91日目 100407 MUNICH



7時起床。身支度も早々に、下に降りてドイツの列車予約などこなす。ケルンに居るときは気づかなかったが、どうやらDBもフランスTGVのように早割があるようで、どういう区分が知らないが、e-ticketでプリントアウトすればOKなチケットと、郵送でしか送ってくれないチケットとある。値段はおよそ40%引きくらいなので、乗る列車が決められていればかなりお得。

郵送でしか対応してないプラハからベルリンまでのチケットを訊きに歩いて駅へ向かう。窓口で訊く前にちらっと自動販売機を調べてみると、specializeみたいなカテゴリーがあり、自販機で早割を買えることが判明。地球の歩き方にも書いておいてくれたらいいのに。無事全て購入完了。これでコペンハーゲンまでは交通と宿は全て押さえられた。

次に駅前の郵便局に行って、2kg前後の本や書類の発送料金を教えてもらう。2kg以下で13.9eと思ったより安い。本だけだと1kg以下ならよりお得な料金設定があるが確実に2kgは行くので今回は関係ない。

昼前に帰ってきてメールをチェックすると、思いの外早く訪問のアポイントメールを投げたゲーツギャラリーから返事が帰ってきている。今は展示替えのため閉館中で訪問できないとのこと。残念。メールが返ってこないだろう、と電話確認をお願いしていたWに急いでメールを転送する。(夜に返事が来て、その後も電話で何度かプッシュしてくれたらしいがやはりだめだったらしい。本当に感謝のしようがない)。ハウスシュミンケとバウハウスはどちらも宿泊OKの返事が昨夜来たので、こちらはよかった。

ロッカーが部屋にあるので、リュックは全て預けて天気もいいので身軽になり、建物探訪探訪へ向かう。

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U-Bahnhof Westfriedhof
Auer+Weber+Ingo Maurer
2001
Westfriedhof,80992 Munich,Germany

■地下鉄U1の駅、中央駅Hbfから5つ目です。
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原理はコルビュジェのラトゥーレットの礼拝堂のトップライトと同じ(の日光でなく蛍光灯版)なのだが、上部の青い照明がとても効いている。お金も掛けず単純な仕掛けなのだが、とても巧い。後に出てくる柱が青い駅ももしかしたらインゴマウラーかもしれないが、とても巧い。

そのまま地下鉄を乗り継いでBMWへ。

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BMW Welt
Coop Himmelb(l)au
2007 “Am Olympiapark 1,80809 Munich,Germany

■地下鉄U3のOlympiazentrum駅降りて目の前です。
■Weltのみコープヒンメルブラウです。ツアーが毎時あるとホームページには書いてあったのですが、着いて訊いたら2時前で既に売り切れと言われました。ちょっとよくわからない。けれどツアーでなくともほぼ全て無料で見て回れます。
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どこから取り付いたらいいのかわからないが、すごいことはすごい。よく見ると屋根のボリュームが上下反転した水面のように見える。売店に置いてあった本にはエル・リシツキーのスケッチがリファレンスに挙げられていた。外部の美術館への連絡橋のデザインがとても巧い。展望台のところの膨らみが、矩形がひねられた形になっている。動作(日本語が違う気がするが)が認識できるかどうかで、自分にとっての判断ラインがあるように思う。

このあたりは大きな公園になっていて湖もありボートも出来る。見ると桜のような(たぶん違う)花が咲いている気があったので、あまりにも天気がよいので、芝生に寝転んで少し昼寝。こんなに天気がいいのにあくせく建物を見回るのは間違っている気がする。

ぼちぼち隣のフライオットーのオリンピックスタジアムへ向かう。

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Olympic Stadium Munich
Frei Otto
1972
Spiridon-Louis-Ring 21,80809 Munich,GermanyOlympic Stadium Munich

■BMWと同じ駅です。サイン多数あり。
■スタジアムは入場に2e。屋根に登れるツアーもあるようですが、聞き忘れました。
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屋根はガラスかと思ったら触るとアクリルだった。劣化しないものなのだなぁ。白化するはずなのに。テンションとストレスによる曲線がとても美しい。そうか、ヒンメルブラウはこの屋根からもインスピレーションを得ているのだな、と今更気づく。隣にあるのだから見ていないはずはない。ホールは工事中だがプールは普通に現役で使われていた。一部新規で建物を増築工事中。スタジアムに入る。今はシルク・ド・ソレイユの期間らしい。帰ったらどの部材が引っ張りと圧縮になっているかの図を見直したい。

湖近くで休憩してから、地下鉄にのりダウンタウンへ向かう。Odeonplatzを降りると一気に街中。とても賑やか。多くの人が平日なのにテラスでお茶をしている。そこら中にテラス席が出ていていい感じ。もう半袖の人も多く見かける。春が来た。

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Funf Hofe five business passage
Herzog and De Meuron, Burger + Tischer Landschaftsarchitekten, Hilmer & Sattler and Albrecht, Ivano Gianola
2003
Theatinerstrasse 14,80333 Munich,Germany

■地下鉄U6などのOdeonplatzもしくはMaleonplatzが最寄りですが、中央駅から歩いても行けます。
■モールなので、お店の開いている時間中は少なくともいつでも入れると思います。
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とりあえず一通りお店を物色。カンペールでいい靴があり、持って帰れないのにひどく迷ったりする。無印良品がケルンに続き、ここにもあった。ドイツでは結構展開されているのかな?見慣れたアイテムに混じり、タグが違う英語圏オンリーの商品がいくつか見受けられる。ロストバゲッジ対策に、とネームカードを購入。

隣にMAGAZINというセレクトショップがある。これがすばらしい!家具から照明から文具からカトラリーまで取りそろえているが、結構この手のお店は日本でも見ているけれど、断トツのセレクト。FRAITAGの鞄もずらりと揃えられている。興奮と欲望を抑えながら端から端まで店内を見て回る。見たことのない商品がいっぱい、に混じって見たことのない日本製の雑貨もいくつかある。すごい選択眼と視野の広さ。建築そっちのけで物色。少しだけ購入。カタログを見るとケルンなどドイツに四店舗あるらしい。

気を取り直して建物を回る。本当によく調整したなぁという感じ。建物と建物、建物の1階などをうまく繋げてひとつのショッピングモールにしている。通りごとに雰囲気が変えられていてとても巧い。最近作の中ではvitraに続き、写真よりいい感じ。1階路面店舗は全てウィンドウがSSGのガラスファサードになっているため、中がどんなでもきれいに見える。水玉(というか穴ぽこぽこ)をモチーフにそれが外壁建具のパンチングになったり、内部壁面のガラス丸板貼り(どうやって施工しているのだろう?吹きつけ面にガラスの丸い板が埋め込まれている)になったり。それぞれのデザインモチーフに脈絡は無いように見えるが、とても巧くいっている。

入っているギャラリーのペインティング作品が目にとまる。外からじっと見続けてあまりにもよいので中に入ってカタログがないか訊いたら、既に最後の一冊で売れない、と言われてしまう。Gisela Krohnというベルリン在住のペインターらしい。1966年だから10くらいしか変わらない。印象派的アプローチだが、現実よりもきれい。一枚買いたいと思うくらい良かった。

一通り見て歩いてホステルへ戻る。明日本など荷物を発送するため、ロストバゲッジ後新しくスイスで購入したDVD ドライブでバックアップデータディスクを作成し、荷造り。その後、今日着いた同室のアメリカ人がバーに居るから、と言っていたので行ってみると、一人は既に部屋に戻っていたが、もう一人のアメリカ人は居たので一緒にビールで乾杯。アメリカ英語は確かに結構違う気がする。23の若者で三週間の旅行に来ているらしい。ちょうど大学を卒業したところだが、まだ職が見つかっておらず帰ってから大変だ、と言っていた。どこも同じだ。結局バーの閉まる2時過ぎまで色々放しながら飲んで、部屋に戻る。たまにはこういうのもいい。2時半就寝。



2 Responses to this post

  1. ami.S says:

    心に響く出会い~建築・景色だけでなく、人にも~しながら、旅をすすめていますね。
    元気そうな姿が、目にうかびます。
    ミュンヘンの写真を見てて、行きたくなってしまいました…。
    季節は、春だし、気持いい風にもあたりながら、古きよきものと新しい技術の建物の
    ある街を思い存分歩いてきてください♪
    今、北陸は桜満開。先日、金沢の21世紀美術館に行ってきて、心地いい気分になりました。
    ここの建築家が賞をとられたのも、きっとこういう気持を来場者に感じてもらうよう、熟考された結果なのだろうな…と。
    たかしくんの今回の旅も、ずっと後になって、エッセンスになると思います。
    道中気をつけて。感動体験をどんどん積み重ねてね♪

  2. たかし says:

    コメントありがとう。おかげさまで元気にしています。
    ミュンヘンはスイスの山間から来たからか、
    とても都会に感じました。
    その割には公園が市内に多くあり、気持ちよかったよ。
    まだまだ道中半分も行っていないので、気を引き締めていきます!

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