106日目 100422 COPENHAGEN



7時起床。昨夜は予想通り同室の若い四人組の男が深夜三時くらいに帰ってきてうるさく目を覚まされてしまった。言葉がわからないのでデンマーク人かと思う。本当に、20歳以下は親同伴以外での旅行を全世界的に禁止してほしい。もしくはバカは全員軍隊に入れて欲しい。ヨーロッパに入ってからどこの国も若いのはstupidばかり。あと電車内に警官でも立てて若いバカを大人しくさせてほしい。そういえばインドやイスラム圏では電車や宿でバカ(騒ぎ)を見た覚えがない。朝食をたっぷり食べてバックパックは宿のロッカーに預け8時半頃出発。4時前にオーフス行きのバスなので、それまでSのA線沿線にある建物三つをまとめて見てまわる。

まずは一番遠いUzonの教会へ。

 

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Bagsvaerd Church
Jorn Utzon
1976
Taxvej 14-16,2880 Bagsvaerd,Denmark

■S-togのA-line,Bagsvaerd駅下車、駅の南側に東西に走る大通りを西へ歩くとすぐに左手に道路脇に大きなこの教会が見えてきます。徒歩5分くらい。
■0900-1600、無休。違う入り口から入ったため別の入り口にある撮影禁止の看板を最後まで気づかず。。。。が、教会の人にも何も言われませんでしたが。
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地図で見ていると奥まったところにありそうだが、主要道路脇だった。思っていたよりかなり大きい。
入り口と書いてあるところから入る。教会の人が見えたので見せてもらえるか訊こうとしたら、その前に手招きでOKと言ってくれる。訪れる人が多いのだろう。すぐ後からも団体客が来ていた。

天井高の変化が激しい。通路部分は2160くらいしかないのに身廊部分は低いところで2600、高いところで13mもある。
頂点のハイサイドライトは西向きだが午前でも十分明るい。この上昇感でゴシック聖堂のような崇高感を代替しているのだろうか。



側廊部分はトップライトが設けられ、どこもかなり明るい。


柱が細い。250角。RCなのに。薄い袖壁は80しかない。日本の最薄はシングル配筋で90だったと思うが超えている。大丈夫なのかな?


白い空間に真っ青のタイルやタペストリーがとてもきれいに映えている。ヤコブセンやアアルトのようなディテールに唸るところはなかったが、とても気持ちの良い教会だった。

駅に戻り電車で数駅戻る。

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Munkegord  skole
Arne Jacobsen
1958
Vangedevej 178,2870 Dyssegord

■S-tog,A-linie,Vangede駅下車、駅を出て大通りを南へ徒歩五分。右手(西側)に見えてきます。バスケットコートが目印です。
■Kontrolというところが事務所らしく、快く入れてくれ、プランもくれました。日本の学校からするとなんとオープンな!とちょっと驚き。
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駅からとぼとぼ歩くと普通の住宅街に紛れそうなくらいひっそりと小学校があった。道路側は平屋棟(敷地に高低差があるのもある)のみなのでバスケットコートがなかったら危うく見逃すところだった。

 

入り口がわからず、とりあえず近づいていくといつの間にか敷地内に入っていた。日本のように仰々しい門がない。アクセスもそこら中からできてセキュリティがゆるいのがいい感じ。昼休みなのかなんなのか、子供が走り回っている。中庭でボールを蹴っている子供二人にあいさつするとちゃんと英語で返ってくる。勝手には中に入りづらいなぁと職員室を探すと、kontrolという部屋があった。尋ねると快くOKしてくれ、プランのコピーまでくれる。特に入館手続きも何もないのがすごい。

これで安心して中を廻る。ヤコブセンの建てた学校の隣の地下に新しい施設が出来ていた(建築家を聞き忘れました)。2000年以降っぽいデザイン。

ヤコブセンの旧棟はグリッド状のプランで、廊下が縦に走り、その間に教室と中庭が交互に入っている。なのでどこからでも外に出ることが出来、経路がどうにでも行ける。子供心にすごく楽しそうなプラン。低学年から高学年まで一応ゾーン分けはされているが、これなら普通に混じる。

廊下は低いところで1900とかなり子供サイズの天井高設定。廊下は暗いが、教室はハイサイドライトも掃き出し窓もあり明るい。中庭→廊下→教室前の荷物置き兼デスクのあるアルコーブ的な場所→教室→教室、と繋がっている。とてもスケール感が良い。天井高の操作が気持ちよい。開口部の開け方もすばらしい。

敷地内には2階建ての棟が最高で(そこに音楽室や工具室など特別教室群が入っている)、体育館も半分地下に埋めることで高さを抑えていた。おかげで圧迫感が全くない。校庭も広いししかも芝生!すばらしい!サッカーがしたい!写真で有名なキャンチ階段は校庭側にある。結構な薄さで持ち出しているが全然揺れない。

授業がないのか何なのか、子供はずっと教室なり中庭なりで遊び回っていた。時節大人にも出会うが皆先生なのか親なのかよくわからないが、授業はほとんどみかけなかった。たまたま行った時間が良かったのか何なのか。ディテールは凝ってはいない印象だが、スケールや開口部の操作がとても巧く気持ちの良さが印象に残った。

また駅から電車で二駅。

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Grundtving church
P.V.Jensen-Klint
1940
P? Bjerget 14b,2400 Copenhagen,Denmark

■S-tog,Linie A,Emdrup下車、駅前の大通りを南西へ。二つ目のBispebjergvegj通りを西へ曲がると、曲がったところから見えてきます。ただこの往き道は裏側からのアプローチです。本来の参道は西側からのようです。市内のコペンハーゲン市庁舎前からバス6AでEmdrup Torvあたりで降りても行けるとツーリストインフォで教えてくれました。そちらからだとおそらく西からのアプローチになると思います。徒歩15分程度。

■開館時間わからず。無料(寄付)。撮影可能。
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インフォで訊いた行き方はバスだったが地図で見ると駅からも歩いて行けそうなので行ってみる。すぐに遠くに教会の頭が見えてくる。かなり大きい。写真でみていたアプローチは並木道だったが、どうやら逆側から近づいているらしい。

ぐるっと回り込んで正面に着く。ファサードから間違いない感じがする。扉周りの煉瓦の貼り方(積んでないはず)も、扉自体の意匠も良い。振り返るととても背の高い並木道がある。昔菊池浩さんが訪問記で並木と教会の形態の類似を指摘していたのを思い出す。まさしく!。

扉を開けて入る。前室があってから身廊に入ると一気に高い空間に入る。圧倒的。

空間のプロポーション的にはゴシックだと思うのだけれど(身廊の後ろにフライングバットレスもあった)、印象が随分違う。柔らかい。ごてごてした装飾的なステンドグラスや柱、柱頭の装飾がないからか。側廊で12m、身廊で21.5m。床と壁の煉瓦は似ているがフィニッシュが違う。床は若干釉薬が塗られている感じ。掃除のためか。

煉瓦が積まれていない、ということを暗示するかのような貼り方を柱の足下なり、アーチの根本なりリブなりで表現している。積んでいるとこうはならないはず。柔らかい印象はこの煉瓦の色彩とテクスチャ、装飾のなさと光の入り方によるものだと思う。


また、ペーパーコードの椅子がとても良くできている。曲げ木の見事なプロポーション。
ちょうどパイプオルガンの練習(ポスターによると今夜コンサートがあるらしい)をしていたので、その音の響きも心地よかった。
今まで見た近代より前の教会より全然良い、と感じるのは自分がクリスチャンでないからだろうか。

今日は全て入館情報がわからなかったにも関わらず、運良く全て予定通り見ることが出来た。上出来。宿へ電車で戻り荷物をピックアップ。メールだけロビーでチェックして出発。Valby駅へ。ここからAarhus行きの予約しているバスLinie888が発車するらしい。駅を下りトンネルをくぐり南側へ出ると、これでもかというくらい多くの888と書いたバス停がある。ここらしい。少しまだ時間があるのでコーヒーでも買おうと店を探しにまた北側へトンネルをくぐってもどるも、どの店も高い。結局コーラだけ買う。バスは予定通り到着。車内で運賃を払う。客が多いのか同じ4台ほど同じ経路で向かうようだ。

バスは延々草原を走る。デンマークものどかな豊かな風景。放牧されている馬をよく見た。バスにはカーテンが付いておらず西日が暑い。2時間ほど走ってフェリーに乗り込む。これも船乗りルートだった。相変わらずアナウンスがデンマーク語で全くわからないが、もう馴れてあまり心配しなくなった。要は着けば戻ってくればいいだけ。船はやけに快適な椅子。

船が着くとそこは既にほぼオーフス。バスに乗って10分くらいで到着。予定時刻通り。めずらしい。夕暮れの中歩いて宿へ。city sleep-in。ターミナルから歩いて15分ほど。9時以降はレセプションが閉まるので注意。無線LAN可能。朝食なし。内部は迷路のように結構広い。キッチンはやけに広く備品も整っている。チェックイン時にスーパーの場所を訊いたらちょっと遠い。(あとでわかったが駅前のスーパー、市庁舎の西、美術館への往き道にあり、は21時までやっている)。疲れもあったので、近くですますことに。散策するとこのあたりは若者街、クラブ街のようで安そう。イタリア並みに安いピザがあり、ソーセージと一緒に注文して食べる。予想外に結構美味しい。

部屋に戻ると同室はデンマーク人。コペンから来ているらしい。もう寝るというので電気を消してダイニングへ行き、作業。0時半就寝。



One Response to this post

  1. [...] 106日目まではそのように出来ていますが、それ以降はとりあえず当時同様、冒頭に写真をドバッとアップ、と割り切った次第です。 追って順次、入れ替えて行きます、たぶん。。 Category: ordinary  ,with No Comments    |    2018_Room in Mikage / older >> [...]

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