121日目 100507 TURKU



昨夜は横になってからは少し眠れた。5時頃一人の男が出ていく音で目が覚める。6時前になり他二人も慌てて外へ出て行く。まだ到着まで一時間以上あるのに、と不思議に、そして少し不安に感じ、起きてインフォメーションに念のため訊きに行ってみると、スウェーデンとフィンランドでは一時間の時差があることに今更気づく。危ない。あと30分ほどで到着なので荷物をまとめて降りる準備を整える。フィンランドだけGMT+2hとヨーロッパ内では時間が早い。

船は時間通りに到着。もちろん降船は混雑を極める。なんとか中央広場行きのバスに乗り込む。予想より早く8時頃広場着。ここでトゥルク在住の友人Kさんに連絡。朝早くから迎えに来てもらう。日本よりもフィンランドの方が空気が合うんです、と移住の話を伺ったのが数年前。今やトゥルクに住んで一年ちょっと。すばらしい。

自転車で迎えに来てもらって歩いて引っ越したばかりのお宅へ。ワンルームでも十分広くキッチンにはオーブンまで揃っている。ヨーロッパの単身住居はフラットでもワンルームでもキッチン設備とスペースがまともな料理を作るのに十分なのがすばらしい。朝食を頂き、荷物を少し整理。今日は前もって予約しておいてもらったパイミオのサナトリウムのガイドツアーがある。

その前にひとつ教会をバスに乗り、見に行く。

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St.Henry’s Ecumenical Art Chapel
Matti Sanaksenaho
2005
Seiskarinkatu 35,20900 Turku,Finland

■Turkuのtori(マーケット広場)から54or55番バスに乗りPapinsaari行きに乗る。片道約30分2.5e。バスから教会が思い切り見えるので、そこで降車ボタンを押せば間に合います。
■月ー金11-16、木-1830、土日12-15、無料。
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確かSanaksenahoが友人達と最初に取ったコンペの実施作だったと思う。けれどきめ細かく良くできている。外壁の銅板の貼り方から開口枠と内壁との納まりまで。内部照明カバーも外壁と同じ銅板で制作している。外観は周りの風景から見るとちょっと異様だが、内部は上昇性と方向性の強い教会らしい空間。幅6.7m、高さ12mの空間。
バスを待ちながら作ってきてくれたおにぎりを頂く。

バスで一度トゥルク市内広場まで戻る。パイミオ行きのバスまでまだ時間があるため、近年できたトゥルク図書館を見に行く。建築家はJKMM Architectsらしい。RCの細い柱とスラブを現しながらとてもきれいに纏め上げている。特に照明計画がすばらしい。柱に取り付けられたアッパーライトがベース、本棚には背表紙が見える照明、なんと吹き抜けにはルイ・ポールセンがある!確かmoooiのシャンデリアも。家具も仕上げもきっちりお金がかかっている。こんな図書館を毎日使えるトゥルク市民はうらやましい限り。システムやプログラムも充実しているよう。
図書館のカフェでお茶して時間になったので別のバスに乗ってpaimioへ向かう。

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Paimio Sanatorium (Paimion Sairaata)
Alvar Aalto
1933
Alvar Aallontie 260,21530 Paimio,Finland

■toriから111or109番のpaimio行きバスに乗る。片道50分程度。6.5e。
■6-8月には10時からと14時から毎日ガイドツアーがあります。それ以外は事前予約必要→touristinfo[at]paimio.fi
ガイドツアー7e。英語でも可能。
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雨の中バスは延々郊外の風景の中を進み、居眠りから起きた頃到着。本当に街から外れた寂しい所に建っている。ツアーまでまだ時間があるので外観を少し撮影しながら待つ。同じツアー予定の団体が送れているらしく、先に自分たちだけでツアーを行ってくれる。

元々は結核患者の療養所だったが今は普通の病院として使われている。その機能変更時にエントランスブースも現状の形に変えられた。なのでこれはオリジナルではない。
シーリングランプがどれもとてもきれい。緑の小さいランプは非常灯とのこと。これでOKを出すフィンランド建築行政がすばらしい。

屋上の写真が有名なテラスは庇が増築されていて残念なことになっている。
居室の一室をみせてもらったが、床が窓際で盛り上がっている。訊くと、もともとアアルトの図面では掃き出し窓だったが(患者が少しでも外光を得られるように)施工が間違った所を妥協してこのような形になったらしい。いつの時代もそういうことはあるのだ。そういうところさえアアルトらしく見えてしまうところが巧い。回転扉の物置棚やベッドに差し込めるサイドテーブルなどとても機能的にそれぞれ作られている。

建物の端には建築当初から付いているフィンランドで初めて設置されたというエレベーターがあった。三人乗りで現役。乗ってみたら?と自分達を入れて、ガイドはじゃ!と歩いて階段を下る。乗らないのかー?と少し不安になるも無事到着。扉はもちろん手動の引き戸でスピードも遅いがちゃんと動いていた。

一通り見終わったところでちょうど送れてきた団体が到着しお開き。バスの時間までエントランスホールで待つ。彼らと一緒だとフィンランド語のガイドだったので遅れてきてくれて感謝。

帰りも雨の中バスに乗り、トゥルク市内へ。途中で降りてスーパーに寄り果物を買う。ユーロに戻ったせいか物価が安く感じるが、計算するとスウェーデンと同じくらいか。

お宅に戻り、晩ご飯を作って下さる間、作業。白ご飯に味噌汁、沖縄風炒め物(名前を忘れて・・)、サラダ。久しぶりの白ご飯が美味しい。やっぱりパンとはお腹に入る量が違うと思う。食後はまた作業。深夜まで。1時半就寝。



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