172日目 100627 LOS ANGELS



9時起床。昨日あまり進まなかった原稿を書き進めて、少しアップ。12時半出発。
昨日までに調べておいた行き方で今日はビバリーヒルズに向かう。ユニオン駅まで地下鉄で出てから、駅北側のCeser E.Chaves Av and Vignesのバスストップから出ている#704のサンタモニカへ向かう急行バスに乗る。チケットは今日は四回以上乗りそうなので地下鉄駅で一日券を購入5$(一回1.25$)。1時間ほど乗って(LAは本当に広い)、Santamonca and La Cienegaで下車。

降りてシンドラー自邸へ向かう。

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Schindler house
R.M.Schindler
1922
North Kings Road 835,90069 West Hollywood,United States

■ユニオンステーションからだと上記の通り704番のバスに乗ってLa Cienega通りで下車が最寄りです。鈍行の4番でも来れます。そこからSantamonica Blvを東へ来た道を戻り、KIngs Roadを南下すると西側にあります。建物自体は奥まったところにありますが、道路沿いに看板があります。徒歩10分ほど。ちなみバス#4の各駅停車にどこかで乗り換えると、KingsRdで降りられます。

■無休だったかな?11-18時。金曜の16-18時は無料。大人17ドル。

http://www.makcenter.org
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看板を見つけ、路地を入っていくと元ガレージに受け付けっぽい場所がある。チケットを買おうとすると奥を指さすので、中にあるのかと思い入っていくと、なにやら中庭に多くの人が椅子を出して座り誰かのレクチャーを聴いている。何かイベント中なのだろうか。もう一度戻って受け付けで訊くと、よく聞き取れなかったが今はどうやら任意の寄付で見れるらしい。中に入る。ビバリーヒルズの街中に地元のアーティストの作品を点在させるイベントのオープン記念レクチャーパーティのよう。庭では飲み物もサーブしている。ここは数年前からMAK(オーストリア・ウィーンの美術館)のブランチとなっており、その関係でアートを展示しているようだ。その関係といっても、どういう関連で遥か遠くウィーンの美術館がここに目を付けたのかわからないけれど。

建物は予想以上に良い。とても日本的。懐かしい感覚さえ覚える。ライトの事務所で日本の文献に触れていたのだろうか。ライト建築ほど天井は低くなく、その分各部屋の欄間にあたる部分にハイサイドライトをとっている。土壁に見える壁は触ると毛羽だった紙を表面に貼った?ボードだった。それを押縁で等間隔で留めている。ディテールはどこもラフ。トップライトでさえとても簡単に納めている。これで漏ったりしないのだろうか。一部2階に上がることができる。(といってもロフトのようなテラスのような空間)。欄間にあたる部分からそのフロアにいる人の足下がちらちら見えて面白い。

外部建具の引き戸はまさしく日本的。板戸で戸手がついている。軒の低い(出は浅い)外観は中庭から見るとかわいい。実は清家清さん設計と言われても頷いてしまいそうな佇まい。元のプランでリビングとダイニングにあたる部屋には銅板でできた暖炉がある。写真では家具があるようだが、展示のためか片付けられている。

帰りに受け付けでLA建築ガイドとここの本を購入する。ガイドに載っていた少し南のゲーリーの初期作品へ向かう。大通りMelrose Avまで南に下り、少し西へ行くと北側にギャラリーはある。

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G.E.M Garally
Frank.O.Gehry
19

■Melrose Av and Kings Rdを西へ行くと北側にあります。

■土日は休みのようですが平日はギャラリーなので中も見れそうです。
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構造用合板(パイン合板)を現しで内部にも外部にも(!)使っているのはOMAが使って流行り出す前だと思うが、当時を想像するにかなり勇気のある過激な仕上げだったと思う。(外部に使っているのは今でも過激、内側の防水紙などだけで防水しているのだろうか。)。中央の二棟を結ぶ階段がすばらしい。是非中に入って上り下りしてみたい。天井が2方向に傾けられてトップライトになっているだけなのに、トップライトであることは忘れていたかのような構造の骨組みと、欲しいところに欲しい形の開口を開けたらたまたま骨組みがあった、と言わんばかりの開口部の納め方は、使う側にとってはどうかわからないが作る側から見ると別々のルールが共存しているレイヤーを重ねて見ているようでとても興味深く、深みがある。

このあたりは小さめのブティックが固まっているようで少し店先を覗きながら歩く。A.P.C(アメリカにあるのは意外な感じがする)の内外装がきれいにまとめていた。降りたバス停まで戻り、またバスに乗って西へ向かう。

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Prada Beverly Hills
OMA
2004
N Rodeo Drive 343,90210 Beverly Hills,United State

■ユニオンステーションからだとバス#704に乗ってSantamonica and Canon Stで下車し、少し西へ進行方向へ行くとRodeo Driveという両側にブティックが並んで居る道に出るのでそれを南へ行くと西側にあります。徒歩15分ほど。

■?~18時。店内の撮影は憚られました。
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スーパーブランドが軒を連ねる中、通りの真ん中当たりにプラダはあった。ここだけ全くPRADAのサインを出していないところが強気でかなりかっこいい。サインはないが、2階部分の突きだしたキャンチレバー(上はテラスになっている)と、セットバックした1階の床下にあるディスプレイ(鞄が入っていた。地下から店内と繋がっているのだろうか)とで、明らかに通りで一番目立っている。建築の構成をアイキャッチにしている。とても建築家らしいショップデザイン。しかしサインをつけないことをOKしたプラダ側のセンスもすばらしい。

ざっと端から端まで店並を見て、セットバックしているところはここだけだった。ショーウィンドウは地下に埋めればよい、その代わり他がやっていないセットバックで歩道を歩く人の注意をより引きつけられるだろう、と言わんばかり。店内は中央にハの字型の、ニューヨークSOHO店とは逆に上がっていく階段があり、その周りが商品スペースになっている。両側の壁は照明を内蔵した光壁の前に、個々のために開発されたFRPっぽい樹脂製のスクリーンが立っている。階段はおそらく後からそうなったっぽいが中央をディスプレイに使い、両側が階段として使えるようになっている。フィッティングルームの椅子のクッションもみたことのない素材でゴムのような樹脂のような透明な弾力のある素材。二階がレディース、三階がメンズとなっている。

最上階である三階は鉄骨の梁が天井一面に並び、その間がすべてトップライトになっているためとても明るい。両側の壁はミラー貼りになっており、どこまでも梁型が続いているように見える。道路側の開口は全面ガラスとなっており見晴らしがよく、トップライトと相まってとても気持ちが良い。総じてとてもよく出来ている。

店を後にして通りを南の端まで歩き一通りチェックする。他に見たいと思う店はなく、引き返すとちょうどプラダが閉店するところ。床から間口一杯のアルミ貼りの壁がせり出してくる。道行く人も足を止め、見物している。大がかりだ。閉まりきってから、端の回転扉(丁番でなく偏芯ヒンジ)から客が出されている。ぎりぎり中も見れてよかった。

サンタモニカ通りまで戻り、バスと地下鉄を乗り継いで宿に戻る。帰り道にスーパーに寄り、飲み物などを買って帰る。宿のある辺りはメキシコ人街なのか、通りを歩いている人はほぼ全てメキシコ人。その辺にある店や公共施設もスペイン語が英語より先に書いてある。この次に行くメキシコの予習をしているような感じ。荷物を一旦部屋に置いて、今日もお富さんへ夕食を取りに行く。今晩は唐揚げ定食。さすがにロンドンでご馳走になった唐揚げには及ばないが久しぶりに美味しく頂く。

21時頃戻って作業。明日は朝からレンタカーなのでそれに備えて早めに0時頃就寝。



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