107日目 100423 AARHUS – RANDERS – AARHUS

7時起床。朝食は付いていないので、自販機のコーヒーとビスケットで簡単な朝食。デンマークに入って一気に物価が上がった。わかりやすいのがマクドナルドで、日本で100yen、ユーロ圏で1euro=130円(オランダやフランスは店によってなかったと思う)、それがデンマークでは1DKK=170円。もしアメリカに1ドルマックがあれば、物価はほぼ倍になる。街中でコーヒーを飲もうにもフランスやイタリアのように気軽に飲めない。セブンイレブンが結構至る所にあるけれど、やはり高い。スーパーの倍くらいの値段で売っている。こんな最低ラインの安宿でも3000円くらいしてしまう。朝早く行き過ぎてもどこも開いていないので、朝食後9時までログを書く。

9時過ぎ出発。今日も昨日に続き天気はいい。コペンハーゲンにもあった無料自転車がここオーフスでもあったので試しに借りてみる。20セントコインをデポジットで入れればチェーンが外れる仕組み。こんなのでも変速が付いている。が、それが潰れていたり、スタンドが折れていたりと傷んでいるものも多い。選んで乗ってみる。が、オランダ以来のペダル逆回転ブレーキがやっぱり今一馴れない。それでも乗って市庁舎へ。

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Arhus city hall
Arne Jacobsen
1941
R?dhuspladsen 2,8000 Aarhus, Denmark

■駅のすぐ近くです。ツーリストインフォの向かい。
■月金0700-1800、内部はロビーホールのみ、といっても一応入り口の警備員さんに確認しましたが、オフィス内部以外は全て見れました。6/16-9/5まで月金1100-ガイドツアーあり。10DKK。
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小雨が降ってきたので慌てて自転車を留めて中に入る。どうやら裏側から入ったようで、ちょうど展示替えか何かで天井のペンキ塗りや設営をしていたが、普通に見回っても大丈夫ということだった。

内部の印象としては数寄屋を見ているような感じ。あそこまで過度な洗練ではないが、細かいところまで作り込まれている。角という角が全て丸められているのが、少しくどい気もする。壁面はスリット状の格子壁と単板貼りの壁で、格子壁の方は吹き出し口も開口部もすべて格子の中に納められている。よくやったなぁ!と感心。特に扉なんて本当に取っ手がなかったらどこにあるのかわからない。二種類ある手すりはどちらも真鍮プレートを曲げて作られている。これまた金物屋の技術に感心。掃除婦さんが端から端まで磨いていたのが印象的。大事にされている。スラブの端部も丸められているせいもあり、上からみるとかなり薄く見える。

一時間ほど一通り見て、外に出てぐるっと回ってみる。反対側に市民用のエントランスがあり、窓口がいくつも設けられている。こちらは改装されたのかえらく現代的な内装。外観は巧くないと思う。石を使っているのに柱を現していたり、どっちつかずの印象。時計台も同様。石の貼り方や柱の見せ方、並びにプロポーションが見せたい方向に統一されていない。やはりヤコブセンは内装の人なのか?

向かいにあるツーリストインフォに行き、ランダースの教会とヘルニングの美術館の行き方を教えてもらう。親切にグーグルマップから地図をプリントアウトしてくれた。

駅でランダース行きのチケットを買って、すぐあった電車に飛び乗る。片道59dkk。

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Enghoj Church
Henning Larsen
1994
Enghoj Alle 10,8900, Randers

■Aarhusから電車で30分、intercityなら一駅でRanders駅着。駅から徒歩片道50分!です。駅を出て北側に地図の看板もありますが、その北側の道路Viborgvejを西に行くと、Vester Boulvardに当たるのでそれを右(北)へ。延々歩くとロータリーになって交わっている大きな道Hobrovejに当たるのでそれを左(西)に。また延々歩くとEnghoj Alleという細めの道に当たるので、それを右(北東)に行くと、教会が丘の上に見えます。そのままこの名前の道(途中に違う名前の道への分岐がありますが無視してください)をずんずん登ると着きます。最後の道以外は国道のような大通りで、曲がる所には道路名のサインがあるので間違えないと思います。
■火曜ー金曜1300-1500。
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これまた駅から遠い。駅を出てすぐ道路脇に地図があり、それをgooglemapの地図と見比べて写真に撮り、往き道を決める。歩いてみると予想以上に遠い。延々歩く。

丘の上に見えてきた教会はかなり予想より大きい。写真の端に写っている住宅と比べると大きさがわかると思う。
到着して一応先にkontrolに行き、見学していいか尋ねると、掃除婦らしい人が教会の電気を点けてくれた。入ってみると外観ほど大きくない。バタフライルーフのせいかもしれない。確かに光の落ち方がきれいはきれいだが、そこまで。唸るほどではない。コンクリの目地やセパ穴がうるさすぎるのが一因だと思う。ラーセンは確かヤコブセン事務所出身だが、オペラハウスといいこれといい、うーん、あまりそうは思えない。ここまで来る労力と見合う価値があったかと言えばノーと答える。

歩いて駅まで戻り、オーフスへ帰る。

※ここでtips。オランダ鉄道DSBのintercityやより特急のintercity lunは、座席指定なしでも乗れるようですが、結構埋まります。座席の上に予約が入っている席はどこからどこまで予約と表示されてますが(ドイツDBのICEと同じですね)、まずほぼ埋まるので、この日はずっと狭い通路に立ちっぱなしでした。オンラインでチケットを買った場合は自動的に指定席で買ったことになるようです。長距離は早割があるので(結構早く売り切れるよう、確か100km以上だったかな?)そういう移動をされる人はチェックしてみた方がお得です。

駅に着き、急いでアロス・オーフス美術館へ向かう。シュミット、ハンマー&ラッセンの新しい美術館建物よりも、ほぼロン・ミュエクの彫像が見たいだけ。16時前に滑り込み入館。荷物を預けて一通り展示を見る。企画展でダミアンハーストなど出展していたがあまり面白くない。日本で金沢だったかな?やっていた展覧会は見に行けなかったので実物を見るのは初めてだけれど、ミュエクの像は異様。面白い。しわのひとつひとつまでスケールを拡大されている。パンツの張り具合までばっちり。ハリウッドの特殊メイクみたいだけれど、実際にありえないスケールの、けれど限りなく具象に近い像、はすごく不思議な感覚。
地下にビデオやインスタレーションばかりの展示があった。これが豪華。James Turrelはさすが大御所。暗闇の中に触れられそうで触れられない赤いもやのボリュームを作り出している。Bill Violaは六本木ヒルズでの展示にも確かあった内容。Pipir
oti Listは普通の家の居間のような場所に映像を投影している。これは明日いっぱい見るから置いておく。Olafar Eliasonの実物を初めて見る。開口の向こうに四周ミラー貼りの空間(隙間)がある。Electoric Labirinceを展示した磯崎さんの言を借りれば、ただのビックリハウスじゃないか、と言ってしまえるが、実際の体験は面白いし興味深い。ミラーのわずかな傾斜が何十回の反射を経て増長されていく。

帰りは街の中心、繁華街を歩いてみる。H&Mなど似たような店が並ぶ。つい文具店に寄ってしまい、またひとつ小さな便利グッズを見つけ買ってしまう。これはなかなかありそうでない。駅前のスーパーに寄ると、コペンハーゲンより果物やパンがかなり安い。買い物をして昨日と同じピザ屋で夕食をとり、宿に戻る。

ダイニングで作業をしようと降りると、同室の男がいたので少し話す。オランダはアムスの北にある街から週末を利用して来たらしい。オランダ訛りなのか、最初全然英語だとわからなかった。日本に詳しく、空手も通っていたという。実践よりも組み手の型が好きらしい。変わっている。その癖、腕にはいかつい入れ墨が入っていて長髪。けど読んでいたのは聖書。その後も英語のテレビ番組をPCで大きな音でかけながらレポートらしきものを書いていた。

23時くらいまで作業をして、誰かがスカイプか何かを始め一気に回線が繋がらなくなったので、そこまでにして、早めに23時半就寝。



2 Responses to this post

  1. 39 says:

    松本さん、初めまして。
    先月くらいに色々検索しててここを見つけました。
    建築関係の方ですよね?
    私いま大学院で建築の勉強をしていて、夏に一ヶ月ヨーロッパに旅行の予定です。
    なので、物凄くここの情報が役立ちそうで、がっつり参考にさせて頂きたいと思っています。
    お忙しいとは思いますが、二三質問させて下さい。
    フランスにはコルビュジェメインで回る予定ですが、やっぱりパリてマストですか?
    いまバルセロナからマルセイユかリヨンに飛行機でINの予定なんですが、
    日数的にはドイツメインにしたいので、パリまで回るとちょっと時間が足りないのかな~と思いまして。
    あとラトゥーレットは工事中だそうですが、外観だけでも意味はありますでしょうか?
    ドイツに関して、一番のおすすめはどこでしょうか?あとバーゼルにも行かれたようですが、
    ちょっと回り道でも行く価値はありますでしょうか??
    ロンシャンを見た後、シュトゥットガルトやバーゼル辺りからドイツに入ろうと思っています。
    沢山聞いてしまってすいません。
    自分で決めろ!という感じですが笑、ちょっとでもご意見頂けたらとっても嬉しいです。
    私は去年北欧に行ったのですが、スウェーデンはこれからですよね?
    すっごく良かったので楽しんで下さい。
    中でも森の墓地は凄く綺麗で良かったです。市立図書館もおすすめです。
    あと、おすすめついでですが、中央駅からすぐのslussen(スルッセン)駅の駅前に、美味しい屋台があります。
    イワシのフライのオープンサンドなどが売ってるのですが、お手頃価格で美味しかったので、
    機会があれば是非立ち寄ってみる事をおすすめします。
    大変長くなりました。
    気が向いたときにご返信頂けると嬉しいです。
    道中気をつけて下さい。素敵な旅を。

  2. 松本 says:

    >39さん
    どうもはじめまして。書き込み39です。
    こういうお役に立てるのはこれを書いている目的の一つでもあるので、うれしいです。
    さて、本題は長くなりそうなのでメールにて返信させてもらいました。
    スウェーデン、森の墓地は個人ガイドが高すぎて外観のみになりそうですが、
    イワシサンドは魚を随分食べていないので、かなり楽しみにしておきます。
    ではではお気を付けて。良い旅を!

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