目が覚めるとバスは止まっている。まだ早朝四時なのでクリーブランドに着くには早い。と、イースタンタイムゾーンに入り時差が一時間あることに気づくがそれでも早い。オハイオ州トレドだった。なおもいくつか小さなバスディーポに停まっていく。クリーブランドまで何キロ、の標識が時折見えるので乗り過ごしはないようだが、その距離から逆算すると乗り換え時刻に間に合いそうな感じがしない。

次がクリーブランドのアナウンス(マイクが壊れているのか、大声で運転手が叫んでいるが聞きづらい)と共に、各乗り換えのゲート番号が伝えられる。バッファロー行きは四番らしいが、急いで立って乗り換えて、と付け加えられた。遅れたことのお詫びはない。まだフリーウェイを走っている段階で既に乗り換え時刻は過ぎる。半ば諦めていると到着。予定より一時間弱遅れ。急いで降りてターミナルに入りゲート四番に行くと、当たり前のようにバスはない。チケットカウンターに行って訊くと、あ~じゃあ次の1150分ねー、と余裕で四時間後まで待つように言われる。後ろから驚きもせず同様にバッファロー行きの人々が数人ゲート四番に鞄を置いていく。今回はタグを付けてもらって、列にバックパックを並べ、椅子に腰掛けて待つ。

目の前のテレビではワールドカップが中継されている。もう始まっていたのか、とようやく気づいた。日本初戦はもう終わったのだろうか。しばらく中継を見るも、日本の組についての情報は出てこない。アメリカはイングランドと引き分けたようだ。作業をしながら、セルビア対ガーナを見る。応援や歓声というより、ずっとラッパのような騒音が鳴っている。向かいの席の黒人はガーナ出身なのだろうか。一人気合いを入れて一喜一憂している。

四時間待ち、バス発車時刻になってもバスは来ない。係員が20分くらい遅れている、とアナウンス。一応列に並びながら、遠くのテレビ画面を気にしていると、終了間際にガーナがPKを得た。難なく決めて、結局ガーナが勝利。黒人の彼は一人喜びをかみしめていた。バスは結局30分遅れで到着。

四時間乗って、バッファロー着。またニューヨーク州に戻ってきた。効率の悪い移動だが、後から行きたくなって行けるようになってしまったのでしょうがない。ターミナルのローカルバス窓口は日曜なので閉まっている。警官にナイアガラフォールズ行きのバス乗り場を訊くと親切に教えてくれた。バッファローからナイアガラフォールズまでのグレイハウンドもあるが、本数が少なく、かつ帰りの逆経路ではバッファローから乗る必要があったので、その時の予習も兼ねてここからローカルバスに乗っておきたかった。ちょうど15分後に次のバスが来るらしい。ターミナルの中の14番ゲートにバスは到着する。見るとゲートの行き先にちゃんとlocal route40と書いてある。

こちらは時刻通りに到着。片道2.65ドル。一時間。今回予約したYMCAの宿はこの40番の終点のtransport stationが最寄りなので降りる所を注意して乗らなくてよいので助かる。

バスの車窓から見えるバッファローの街並みはかなりくたびれている。少なくとも活気があるとは言えない。大きな橋を越え、バスはナイアガラに入る。それでも景色はあまり変わらない。観光地の賑やかさは感じられない。

18時頃、終点のターミナル到着。ちょうど手前に大きなスーパーやダラーショップ(百均ならぬ1ドルショップ)、Arby’sがある。立地は便利。とりあえず宿に向かう前に昨夜からまともなものを食べていなかったので、Arby’sで食事。お腹を落ち着かせて宿に向かう。ターミナルから見えるくらいかなり近い。

YMCAを利用するのは国内含め始めてだったのだが、Young Men Christian Academyとは恥ずかしながら知らなかった。他の州のでも見かけていたが、どこもプールやフィットネス設備が整っている。ここもホステル利用よりも、近所の若者がフィットネスなどスポーツ施設を利用しに来るのが大半のようだ。hostelworldの評価が近くのゲストハウスに比べかなり低かったのだが、同じ金額でシングルだったので、久しぶりに荷物に気を遣わず休める、と思いこちらを選んだのだが、やはり評価は妥当だった。

レセプションからとても太ったおばさんが動くのもだるそうに、チェックインの手続きをしてくれる。チェックアウトの時間だとかインフォメーションは一切ないし書いてない。エレベーターで部屋を案内してくれる。部屋は4階にあり、各階にひとつテレビ兼電子レンジ冷蔵庫ルームがあるようで、その隣の部屋だった。ベッドが二つあるので、予約したのはシングルだけど?と訊くと、他が掃除できてないから、とのこと。その言葉も頷けるほど、建物全体はくたびれている。実はここはインドなの、と言われても窓の外を見なければ信じると思う。他の客は予約時の台帳には数人書いてあったようだが、全く見かけない。シングルであること、以外はいいところを見いだせない。

荷物を広げ、横になる。そのまま眠ってしまう。22時頃網戸も入ってない開け放した窓からの、花火の音で目を覚ます。そういえば日曜の夜にはナイアガラの滝に花火が上がると書いてあった。が、ここからでは見えない。シャワーを浴び、インターネットで調べると日本戦は明日の朝らしい。隣の部屋のテレビで見られるだろうか。2時頃就寝。



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