123日目 100509 HELSINKI



昨夜もやはりそんなに早く薬は効かず、3時頃まで咳は続いた。なかなか寝かせてくれない。
9時頃起きて朝食に下りる。ビュッフェ式の朝食はとても豪華。ベリーソースが美味しい。コーンフレークにかけて食べる。野菜からハムからパン、たっぷり頂く。咳の続く体にたっぷり栄養を取ってこの滞在の間に治したい。11時頃出発。何はなくともまずはキアズマに向かう。北欧で最も楽しみにしていた建物。

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Kiasma
Steven holl
1998
Mannerheiminaukio 2,00100 Helsinki,Finland

■ヘルシンキ中央駅西側歩いて3分。
■月休み。Tue: 10 am-5 pm, Wed-Sun: 10 am-8.30 pm
http://www.kiasma.fi/
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中央駅の西側、ほんとうにすぐの所にある。まずは焦る気持ちを抑えて外観からぐるっと一周回る。写真で石かと思っていた外装は、2mmほどのアルミパネルだった。隣でYが宇宙船みたいと言っていたが、確かに知らずに見るとそう見えるのかもしれない。

一周回ってエントランスに戻る。車寄せの庇とサインボードとの繋げ方が巧い。エントランスハンドルはもちろんホールデザイン。手に触れる所のデザインの重要性をよくわかっている。ヘルニングでもエントランスドアのハンドルはオリジナルを固持していた。

入るとまさに写真で何度見たかわからないパースペクティブ。しばし眺める。本当にすばらしい。スロープの手すりをちょっと横に出すことで奥に消える円弧のラインを強調しているところなど流石。右側の壁の傾斜はスロープの上側のみで、スロープスラブより下、スロープ裏は垂直だった。

荷物をクロークに預けて、まずはカフェで休憩。タルトとコーヒー。美味しい。クロークの照明も氷の塊を模したようなガラスカバー?のシーリングライト。チケットを買って入る。

まずはスロープを行ったり来たり。楽しい。本当に良くできてるなぁ。どのポジションからでも絵になるパースペクティブ。展示空間の動線もこの吹き抜けを中心にスキップするフロアをぐるぐる廻る形になっている。

展示はこれまでの展覧会の回顧展的な内容。フィンランドの作家がほとんど。パンフレットの表紙にもなっているリボンによる三角形のボリュームの展示が面白い。完全に視界が遮られて前から来る人とぶつかりそうになる。最上階は写真家の展示。生憎展示の性格上ほとんどのトップライトやハイサイドライトは閉じられている。残念。

階段やフェンスの手すりからトイレの洗面器、トイレットペーパー置き場まで細かくデザインされている。キアズマの捻るというコンセプトを援用しつつ、字義通りでない審美的にも美しいディテールにまとめている。いちいち感心。間違いなくフィンランド、アアルトの国に作るということが意識されているように感じる。

結局5時過ぎまで滞在してしまう。ミュージアムショップも本だけでなく、フィンランドの若手作家の作品も取り扱っており品揃えがいい。

中央駅へ。ナントのSに紹介してもらったヘルシンキ在住のKさん夫妻のお宅にお邪魔するため、駅で連絡してから電車VRで4駅ほどの最寄り駅pukinma:kiまで向かう。降りるとフィンランド人の旦那さんTさんが迎えに来て下さっていた。日本人の奥さんが来ると思っていたのでちょっと驚き。日本に住まれていたので日本語(関西弁)がうまい。ちょうど来ていたバスに乗りお宅へ。

このあたりは60年代にまとめて計画された団地地区らしく、建築ガイドツアーでもよく訪れられる場所らしい。旦那さんが歩きながら解説してくれる。お宅のエレベーターも手で閉める扉で内扉がなくレトロな感じ。面白い。

18時半頃お宅に到着。リビングに入るとサンルームに面していてとても明るい。バルコニーの手すり上部にガラス開き戸が付いており、閉めるとサンルームになるようになっている。この仕組みは後日電車から見る集合住宅でも見かけたが、とてもすばらしい。窓際には近くの家庭菜園に移す前に育てている苗が並んでる。中学の教科書で見たような芽らしい芽が並ぶ。かわいい。土に還る容器がいい。

旦那さんは木工をやっており、置いてあるソファやバターナイフなどの小物まで作られていた。仕口がすばらしい。釘もビスも使わずに作られている。マリメッコのワンピースがとてもよく似合う奥さんも、セラミックや家にあるオブジェを作られている。豊かな部屋。

奥さんが日本食を作って下さる。散らし寿司に唐揚げにサラダ。やっぱりごはんは美味しい。入る所が違うと思う。美味しい食事に楽しい話、時間はあっという間に過ぎ、気づいたらもう夜の22時。日が長いのでついつい太陽に騙されてしまう。そろそろ、とお暇。帰り際にコーディネートで関わられたヘルシンキを取り上げた雑誌を頂いてしまう。ご馳走になった上、雑誌まで、本当にありがとうございます。大変ご馳走さまでした。

旦那さんが時間を調べて下さって、帰りはお宅のすぐそばのバス停からバス一本でヘルシンキまで。ちなみにヘルシンキ周辺の交通網を調べる時は、教えてもらったこちらがとっても便利です。

http://www.hsl.fi/EN/Pages/default.aspx

フィンランド版路線検索。住所を入れれば歩く時間とルートまで含めて出してくれます。すばらしい。

帰宿後、少しだけ作業。咳はまだ出る。1時頃就寝。



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