153日目 100608 CHICAGO – MILWAUKEE – CHICAGO



7時半起床。昨夜の韓国人は既に旅立っていた。ダイニングに降りて朝食を食べる。日本人と韓国人のテーブルに同席させてもらう。ワーキングホリディビザで現在バンクーバー在住で、次はオーストラリア行きが決まっているのだそうだ。ワーホリに行く人は結構続けて行く人が多いのだろうか。

食後荷物を片付けロッカーに入れてからメールチェックすると、クレジットカードの不正使用の疑いがあり、メインのvisaカードが止められているというメールが来ている。困った。時差を見て夜電話しないといけない。
アムトラックの時間を調べて、ミルウォーキー行きの電車がぎりぎりなので、急いでチェックアウトし出発。外は雨。今日は一日雨のよう。雨の中を歩くのは久しぶりだけれど、やはり勘弁してもらいたい。

ユニオンステーションに到着。チケットを窓口で買う。22ドル片道。ちなみにメガバスなら半額で行けるのだが、時間が変な早朝便しかなかったので、こちらにした。

座席はフリー、乗りこんでみるとwifiは全く繋がらない。全ての路線で繋がる訳ではないようだ。一時間半でミルウォーキー着。アムトラックとグレイハウンドのターミナルが共同の建物内にあり、とてもきれい。グレイハウンドのカウンターでナイアガラ行きのチケットを発券してもらい、ついでにシカゴ行きのチケットを訊くと12ドルだという。1h45mなので少しかかるが安い方が助かるので、帰りのチケットを購入しておく。

大降りの雨の中、歩いてWarmemorialとMilwaukeemuseumへ向かう。ターミナルの周りは夜は危険と書いてあったが、確かに臭いが少しする。高架下というのもよくない雰囲気。少し北上するとすぐにダウンタウンのメインロードに入る。

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Milwaukee county war memorial centor
Eero Saarinen
1957

■下記のミルウォーキー美術館の隣です。アムトラック・グレイハウンドターミナルからは徒歩30分。駅前の道を少し東に行き、4thStを北へ曲がり、WisconsinAvに出ると、それを東へ、川を越えて延々真っ直ぐ、ミシガン湖まで進むと着きます。

■パンフレットにも開館情報など書いていませんでしたが、開いていました。上階はオフィスやホールが入っており、一般には開放されていない模様です。無料。地下にほんの少しですが、当建物についての展示がありました。

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Quadracci Pavilion/Milwaukee Art Museum
Santiago Calatrava
2001
N. Art Museum Drive 700,53202 Milwaukee,United States

■War Memorialから入るには一度外に出てメインエントランスから入る必要があります。

■月曜休み。大人12ドル。10-17時。木曜は20時まで。展示を見なくても(チケットを買わなくても)建物内部は見ることが出来ます。展示室は建築的にはあまり見るところはありませんでした。
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靴もずぶ濡れになってやっと到着。湖際なので近づくにつれ、風が強くなり傘がひっくり返る。写真を撮るのも一苦労。サーリネンの建物は思っていたより小さい。作品集の写真は必ず見上げだからか。ピロティもそれほどダイナミックな感じではない。とりあえず建物の中に入り、一休み。嵐のような雨もあってか来館者は少ないが、上で会議か何かをやっているのか、人が途切れ途切れに降りてくる。

しばらくしてから、内部とピロティ下を巡る。ピロティ高さは4m。柱の形もブロイヤーに比べるとシンプル。上手くない。梁との繋げ方も考えてこうなったというより、とりあえずこうした、という単調さを感じる。ここも打ち放しのはずだが、中庭部分の外壁は左官で補修されて色が付いていた。建物が建つランドスケープも基壇部の70年代に別の建築家によって建てられた美術館によって、随分変わっている。緑の丘の上に建つ、という感じではない。それらが新しい写真が流通していない原因か。フォトジェニックな景色ではない。

小さい建物なのですぐに見終わり、地下にあった自販機でコーヒーを買い、一服。しようと、お金を入れてボタンを押すと、紙コップしか出てこない。誰もいない自販機なのでしょうがなくもう一度購入して出てくる。こういう適当さってアメリカっぽい気がする。地下には高校?か学校が入っており、黒人の若者が騒いでとてもうるさい。

外に出て隣の美術館へ向かう。エントランスを入るとカラトラバ劇場、という感じ。思わず見上げてしまうような吹き抜けの大空間。けれど特に必要を感じない。なんだか大げさな身振りに思えてしまう。チケットを買い、地下にあるロッカーに行きがてら、駐車場を見てみると、ここもくまなくデザインしている。

カラトラバの建物は企画展用のギャラリーと、カフェやホールの複合施設部分のよう。常設ギャラリーは既存の70年代建築家部分に長い廊下で接続している。

どうもこの人の建物に興味が沸かないのはなぜだろうと考えると、おそらく身振りが大きすぎることと、spaciciveというよりobjectiveだからだと思う。と、言ってしまうと建築界閉鎖言語的言い方で危ないと思うのだけど、うまい言葉が見つからない。ミースのI型鋼や十字柱、コルビュジェの象脚柱、アアルトのルーバーやニッチなど、純粋に構造に寄与していない装飾的な部分は他の建築家でももちろん見受けられるし、それに比べれば(ミニマムではないだろうが)構造計算に乗っているだろうカラトラバの形は、まだ構造に近い=必要不可欠なのかもしれない。同じようなところで言えば、R.シュタイナーのゲーテアヌムもそうなのだが、なぜかカラトラヴァは好きになれない。好みだけの問題なのだろうか。

これだけ建築物を短期間で集中的に見続けていると、本当に設計に正解はないのだなぁと感じる。あるのは蓋然性だけで、しかしそれも複数の主観に依るものにすぎない。確かに条件は無数にあるのだが、解答も無数にある。全てに答えなくとも条件を覆すほど魅力的な解答もある。演繹的には(ふりは出来ても)建築は作れないのだなと、つくづく思う。

美術館を一巡り。展示物ではGeorge Okeefの絵画が多数所蔵されており、それを見れて良かった。独特の色使いと画面の印象。ライトのジョンソンワックス社のためのワークデスクも展示してあった。一応今朝予約は完了したと返事はもらったが、今週末、無事辿り付けるのだろうか。

外に出ると雨は嵐のようになっており、横殴りの中、駅へ向かう。途中大きな事務用品屋に寄り、消しゴムを購入。プラスチックのものをやっと見付けたのだが、三個パックでしか売っていない。本当にアメリカのお店では食べ物でもなんでも、こういう売り方をよく見かける。一個でいいのに。しかも大きいものや多い物を買った方が何でもかなり安くなる。(コーラは500mlより2Lの方が安い)。なんだか納得がいかない。

ターミナルに着いてゲート前で待つ。バスはほぼ満席。時間通りに出発する。隣の友達同士で来ているアメリカ人ぽい女の子のおしゃべりがうるさくてなかなか寝付けない。



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