156日目 100611 CHICAGO



夜行バスは行きに比べると幾分眠れた。予定よりかなり早く5時半過ぎ、シカゴ着。歩いて予約しているYHへの道すがら開いている店で朝食をとる。YHに着き、ゲストカードをもらって洗顔。ダイニングで作業をしていると、NYの日本人宿でお会いした方に声をかけられる。自分がたまたま多いのかわからないが、結構こういうことが多い。いつも一瞬わからなくて申し訳なく思う。彼女もトレックアメリカという「あいのり」のようなバン(という例えがあんまりだが、それが一番通じる)で東海岸から西海岸までを行くツアーの途中でここに泊まっていた。trekAMERICA、この短期間で二人の参加する日本人に会うと言いうことは結構ポピュラーなのか。行かないだろうと思ってNYの宿に置いてきてしまったガイドブックのナイアガラのページを写真に撮らせてもらう。

食後、明日のRacineでのタクシーを電話で予約する。知り合い以外には初めての英語電話なので心配したが、思ったよりすんなり予約できた。(翌日、相手がインド人?でネイティブでなかったからだとわかる)

10時頃出発。街は赤いBLACKHAWKとロゴの入ったユニフォームや帽子をかぶった人で溢れている。昨日49年ぶりに優勝し、今日10時半から優勝パレードがあるらしい。今朝早朝に着いた時も、既にその手の男達が見えたので試合帰りに徹夜明けかと思った。けれど最後まで何のスポーツなのかわからなかった。なぜどこにも書いていないのだろう。アメフトか?

CAF(シカゴ建築協会)へ行き、日本語オーディオガイドを借りて街の建物を自分で見て回る。モダンとヒストリカルがあり、どちらものリストを見せてもらったところ、モダンは現代建築っぽかったので、シカゴ派~サリバンのヒストリカルの方を借りる。15$。が、結論から言えば歴史的事実と構造、仕上げの事実を並べるだけでそれぞれの建物の違いは微細であまり収穫はなかった。唯一F.L.ライトがシカゴのループ内に唯一手がけたビルのエントランスホールを見れたのが収穫か。ライトの多くの建物もそうだが、新古典的影響は抜け出していても、鉄骨なり構造を外皮(多くは石)で装飾する、という構成は変わっておらず、その外皮の微細な違いでしかない。オブジェクティブな差異なのであまり興味がわかない。絵画を見ても図像学的な興味がわかないのと同じ構図な気がする

先日見かけたどう見てもミースな建物はやはりミースだった。

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Chicago Federal Center
Mies van der rohe
1964

■JacksonSt沿いのDearbornStからClerkStにかけてです。
■低層棟は郵便局なので入れると思いますが、その他は不可っぽいです。
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現在広場を改装中で新しくしているため、カルダーの彫刻も動かされている模様。足下の柱は鋼板を巻かれておらず、吹きつけで仕上げられている。どう見てもシック。すばらしい。

12時過ぎに返却し、グリーンラインに乗ってライトのロビー邸に向かう。

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Robie Residence
Frank Lloyd Wright
1909
S. Woodlawn Avenue 5757,60637 Chicago,United States

■地下鉄グリーンラインのGarfield駅からWashington Av(だったと思う)を東に延々歩いても行けますが、かなり遠い(徒歩45分程度)ので、駅から55番のバスに乗って近くまで行くことをお勧めします。電車からの乗り換えは確か安かったはずなので。WoodlawnSt近くで降りて、この道を南に下るとあります。もしくはダウンタウンのMissisippiAvからバス6 or X28に乗って57thStで降りて南西に歩いた方が近いです。

■ガイドツアーが11-15時(曜日によって違う)まで30分間隔であります。種類も多種あるので(ロビー邸自体は写真不可の下記ツアーか、写真OKの45ドルくらいのツアーかの二種類)詳細は下記サイトをチェックした方がよいです。

www.gowright.org
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駅を降りると随分閑散としたところ。夜だとちょっと怖いかもしれない。ひたすら東に歩く。結構遠い。途中でバスに乗ればよかったなぁと後悔する。近くまで来ると55thSt沿いに建築家くさい建物が建っている。1964に建てられた学校のようだが、誰だろうか。鋼板を折り曲げた面白いファサードをしている。ありそうで見たことがない。開口部をカモフラージュする方法としては使える。

なおも歩くとやっと見えてくる。付近は前庭がきれいに整えられ高級住宅街という感じ。近くのハイドパークにオバマ大統領の生家があるらしい。お会いした日本人の方が見に行ったらしいが、やはりすごい警備だったそうだ。

ロビー邸到着。他の家3つ分くらいの大きい建物。明らかに豪邸。ショップに入りチケットを買い求めると、ちょうどすぐのツアーに入れてくれた。10分ほど待ってツアー開始。案内係の男性はノリノリの英語で早口なので半分くらいしかわからない。ipadを片手にいくつか画像を見せながら案内していた。確かに画像ビューワとしてはこれ以上ない端末だと思う。

他のライト建築同様、入り口は簡素で低い部屋をいくつか通る。1階では右に右に曲がる動線になっており、2階に上がる階段を上ってからは左に数階曲がり、一気に広く明るい大広間に出る。どの部屋も保存改装によるのか、床ははがされ家具はなくなっており、家主が引っ越した後のようになっていて少し寂しい。各部屋に置いてある白黒の写真で当時を想像しながら見る。

ロビー邸やライトのスタジオと比べると(これらは初期だからかもしれない)、意外に神戸の遠藤新の山邑邸はかなりデコラティブに感じる。ライトモチーフを過剰にドライブさせた感じ。求められたのか必要を感じたのか。弟子の辛いところなのかもしれない。

見終わって一休みしてから、帰りは東に歩きバス停を目指す。途中古本屋があったので覗いてみる。近くに大学があるようで学生が多い。結構建築、美術の本もあるが、値段がいい値段の付け方をしていて買うには至らない。バス停から6番に乗りMissisipiAv and Congress Stまで帰る。歩いて宿に戻りチェックイン。オンラインでなく受付で今夜の分は予約したのだが、ひとつ高い部屋になっていた。おかげでドミトリーだが部屋にシャワーとトイレがある。

シャワーを浴びて少し作業をしてダイニングに降りる。今朝インフォメーションを眺めていると10人限定でFreemealとあったのでサインアップしておいた。行ってみるとおばさんと子供達が用意をしている。名前を告げるとテーブルに招かれた。どうしてフリーなの?と訊くと、ガールスカウトの一環でオハイオ州から来ており、大人と(この辺が聞き取りが怪しい)コミュニケーションを取
る機会を作るためのイベントとして宿泊がてら行っているらしい。同じテーブルにはロシア人(今回の旅で初めて会った)とオーストラリア人。後者はNYの大学で4ヶ月教育学を学び終わり帰る前にアメリカをグレイハウンドで回っているらしい。やたらテンションが高く恰幅がいい。おかげで子供には大人気だった。個人的にはちょっとtoo muchに感じるけれど、帰ったらいい先生になれると思う。子供達が話すようにと、大人からビンゴカードが配られる。そこにある質問を参加者にして、サインをしてもらわなければならない。答えて漢字でサインをすると、COOL!と言われる。それくらいしか手持ちの札がない。人気はオーストラリア人に集中。気を遣う分、逆にちょっと辛い。英語が自由になればもっと楽なのだが。

食べ終わり、21時頃部屋に一旦戻る。今夜もミレニアムーパークでブルースのフェスティバルがあるらしいので、見に行くつもりだったが、疲れてちょっと横になったが最後、そのまま眠ってしまい起きると23時。夜行バス空けで疲れていたのかもしれない。翌朝少し早く起きることにしてそのまま着替えて23時過ぎ就寝。



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