152日目 100607 CHICAGO – OAKLAND – CHICAGO



7時半起床。朝食が付いているので降りる。アメリカの朝食はどこもマフィンかヨーロッパにもあった薄い小さい食パンにバターやジャムという感じ。それにアメリカンコーヒーとオレンジジュース、フレーク。ジャムやバター、コーヒーがヨーロッパとの違いを感じる。食後ビリヤード台が空いていたので少し突く。キューの先のゴムが全く無くなっているので引き玉が突けない。ログアップなど少ししてから9時半出発。今日はライト建築を二件、予約している。

Adams駅からLに乗り西へ向かう。グリーンラインのオークパークに行くつもりなのだが、滑り込み乗車して一駅行って方向を確認し、安心していたら、少ししてから違うブラウンラインに乗ってしまったことに気づく。北に向かっていた。慌てて降車し、反対方向へ戻る。おかげでも目的の駅に着くと既に11時過ぎ。

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Unity temple
Frank Llyod Wright
1906
Lake Street 875,IL 60301 Oak Park,United States

■地下鉄LのグリーンラインでHalem行き、Oakpark下車。駅前のOakpark Avを北上し、Lake Stで西に曲がると左手に見えてきます。徒歩10分くらい。

■月ー金1030-1630、土日1300-1600。土日のみ13,14,15時からガイドツアーがあります。それ以外平日はパンフレット(日本語あり)をもらって自由に見て回る形です。大人8ドル。チケットはオンラインでも買えますが、日時指定がないので、現地で買って全く問題ありません。そこまで混んでいません。

www.utrf.org
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ユニティテンプルに着くと既に11時半。ライト自邸の予約が1220からなので、移動を鑑みると30分程度しか見れない。迷った挙げ句、後回しにし、外観だけ先に見ておくことにする。予想より随分大きい。その大きさで教会としての威厳を発しているかのよう。後で聞いた解説では30万ドル程度の低予算(他のライト建築は倍程度の予算だったらしい)でこしらえるため、ライトはコンクリート打ち放しの仕上げを選んだのだそうだ。けれど、実際にみると打ち放しというより洗い出しという感じがする。型枠の跡もないし、セパ跡もない。洗い出しは壁面にはできないだろうから、結局後から左官で仕上げたのだろうか。帰って調べてみたい。

向かいにオークランド図書館があり、外壁の形が波打ち面白いので、少し覗く。広くてきれいでコンピュータも多くあり、使いやすそうな図書館。最上階の吹き抜けには外から見えていたポールヘニングセンのシャンデリアが吊ってあるが、どことなく空間の雰囲気と合っていない。トゥルクで見た図書館での馴染み具合とは随分違う。屋根の煩雑な木造架構が露出しているからだろうか。

途中のサンドイッチ屋で軽く昼食を食べて、ライト邸へ向かう。

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Frank Lloyd Wright Home and Studio
Frank Lloyd Wright
1889/1898
951 Chicago Avenue, Oak Park, illinois

■上記ユニティテンプルの北西、徒歩10分。駅からだと、Oak park Avを北上し、Chicago Avを西に曲がりまっすぐ行くと左手にあります。毎日観光客で賑わっているのですぐわかります。

■ツアーが多種あるので下記サイトを参照下さい。私は周辺のライト建築を日本語のオーディオガイドで巡るself guided historical destrict tour+ house&studio Interior tourというコンビネーションチケット25ドルをオンラインで購入しました。こちらは結構賑わっているので、オンラインで希望の日時を購入しておいた方が無難です。ちなみに内部撮影が可能なツアーは、ここはありません。
また、ロビー邸のツアーなど予約もこのサイトで可能です。

www.gowright.org
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時間ちょうどに到着。建物の中のカウンターでプリントアウトしてきたチケットを確認し、発券してもらう。オーディオガイドと周辺マップを受け取り出発。ライト自邸から始まり反時計回りに周辺にあるライト住宅、また同時代の典型的住宅を廻る。

この自邸+スタジオはライトがサリバン事務所勤務時代から独立後タリアセン・イーストに移るまでの20年間、住まわれたところ。当初サリバンに借金をしてここを購入、建設したが、内緒で近所の数件の住宅を設計していたことがばれて、後日仲違いすることになったそうだ。

一般にプレーリーハウススタイルといわれる時代に入る前の最初期のライト住宅が固まって見れる。様式主義的な構成が多少残る時代からどんどん幾何学的構成になっていき、装飾もなくなりプレーンな壁面になり、水平線が強調される構成になっていく過程が見れて面白い。

このあたりは少なくともこれらが建った1800年代後半、すなわち100年以上前から住宅地だった訳だが、それぞれの敷地は広く庭は十分にあり、樹木はどれもどっしりと大きく育っている。道路からの塀など全く無く、隣地との垣根もほとんどない。家には庭に面したテラスがあり、その多くは虫除けのためか、網囲いを張れるようになっている。アメリカの古き良き高級住宅街、といった趣。アアルトのスタジオ周辺のフィンランドの高級住宅街とは随分違う。何よりアメリカはやはり国土が広く、土地が豊かなのだ。これだけ広い豊かな土地があったからこそ、(西洋視点からの記述による)歴史が始まったのは遅かったにせよ、今の巨大な国家が成り立ったのが頷ける。

全て見終わるとちょうどスタジオツアーの15分前。少しショップを物色してから、ツアー開始。写真も撮れないので荷物を全て預け手ぶらになる。

落水荘同じく、ここも天井が低い。自邸と9年後に建てられたスタジオは別棟になっている。自邸にあったドラフト室などは間仕切りが入り後年子供部屋になっている。スタジオは製図机からオリジナルで作られており、天井の高いハイサイドライトから自然光が入り、製図には良い環境。同じ設計事務所なので必要な機能がよくわかり、国と時代による違いがとても面白い。

帰りに、行きしな一つ前の駅前に見かけたスーパーらしき建物を目指して一駅分歩く。辿り着いたそこはスターバックスも入る大きなショッピングセンターだった。思ったより高い。オークパークは高級住宅街ゆえだろうか。トマト缶を買おうとするも、よくよく物色すると、先日頂いたような瓶詰めのパスタソースが安い。ガーリックやピーマン、オニオンも細粒で入り、これをレンジで暖めてパスタに掛けるだけで食べられるもののよう。ほんと、アメリカ人は料理をしないのか。冷凍食品コーナーの広さが半端でない。自分で豆を持ち歩いた方が安上がりそうなので、ペーパードリッパーを探しているのだが、なかなか見つからない。スタバにも売ってなかった。普通のプラスチック製のものでいいのだけど。どこに売っているのだろう?

買い物袋を下げて地下鉄に乗り、宿に戻る。途中同じ宿っぽい人々の集団とすれ違う。今夜もフリーコンサートが公園のゲーリーの劇場であるのだ。気を引かれるがお腹も空いたし、予約メールの確認などもしなければならないので、まずは戻る。
キッチンでトマトパスタを作る。ズッキーニかと思ってかったらキュウリだった。太すぎて紛らわしい。キュウリはパスタには瑞々しすぎてちょっと合わない。

食後部屋に戻ると、隣のベッドの韓国人も帰ってくる。少し話した後、下にいるのでビリヤードできるなら降りて来て声をかけて、と言っておく。ホールで作業をしてから一段落するとちょうど後ろのビリヤード台の所でやりたそうなアジア人が居たので声をかけると、誘われる。中国人だった。韓国人の彼も降りて来て三人でプレイする。キューの先がスリッピーで回転を掛けようと思うとあらぬ方向に飛んでいく。
チャイニーズが抜けて、二人になったところに、また別のアメリカ人カップルがダブルスでやろうと言ってくるので受ける。どう見ても若い。高校生か大学生か。ケンタッキー州から来たらしい。英語が早くて15 ボールのルールを説明してくれるのだけどなかなかわからない。が、やり始めると盛り上がる。5,6ゲームしたところでお開き。隣にあったピンポンを続けてコリアンとやる。どちらも何年ぶりかわからないがビリヤード以上に白熱し、結局合わせて3時間ほど遊んでしまった。汗だくになる。彼は明日五時発で空港に向かうのに大丈夫だろうか。部屋に戻り、シャワーを浴びてすぐに1時前就寝。



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