110日目 100426 COPENHAGEN – MALMÖ



7時半起床。朝食を食べる。学生の団体客がいないからか、いつもより小さなダイニングで朝食。食後、溜まった切符やメモをスケッチブックに整理する。いつも帰ってくると部屋は既に誰かが寝ていて暗いので夜整理できない。同室のイタリア人姉妹もアイスランドの噴火で飛行機が飛ばなくなり、パドヴァまでバスと電車で帰ることになったのだそうだ。やはり影響は大きい。こちらの航空会社は、あのケチで有名なライアンエアーでさえ延泊費を補償したとニュースに書いていたが、日本の航空会社は全く補償をしないらしい。そんなことしてると、余計にJALの利用者が減るような気がするけれど。保険会社の約款にも噴火は保険の対象外と書いてある。

10時過ぎに出発。20cコインのデポジットで乗れる自転車を見つけ、コペンハーゲン中央駅まで乗ってみる。今まで電車で二駅だったが、自転車でも結構近い。10時半頃SASホテル着。昨晩朝9時以降に来てみて、と言われたので来てみた。コンシェルジェに尋ねると、またもや何もスケジュール帳やPCをチェックするまでもなく「ゲストが居るのでだめだ」とのこと。これで四度目なのでさすがに腹が立って、文句を言うと、sales部署の名刺を渡され、ここにメールで尋ねてみてくれ、と言う。それなら最初からそう言ってくれ、と文句を言う。確か四つ星だったはずなのに、この行き当たりばったりな対応を見ているとそうは到底思えない。接客業において全ての対応は未来の客に繋がると思うのだけれど。

ホテルを出て隣のツーリストインフォに入る。昨晩マルメにあるレヴェレンツの教会がある墓地の場所をネットで調べていたのだが、どんな検索ワードでも出てこなかったので尋ねてみることに。返答は、ここではわからないがマルメのインフォの行けばわかるはず、とマルメの地図が入った冊子をくれた。そりゃそうだ。行き方を訊くと、バスの方が安いが時間がかかるとのこと。

※コペンハーゲン - マルメ間の移動
DSBでなら30分。一時間に二本くらい出ています。片道80dkk。往復割引はなし=160dkk。
バスLinie999でなら片道70dkk。往復120dkkで行けますが、片道1時間。二時間に一本くらい。インフォで時刻表をもらえます。コペンハーゲンの地図に999とバス停の表示がありますが、市庁舎前広場やNoreport駅前から発着しています。
どちらでもコペンとマルメを結ぶ大きな橋を渡っていくので、橋が見たい人はどちらでも。

バス乗り場まで行ってみたが次のバスは一時間半後だったので、電車で向かうことにする。

30分でマルメ到着。近すぎて違う国に来た感じがしない。もうここはスウェーデン。通貨が違うのでまずはATMでSEKを下ろす。中央駅構内にあるツーリストインフォでeastern cemeteryの場所を訊いてみると、さすが、地図に場所を記してくれた。

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Flower kiosk in Malme eastern cemetary
Sigurd Lewerentz
1969
ostlicher Friedhof Malmo

Chapels of St,Gertrudand in Malmo Eastern cemetary
Sigurd Lewerentz
1944

■どちらも同じeastern cemetery内にあります。入り口に花屋が、奥に教会が3つあります。駅から徒歩50分くらい。駅前のバス乗り場からNo,5、Kvarnby行きのバスに乗り10分ほど、Emilstorpで降りて、徒歩5分くらいです。片道18sek。切符は運転手から買えます。バスは20分に一本くらいあります。ちなみにこのバスはLinie999の終着Gustov Adolfs trogにも停まるので、そこからも乗れます。

■墓地なので24h/7dだと思うのですが、門があったので閉まる時間帯もあるのかも。教会もたまたま入れましたが、普段は閉まっていそうです。どこにも案内はありませんでした。
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駅前のバスターミナルに行くとちょうどバスが来ていたので飛び乗る。運転手にインフォで書いてもらったバス停名を見せて、そこに着いたら教えて、と言うと、忙しいので忘れるかもよー、と言うので一番前に座り地図を睨みながら自分でなんとかしようとする。と、目的のバス停でちゃっかり教えてくれる。なんだ、覚えてるじゃないか。お礼を言って降りる。

市内から郊外に入る入り口のような地域で、団地が建ち並ぶ。そこを抜けると丘が開けた墓地に入る。入り口に花屋がある。開口部のガラスfixが金物でコンクリ壁面と面一になっている。確かSt.Marks churchはガラスがアウトセットで付いていたように思うが。こちらは金物+シールで処理されている。ドア建具はアウトセットで付いている。ガラス部はボリュームの一部、建具は別の付属物という扱いだろうか。銅葺きっぽい屋根も厚みを極力抑えて、ボリュームに違う面が乗っていると見えないように処理している。大きなハイサイドライトは北向きなので、直射光は入らず具合は良さそう。中に入っても明るかった。

墓地の中へ進む。入り口の雑木林もそうだが、木を植えるところと植えないところの区別がはっきりしている。植えるところはちょっと異常なくらいの密度で植えている。教会の北側なので防風林的な意味もあるのだろうか。

教会が見えてくる。アプローチにパーゴラのような屋根があるが、手前の部分は元々あったものが朽ちて取れたのか、全て無くなっている。外装の石は貼っていると思うのだが、ツントーの温泉のような薄い石。二色を混ぜている。外部は磨いていないフィニッシュだが内壁の石は磨いていた。裏側に回ってみると水色のガラスブロックが嵌った開口部があった。全く枠なしで納めている。この人の開口部は扉のような開け閉めする、動くところ以外は全て枠を介さず、壁から直接ガラス的なものが当たるように作られている。

裏手にももう一つ教会があり、合唱が聞こえたのでちらっと扉を開けてみると、男が目配せでダメだ、との合図。ぐるっと表に回ってくると隣の教会の待合室の扉が開いている。中に入るとすばらしい!サイズといい仕上げといい、サンルームの感じといいとても気持ちいい。唯一の照明のウォールランプもとてもきれい。ここだけ内壁が煉瓦に変わっている。しばし休みながら鑑賞。

ここが開いてるなら、と隣のメインエントランスも試してみると開いている。中には棺があるので誰かのセレモニーの後か前なのか。訊こうにも誰もいないので、おそるおそる入る。吹き抜けの大きな空間。吊り下げられているペンダントランプも指物のように細かく良くできている。開口部のルーバーといい、木仕事がとても細かい。さすがデンマーク。

弔い客らしき人々が入ってきたので、こっそり外に出る。中を見れて本当によかった。前のベンチで一休み。

その後、墓地の中を少し歩いてみる。墓地全体のランドスケープデザインもレヴェレンツの仕事だと思うのだが、墓地は緩やかな丘になっている。丘の傾斜に沿ってお墓が埋められており、遠くからでも目的のお墓を見付けやすいし弔いやすい。よく出来ている。こちらのお墓は墓標の前に草花が植えられていて、日本のお墓のようなジメっとした感じがしない、明るい雰囲気。

墓地を後にして帰りは歩いてみる。歩くと結構遠いが帰り道にレヴェレンツの手がけた劇場がある。
途中スーパーやマクドナルドに寄り道。物価は通貨が変わってもあまり変わらないよう。ほんの少しデンマークよりかは安いくらいか。マクドナルドは10dkk が10sekになる分安くなっていた。あんまりゆっくりしていると帰りのバスの時間が迫っていることに気づき、急いで劇場へ。

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Malmo city theater (opera house)
Sigurd Lewerentz
1944
?stra R?nneholmsvagen 20 ,Malmo

■中央駅から歩いて20分くらいだと思います。
■公演時以外はホールさえ入れないようでした。ガイドツアーなどの情報は少なくともホールにはありませんでした。よって外観のみしか見れず。
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柱の石の貼り方が珍しい。開口部の煉瓦と木建具のプロポーションと色調がきれい。後ろの煉瓦貼りの建物は別棟だろうか。繋がってはいるが同じ設計っぽくない。

ざっと見てコペン行きのバスが発着する広場へ。このあたりは街の中心らしくお店も多く、カフェのテラスなどでは多くの人が陽気を楽しんでいる。バスターミナルの案内所でバス停を訊くと、黄色いバス停だと。一つだけコペンでよく見る黄色いバス停がある。スウェーデンのバス停は緑。わかりやすい。日本のバスも彩度の高い一色で統一したらわかりやすいのに。

10分ほど待ってバス到着、ドライバーに運賃を払って無事コペンへ。一番前に座ると橋を渡るときのビューがきれい。
宿最寄り駅に直接着いて、歩いて宿に戻る。19時過ぎ。着くと朝食でお会いした日本人の方がデンマークビールでも飲みに行きましょう!とのことで、シャワーを浴びてから外に出る。少し雨が降り始める中、適当なバーへ。久しぶりのビールは美味しい。

10時半くらいに戻り、メールチェックなど。SASホテルに鬱憤をはらすべく長いメールを書いて送る。0時前就寝。



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