ近くにあった入り口から入ると、別のパーキングで無駄な出費。そこの窓口で訊いてホテルのパーキングの入り口を教えてもらう。結局4時半到着。鍵を返却し、超過マイルを計算してもらって現金で支払い。(それが仕事だと思うのだけど、駐車場へメーターを見に行くのをあからさまに面倒くさがるおじさんはかなりどうかと思う)

無事帰って来れた。ほっと一息。これでもう運転することはない。歩いて駅から電車で宿へ戻る。途中公衆電話があったので、AAに電話し、フライトスケジュールを変更する。前回できたことができないと言われ、結局1時間ほど電話してようやく変更完了。ワンワールドのチケットは予想通り、航空会社間でのやりとりがスムーズでない。へたするとすぐたらい回しにされてしまう。

宿に荷物を置き、今日もお富さんで夕食を取る。唐揚げ定食。お腹いっぱいになって、宿に戻りちょっと横に、のつもりが二時間ほど寝てしまう。起きて作業。カメラを色々掃除してみるもやはり羽根が戻らない。まずい。変な時間に寝てしまったせいで、一度床につくも眠れず、深夜作業。3時頃就寝。



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