136日目 100522 NEWYORK – NEWHAVEN – BOSTON



6時起床。買っておいたバナナを食べ身支度をして6時半出発。オンラインで買ったグレイハウンドのチケットが窓口まで行って発券しなければならない方式のため、一時間前までに来るように、と書いてあったので早起き。歩いてオーソリティーバスターミナルへ向かう。窓口で無事発券し、地下のゲート前のベンチで待つ。あたりには酔いつぶれてかホームレスか地面に寝ている人も見受けられるが、夜も完全に明けているので危険な感じはしない。

15分ほど前にバス到着。30分前くらいから並び始めると前の方に並べます。車内は結構広い。時間通りに出発。pcで作業をしているとwifiが繋がる。どうやらどのバスも繋がるサービスらしい。すばらしい。電源も各座席に付いている。

時間通り1005にニューヘブン到着。ユニオンステーション駅前に着きます。ニューへブンではここがメインの最も大きい駅のようです。インフォメーションで簡単なパンフレットの地図をもらい、イェール大学の場所を確認する。歩いて行けるとのこと。が、あると思っていたロッカーがない。とりあえず駅構内のサブウェイでサンドイッチを買って食事。ここでも英語が上手く通じず言ったものと違うものが出てきて文句を言う。スターバックスでもマクドナルドでも、今までより一層英語が通じない。発音が違うのか。

全荷物を背負い出発。地図にある隣のイェールまでの往き道にある駅に行ってみる。道路脇に明らかに建築家の手による50年代っぽいマッシブな美術館がある。Knight Columbus Museum。土曜は休みでしたが、平日なら入れると思うのでお勧めです。
ステイトステーション着。ロッカーがないかと思ったが、それどころかコンコースもない、小さな小さな駅だった。はずれ。

※ニューヘブンのイェール大学関係の建物を見に来られる場合は、ニューヨークから日帰りの方がよいと思います。グレイハウンドで1h50m、約一時間に一本。オンライン割引で19.6ドルでしたが、駅で見ているとアムトラック(メトロ)でマンハッタンのセントラルステーションからニューヘブン・ユニオンステーションまで、頻繁に(一度乗り換え必要ぽいですが)出ており、ピークフィーで18.5$、0935以降のオフピークフィーで14$片道と割安です。切符は駅で買わず車内で買うとより高い金額となるので注意。片道2h。ニューヘブンにはホステル的な安宿もなく、ロッカーもないので、NYの宿に荷物を置き、日帰りで朝から夕方で一通り見回る、がお勧めです。ちなみにNY-Bostonだと15ドル前後でグレイハウンドなりチャイナタウンバスなりMegabusなりで格安路線がありますが、ニューヘブンを絡ますとグレイハウンドしか路線がなく、かつ自分のような経路だと述べ50ドル近くになってしまうため、金額的にも日帰りプランの方がお勧めです。、

途中往き道にvisitor infoがあったので覗く。詳細ないい地図をもらえた。場所のわからなかったホッケーリンクの位置も教えてもらう。ロッカーはないか?と訊いたら返事が全然聞き取れない。4回くらい聞き直してようやくロッカーはないから、路上のバイクパーキングにロックしたらどう?と言っているとわかる。それはさすがに怖いのでお礼を言ってイェールへ向かう。このあたりから街が随分賑やかになってくる。スターバックスやダンキンドーナツが並ぶがマクドナルドは全くない。街から閉め出されているのだろうか?

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Yale Centor for British art
Louis I Kahn
1974
Chapel Street 1080,06520-8280 New Haven,United States

■chapelStをインフォを超えて西へ歩いてくと左手にあります。High Stとの角。前にはスタバ。
■月曜休み。火ー日10-17、木-20、日13-18。無料。土曜だけかもしれませんが、11時から建築ツアーが、13時から展示ツアーがありました。内部撮影は階によって違うのか、5階でOKと言われて撮っていると2階では怒られました。
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ロッカーはなかったがレセプションで荷物を預かってもらって身軽になり見学。カーンの後期の作品。最上階から見て回る。

木部はリペアされているのかかなりきれい。目地幅が思ったより細い。1mm。単板なのでそうしているのだろうか。コンクリ柱と木部は10mm程度底目地を取っている。コンクリの梁型(実際の梁成は木部に隠されているのだろうが)と柱がの勝ち負けが上手い。階段室になっているシリンダーは吹き抜けから見ると、円柱をどーんと置いた彫刻のように見える。サッシは全てスチール黒皮、壁も一部そうなっている。木部の単板の貼り方や床のトラバーチンの貼り方など、安藤さんが参照しただろうところが多く見て取れる。吹き抜けに面する開口部からの光が、まるで中庭に面しているようで、自然光を自然に展示室に取り入れている感じがする。

展示は結構豪華。ウォーホールのMaoは初めて実物を見る。Barbara HepworthとHenry Mooreを多く見れたのがうれしい。あとEdward Hopperのいつかの美術手帳の表紙になっていた作品の実物を見る。とてもいい。窓から差し込む光の形を描きたかっただけ、のように見える。外装のサッシワークも美しい。さすが、という感じ。けちの付けようがない。

残り滞在可能時間を気にしつつ、隣のもうひとつのカーン建築へ。

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Yale Art gallery
Louis I Kahn
1953
Chapel Street 1111,06520-8271 New Haven,United States

■上記美術館の真向かいです。
■月曜休み。火ー日10-17、土-20、日13-18。無料。
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カーンの実質デビュー作。天井の三角錘型のボイドスラブは隣り合う形は上下逆になっている。階段室の頂部トップライトにも三角が。隣の後期作品とは二十年ほどの開きがあるため、その洗練され具合がよくわかる。この頃はまだ不器用だったのだなぁ、と偉そうな感想。

Chapel Stを西に行くとすぐに角にルドルフのブルータリズム建築がある。

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Yale School of architecture
Paul Rudolf
1963
York Street 180,06511 New Haven,United States

■ユニオンステーションから歩いて15分程度。York St/Chapel Stの角です。
■ギャラリースペースは見れるようです。
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ギャラリースペースがある、ということを忘れていて外観だけ見る。
そのままずんずん西に歩く。地図上で明らかに形がいびつなのでわかりやすいサーリネンの建て物へ。

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Ezra stiles and samuel morse colleges
Eero Saarinen
1962
■ElmStからBroadwayに入って西に行くと見えてきます。
■現在は学生寮として使われているっぽく、敷地内には一部しか入れません。路面1階
にはイェールグッズを売るお店や本屋、スターバックスが入っています。
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確か集落のように街になじませるために、圧倒的なボリュームにしないためにガタガタのプランとしていたと記憶している。確かに塔の集合のように見える。塔と塔の隙間を開口部とするルールで取っているようで、比較的窓が少なく感じるが居住環境はよいのだろうか。部屋を見てみたかった。

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Beinecke rare book and manuscript library
SOM
1963
Wall Street 121,06511 New Haven,United States
■日曜休み。月ー金9-19、土曜はリーディングルームはcloseで展示スペースのみ12-17。誰でも入れます。写真の中央部の書架内部がおそらくリーディングルームかと思います。
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そこから北上し図書館へ。稀少本図書館。SOMの組織の歴史についてはよく知らないが、これが今のSOMと同じ会社とは到底思えない。外部のピン支持っぽい柱脚から、PCのパーツを積み上げたファサードまで良くできてる。薄い大理石の開口部は内側からスチール枠で留まっていた。精度がすばらしい。曇りの日だからか石への日光の透過度はあまりだった。写真ではそちらに目を奪われていたが、中央の本棚タワーがとてもよくできている。ミース的なH鋼とスラブ鉄骨をアウトセットで取り付けたシャープな架構に本棚がロの字に配置されている。

なおも北へ。図書館を北上すると、ぱったりと人通りが途絶える。今日は土曜で卒業シーズンなので、親達が迎え兼観光で来ているのだろうか。多くの学生+親連れを見かける。遠くでマントを着た学生の集団も見えた。場所がわからなかったブロイヤーの棟が思いがけず見つかる。

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Becton engineering and applied science centor
Marcel Breuer
1970
15 Prospect St, New Haven

■Prospect St/Grove Stの角から北に上がっていくと右手に見えてきます。
■現在はオーディトリウムとして使われているっぽいです。土日は閉まっているようでした。
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サーリネンといいブロイヤーといいルドルフといい、またカーンといい、この時代のアメリカの建築は大胆な形を惜しみなく、恐れず使う。今ならもっと形に対する根拠付けが問われそうな気がするが、見ていて気持ちが良い。特にブロイヤーのカッティングによるボリューム、サーリネンの曲線、カーンの直線の幾何学はアメリカ建築界の財産だと思う。宝の山。面白すぎる。

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Yale hochey rink
Eero Saarinen
1959

■Prospect St/Grove Stの角から北に上って、上記Bectonを超えていくと左手に見えてきます。
■試合のある日は開いている模様。チケット売り場があったので現在も稼働しているようで、チケットもここで買えるようです。
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ホッケーリンクは閉まっていた。期待はしていなかったが、丹下さんの代々木同様やはり中を見ないと始まらない。窓から覗いても中の方が暗すぎてほとんど見えない。入り口の建具は改装されている模様。

これにて予定していた建物は全て見学完了。荷物を預けっぱなしにしていた美術館に戻りピックアップして、隣のスターバックスで遅い昼食。一休みしてからバスの着く駅へ歩いて戻る。1635発のバスは時間通りに到着。乗ってきたのと同じ路線で、NY-Boston線。車内で作業。

窓からの風景は湖を抜け、やがて延々森になる。緑が青々しい。フィンランドの白樺の森とも、ドイツやスペインの芝生の丘とも違う、木が生い茂る森、という感じ。アメリカの大地も豊かだ。時節芝生が刈られた家がぽつんとある。こういうところで暮らしたらどんなだろうと想像する。数日後の運転に向けて、フロントガラスから見える標識の出具合を予習。

ボストンサウスステーションに時間通り20時半過ぎに到着。地下鉄の駅へ。チャーリーカードというICカードを使用した方が安いようだが、それが自販機には出てこない。(後で訊いたら駅員に尋ねるともらえるとのこと。そんなのどこにも書いていない)。仕方なく使い捨てのプリペイドを買って乗る。ParkStでグリーンラインに乗り換える。

※ボストンの宿は「ボストンの宿」という日本人宿。若い日本人夫婦が自宅の(おそらく)二室を、一室をドミトリー、一室を個室として間貸ししている。トイレバス、キッチンは共用。ベッドシーツ、タオルは用意されている。今月いっぱいのみドミ料金が40→30ドルに値下げされていた。市中心部からは結構遠い(サウスステーションから一時間ちょっとかかった。)が、居心地は良い。

グリーンラインのHarvardSt(ParkStから15個目。もらえるどの路線図にも全ての駅名が書いてないので数えるしかないが、多くの人が降りる駅なので間違えないと思います)で下車。目の前にマクドナルドがあるので、そちら側に曲がる。(=subwayと直角に交わるHarvardAvを北へ(進行方向右へ)曲がる。)、その大通りをずんずんかなり歩くと一通でない大通りだけ数えると二つ目にCambridgeStに当たるのでそれを左へ(西へ)曲がる。すると3分くらいで右手に宿が入るアパートが見えてきます。それを超えた隣は「世紀末家具」という家具屋。向かいはMobilガソリンスタンドです。予約すると送られてくる道順がわかりにくく、もれなく迷うので一応わかりやすい道順を記します。ちなみに当部屋番号の表札はなぜか違うアメリカ人の名前のままです。またややこしい。しかもドアベルが壊れているので、電話しないと開けてもらえません。儲ける気がないのかな?と不思議に思います。

到着してドアベルを押してみる。表札の名前が違うので恐る恐る押したが、誰も出ず留守電になる。携帯から教えられた番号に電話しようと出すと圏外。アメリカはvodafoneが弱いのか?NYからずっと圏外のまま。仕方なく向かいのガソリンスタンドに行って公衆電話がないか訊いても、ない、との返答。近くにあるところ知らない?となおも尋ねると、「ボストン市内ならこれを使いな」とおばさんが携帯を貸してくれる。なんと親切な!。ありがたくかけるとすぐに旦那さんが降りて来て下さる。お礼を言って急いでアパートの前まで向かう。走りながら、何か買ってあげればよかった、と後悔。

部屋に入り、シャワーを浴びて一休みしていると、同室の方が帰ってこられる。訊くと同じくワンワールド、しかも六大陸で既に13ヶ月目、アフリカも南米も回り、後はカナダとオセアニアを残すのみの訪問80数カ国の方だった。とてもいい顔をされている。南米の話や、危なかった話を伺う。傾向と対策を得る。イ
ンドに行くと心がすさむ、という話に激しく同意。2,3日前ここボストンで貴重品バッグを丸ごと無くしてしまい、途方にくれてもう帰国しようかと思ったが、拾ったアメリカ人のおばさんが中身を見て入っていた航空券からJALに電話し、彼のメールアドレスを聞き出し、連絡をくれて今日なんと無事何も無くなることなく帰ってきたそうだ。奇跡としか思えない。そのおばさんの良心と行動力がすばらしい。

話が弾みつい夜更かし。1時半頃就寝。



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