97日目 100413 PRAHA



8時過ぎ起床。昨日買っておいたパンを食べるも外れ。チェコ語がまったくわからないのでパッケージに賭けたが負けてしまった。しょうがなく果物でごまかす。少し調べ物をしてから10時過ぎ出発。まずは最寄りのダンシングビルへ。

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Dancing building (Nationale Nederlanden)
Frank Gehry
1996
Ra??novo N?bre?? 80,120 00 Prague,Czech Republic
(文字化けしていますが、googlemapにも載っているのでdancing buildingで検索すれば出てきます)

■Karlovo namesti駅から徒歩5分。
■普通のオフィスビルなので入れません。最上階にレストランのテラスがありますが、ビル入り口のただし書きには毎日16-18時のみレストランの客なら上がれる、とありました。
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これが予想外にいい。力学的な形でないのに美しく感じる。ウィーンのガイドブックに、フンデルトワッサーをウィーンのガウディと紹介してたのを見て、それはないだろう(構造力学美がないから)と思ったが、ゲーリーは現代アメリカのガウディと言えると思う。

ガラスカーテンウォールをよく見ると、鉄骨方建から二段階に持ち出して、ガラスを留めている。おそらくこれによって少々の挙動は吸収できるようになっていそう。賢い。かつ、その分方建から持ち出されているので、よりガラスが独立して見え、鱗のように見える。RC棟も、壁面にラインが描いてあるのか?と近づいてみると、壁面が段々にせり出してきていることによる影だった。高さ方向の傾斜をガラスと同じように処理した上で、開口部はそこに別のものがくっついたように扱っている。うーん、巧い。巧く説明できないのが悔しいけれど良い。全然やりすぎた感もない。

すぐ隣の橋を渡ってみる。ここもブダペストと同じように橋がいくつも架かっている。街の構造がよく似ている(旧市街と新市街の位置関係は違うけれど)。夕方四時のミュラー邸のアポイントまで時間があるので、少し街を歩いてみる。ガイドブックもプラハは交通と宿しか持ってこなかったので、地図を見て地下鉄で旧市街へ行ってみる。地下鉄の駅もデザインが面白い。何というか、ロシアっぽいデザイン。旧市街の中心、市庁舎前に行くと人だかりが出来ている。見上げると塔の上で新郎新婦が結婚式を挙げている。街のど真ん中の公共の建物(だと思う)で。車の飾り付けがかわいい。

カレル橋を渡り、川の向こうに見える城に行きたいと思うも、時間が足りなさそうなので断念。安全を見て少し早めにミュラー邸へ向かう。案の定、駅からトラム乗り場で少し迷う。

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Muller house
Adolf Loos
1930
Nad Hradn?m vodojemem 14,162 00 Prague,Czech Republic

■トラムno.1 or 18のorĕchovka下車、降りると目の前にあります。で、そのトラムですが、ミュラー邸ホームページの案内には地下鉄A線のHrad?ansk?下車、トラムNo.1 or 18とありますが、まず駅からトラム駅がちょっと遠い(駅構内からtramの表示があるので一応行けますがわかりにくい)かつ、No.18はここには停まりません。自分はこの経路でNo.1で向かいましたが、帰りはNo.18に乗ってみると、多くのメトロ駅に繋がっていました。宿最寄りのKarlovo Namesti駅へも直通で行けます。乗り場は駅前アルバートハインの向かいにあります。こっちの方が早いし乗り継ぎないのでお勧めです。トラムはどちらも10分おきくらいにあります。帰りの路線で片道25分程度です。

■見学には予約が必要です。ミュラー邸ホームページより希望日候補のメールを送ります。英語ツアーを希望すると、いついつなら英語ツアーがある、と教えてくれました。ツアー300czk+English tour 100czk、内部写真を撮るにはもう4000czkを支払う必要があります。(およそ2万円!)。ツアーのみでしか内部は見れません。1000-1600まで二時間おきにありますが、季節などにより変更あるのでホームページから問い合わせてチェックをお勧めします。また、売店でミュラー邸関係の本の品揃えがすばらしく、また普通の本屋で買うより安いらしいので、チェココルナを多めに用意されて行くことをお勧めします。
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なんとか到着。駅からの行き方を調べていなかったので、誰かに聞こうかと思っていたが、見上げるとすぐ目の前にあった。チャイムを押して予約している旨を告げると開けてくれる。入るとまだ他の人が来ていないらしく少し待つ。写真料金を払うくらいなら作品集が十分買える。

四時過ぎに全員が揃う。イギリス人?の建築学生二人、ドイツ人の美術史学生一人、オーストリア人のおばさん二人、日本人自分の計6人。ガイドのおばさん(おばあさん)は、とてもゆっくりとした英語で説明してくれるので助かる。何度も大丈夫?わかる?と確認してくれる。

ミュラー邸は一言で言うと豪邸。敷地はこちらの家にしてはそれほど広くない(日本で見れば十分広いが)が、仕上げや家具に使われている材料は希少品ばかり。ロースのいう装飾とは紋様やオーナメントを指すようだ。ある見方からすれば、ここまで仕上げに凝っていること自体が装飾的だとも言える。加えて、外部窓枠やカーテンはイエロー、設備配管や暖房器具は赤というように機能別に色が決められている。またそれ以外にも部屋の位置や昨日によって仕上げが使い分けられている。解説にもあったが、使う人の立場に立って、そこに居る感触を想像して丁寧に作られている。ロースはワグナーのような家具調度まで全て建築家がデザインすることに批判的で、家具はミースのテューゲンハット邸も手がけた がデザインしている。

この大きくない家でスラブが12枚も!あるらしいが、それほど各部屋で(一部部屋の中でも)段差が設けられている。それぞれの部屋は小さいが、電車のコンパートメントのようにとても機能的に作られている。使い勝手は良さそう。長い階段で階を変わるというより、それぞれの部屋を移る際にちょっとずつ階段があるため、逆にあまり部屋同士の遠さを感じない。これは意外。
最上階に畳の部屋があったのには少し驚いた。ピンクの畳。やはり靴で上がるのは抵抗感がある。提灯や浮世絵なども飾られている。

ツアー後、本を物色して後にする。たっぷり1時間ちょっとのツアーだった。ガイドのおばあさんに重々お礼を言う。

帰りはトラム18一本で宿の最寄り駅まで帰れることがわかり、それでまっすぐ帰る。仕事を片付けなければならない。昨日と同じスーパーで買い物をし、6時前戻る。作業。なんとかフィンランドまでは一通りスケジュールを決め、宿にオファーをし、必要な長距離切符を買う目処が付く。やはり北欧も春に入り1週間以上前でも安宿はどこも埋まり気味。1時頃就寝。



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