7時半起床。七時に起きるつもりがなかなかベッドから出られなかった。昨日は早く床に着いたはずなのに。急いで身支度をして8時出発。朝食を食べる時間が取れず。歩いて駅へ。思ったより早く道がわかっているせいか10分くらいで到着。切符を買ってから駅構内のマクドナルドで朝食を取る。ドイツまでは1euroメニューがカプチーノだったのが、デンマークからコーヒーになった。久しぶりにまずいコーヒーを飲む。

Herniing行きの電車は二両編成のローカル線っぽい電車。けれど無線LANが無料で繋がる。昨日のintercityでもwifiの表示があったということは、デンマークの電車は全てwifiが無料で繋がるということだろうか。すばらしい。
ユトランド半島を西へ西へ。馬や牛、豚の放牧を車窓からよく見かける。

1.5時間で到着。天気もいい。駅のロッカーに荷物を預け(20c)、昨日もらった地図を頼りにまずはツーリストインフォに行ってみる。街は土曜の昼前でにぎやか。何かボーイスカウトのイベントがあるのか、ステージで演奏、少年少女が屋台を出している。その脇にあるはずのツーリストインフォに行くと移転の看板が。すぐ東の書いてある住所に行くととてもきれいなインフォがある。地図をくれて美術館の場所を教えてもらう。Herningには駅南とかなり東と二つ美術館があったので(HeartのHPには行き方が書いておらず、昨日教えられた場所は南の方だったが、googlemap的には東なので)確かめたかった。やはり東らしい。

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Heart herning contemporary art museum
Steven Holl
2009
Birk Centerpark 8,7400 Herning

■駅から少し北に行くと店の並ぶ繁華街通りに出ます。その通りにインフォがあり、その道を道をひたすら東にまっすぐ延々歩くと南側に美術館が見えてきます。曲がり角がロータリーになっており標識があるのでわかります。駅から徒歩4,50分。駅前のバスターミナルからLinea5に乗っていけるはず(美術館前にバス停があった)ですが、平日のみ、一時間に一本クラスでした。

■月曜休み。火曜ー日1000-1700、木曜のみ-2200まで。大人65dkk。
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車道と自転車道しかない国道のような道を延々歩く。自分以外に歩いている人は全く見かけない。まぁ普通の人は車で行くのだろう。郊外的なショッピングセンターが道路脇にある。デンマークの家はやはり煉瓦造りが多い。それに瓦屋根が載っている。道路脇の普通の家並みの写真を撮りながら歩く歩く。歩くのに飽きてきた頃にようやく到着。敷地は美術館群が林立している一角にある。新しくできた美術館のはずだがあまり人気はない。今の展示がインドの現代美術を紹介するものだからかもしれない。(常設の方が人が居たから)

後で置いてあった本から得た所では、元々シャツ工場があったこと(今は美術館に転用されている)と、マレーヴィッチの絵画(白の中の白、黒の中の黒だったかな)、イタリア人作家(名前を失念、Ancromeシリーズの人)からインスピレーションを得て、シャツの襟のような屋根の交わりと、ファブリックのようなテクスチャのコンクリートに行き着いたらしい。

外壁を見ると確かに波打っていて気持ちはわかるが・・・やはり柔らかくは見えない。文字通り、という感じ。内部も思ったよりあっさりしている。屋根の切れ目にあたるハイサイドライトは(展示の内容からか)全てブラインドが掛けられて閉じられている。なんだかホールっぽくない。外観においては壁同士が、内観においては壁と屋根が、それぞれ別々の「面」として扱われており、全くボリューム感がない。ボリュームとして扱われているからいい、というわけではないが、ヘルシンキのキアズマに代表されるような虚と実のボリュームが交差する空間を期待していた身としては残念な感じ。ディテールもかろうじてエントランスの扉の取手ががんばっている(けれど取り付け方が甘い)程度で、らしくない。まだ他は写真でしか見ていないが、彼の建築はこんなもんじゃなかったと思う。ヘルシンキに期待。

内部は思ったより広くないため、展示の量も少なめ。今まで見た美術館が国立クラスばかりだったからそう感じるだけかもしれない。常設はAnchromeの作家の収蔵作品数が世界一らしく、それが目玉のよう。企画展はインドの現代美術作家。一通り見たが、うーん、面白くない。政治的な作品が暗示的、明示的問わず多いが、それ以前に、面白い、とかきれいとか、感情の種類はどうあれ、好奇心をくすぐられるような点がないと個人的には美術作品はダメだと思う。印象批評に過ぎない、と怒られるかもしれないが、昔に比べて見切る時間がどんどん早くなっている。ぱっと見て引っかからないともう見ない。昔は、有名なものや評価が高いらしいものには自分がわからないだけで何かあるのかと時間をかけて見てみたりしていたが、どうやら歳を取ったのか、自分の興味に素直になってしまった。時間が有限だ、ということをひしひしと感じているからかもしれない。逆に面白いもの(立体が多い)はいくら見ても飽きない。話が逸れたが、政治的な表明をするにせよ、それ以前の作品の完成度がないと声は届かないと思う。

美術館を出て外を見てみる。

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Experimental house
Jorn Utzon
1967
Herning Kunstmuseum Birk Centerpark 3 Birk  HerningExperimental house

■ホールの美術館の隣です。
■今はアパートとして使われているよう。なので中は見れませんでした。
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と、いうことで外観だけみてもなんとも言えない。
ここHerningは盛りだくさんかと思って長めに時間を取っていたが、予想外の期待外れで時間が空いてしまった。敷地内にある野外彫刻を見てみる。Anthony Gormlyがある。確か人型の彫刻作品を作っていた作家だと思うが、ここにあるのは列柱のようなものだった。うーん、なんだかよくわからない。その他にも彫刻はデンマークの作家のものがいっぱいあったが徒労に終わりそうなので、美術館に戻り、この美術館のコンセプト文を収録している本を少し読む。

指名コンペ(スノヘッタやデンマークの3XNが入っている6者でのコンペ)の経緯では、締め切り数日前にホールのスケッチが上がり、数日三名のスタッフが徹夜でプレゼンボードを仕上げたらしい。そういえばそのボードをどこかの展示でみた覚えがある。どこの国も設計事務所の実情は変わらない。コンペに勝ったという知らせの電話からオープンまで二年しかなかったらしい。それでこんなに完成度が低いのかもしれない。

お腹も空いてきたので駅に戻ることにしてとぼとぼ帰り道を歩く。途中のショッピングセンターに寄ってみる。平屋のジャスコ+ホームセンターのような場所、要は何でも売っている。衣料品から電化製品から工具から塗料から自転車まで。隣にスーパーもある。工具や自転車用品に日本で見ないものが多くあり、これまた誘惑に駆られるが我慢。ベルリンのYさんお気に入りのつなぎを自分も欲しかったので探してみたが見つからなかった。

途中マクドナルドで食事をする。日本では年に数えるくらいしか食べたことがなかったのに、この旅行に出てから何個のチーズバーガーを食べているのだろう。グローバリスムのわかりやすい例として批判されることが多い気がするが、どこの国でも同じ味を低価格で食べられるというのは、旅行者にとってはある種の安心を与えてくれる。あとどこも無線LANが繋がるというのは、とてもすばらしい。正直かなり助かる。本当にインターネットがなかったら、この短期間にこれだけの低予算でここまでの数の建物を見て回ることは到底不可能だったはず。

駅に着いてまだ一時間弱あるので作業。
時間通りのintercityに乗り込む。ネット予約したチケットは指定席だった。途中から一気に混んできてこれが席がなかったら、と思うとぞっとする。hotpointと書いてあったがネットはなぜか繋がらない。ログや写真の整理。

4 時間半ほどかかってコペン到着。S-togに乗りまっすぐ宿へ22時前着。前回と同じJorgensenhostel。今回の部屋は前よりひどく、半地下の薄暗い三段ベッド!3つの部屋。の一番上のベッド。寝て手を伸ばすと天井。狭い。あと手すりが脱着式で怖い。なんだか囚人の部屋みたい。北欧は地価も高いのか、ヨーロッパに入ってからでは最悪の部屋だが、安いのでしょうがない。ロビーで作業をしてから24時頃就寝。



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