89日目 100405 CHUR – FLIMUS – CHUR



0800起床。昨日のトルコ人の女の子は既に早朝Sumvitzに向かったよう。朝食に降りるとダイニングは全て中国人だった。ここは日本の地球の歩き方には載っていなかったが、中国のガイドブックに載っているからなのだろうか。朝食後作業。

1100出発、駅前の郵便局で保険書類の発送料金などを調べようと思ったが今日までどこも休み。明日にまわしてフリムスに向かう。バスの乗り場は駅前でなく、ホーム上部にあるポストバス乗り場からだった。ちょっと迷う。

バスに乗って20分ほどでFlims dorf post着。歩いてすぐにオルジアティのアトリエが見える。

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Studio Olgiati
Valerio Olgiati
2008
Via Stretga 1  7017 Flims

■Churからバスで20分、Flims dorf postで下車。バスは一時間に約一本。バスの通ってきた大きな道を西に行くと、すぐに右手=北側に見えてきます。
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スカイハウスのようにRC柱4本でスラブを持ち上げ、下をガレージに、上に木造二階建てのアトリエを作っている。柱が本当に?と思うくらい細い。東西と南北ではメンバーが違う。わざと50ほどスラブの端部とずらしていることで、「載っている」感が強くなっている。うまい!

900くらいありそうなすごいスラブ、と思ったら展覧会に展示してあった実施図を見ると梁厚だった。スラブはおなじくコンクリ製の塀と30ほどのスリットを切っており、あくまで建物は独立している、ように見せている。外壁の羽目板の貼り方も興味深い、普通横か縦で揃える所を、開口部上端部で切り替えている。とても変、だけどおもしろい。入り口扉周りの羽目板の割り付け方もとても巧い。割り付け幅をランダムにすることで、側壁と建具の境界がわからなくなっている。

たまたまブラインドも何もかかっていなかったので、中がよく見える。事務所はとてもきれいに片付けられている。PC(全てapple)の数からオルジャティも含めて7人くらいのスタッフのよう。にしてもきれいすぎる。模型もいくつか机の上にあるが、他に倉庫があるのだろうか?作られたっぽい机の天板の厚みがオルジアティの建築をよく物語っている。

トップライトの下にある2階への階段が美しい。図面では柱外壁は木造になっているが、中央のスタッフ用?螺旋階段のチューブはRCだったので、スラブとこの階段まではRCなのだろうか。木床の上にRC打ち放しのの階段が載っているように見えてとても不思議な見え方になっている。2階スラブの書き込みも三角形で、よく思いつくなぁと感心。2Gのリファレンスにも入っていたイサムノグチの明かりが三つほど見える。

次に道沿いに歩いた先にある美術館へ。

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Das Gelbe Haus
Valerio Olgiati
1999
Via Nova 37 7017 Flims

■おなじくアトリエ前の道路をそのまま西に歩いて行くと2,3分で右手に見えてきます。
■月曜休み。1400-1700。8e。内部撮影OK。
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20年ほどうち捨てられていた通称yellow houseと呼ばれる黄色い外壁だった家を改装して美術館にしたもの。開口部周りを一度取り除いてからモルタルで埋めて?その上から全てを白塗装している外壁が、既存のテクスチャを巧く浮かび上がらせていて面白い。エントランスもRC躯体が後からくっつけられたようになっている。この壁をふかす、というのは思いつきそうで思い付かない気がする。まだ開いていないので、先に周辺にいっぱいある父のRudlf Olgiatiの建築を見て回る。

Wがコピーをくれたのだが、これはこの展覧会のサイトからダウンロードできるのかな?(展覧会の受付にも置いてあったので)、How to get to Olgiatiという、父と子の建築をプロットした地図を片手に歩く。のどかで天気も晴れてきて気持ちいい。


パパオルジャッティの建築は息子とは随分違う印象。エントランスに多く用いられている不思議な曲線や、コーナーの開口部のやけに太い丸柱がユーモラスでかわいい。どれも道路側の開口部は小さいが庭に対しては開かれている。

そろそろ美術館が開く2時頃なので戻る。ちょうど今、Rudlf Olgiati + Valerio Olgiatiの展覧会を11日までやっている。
展示は1階に壁面に父と子の年表を写真と共に展示、2階をRudlf、3階をValerioと充てている。現在アトリエが建っている隣の家が父Rudlfの代からの住まいで今はValerioの家らしく、そのプランの移り変わりを各階の壁面に図面と写真を通じて展示し、真ん中のテーブルにはそれぞれのリファレンスやスケッチ、図面を少し展示している。

おそらく写真は全て作品集からの転用だし、模型や図面もETHで開かれていた展覧会と同じものだが、自分は初めて見るのでおもしろい。

最上階の中央柱が屋根の頂点に向けて斜めに向かっているのは元々そうだったのを発見して現したのだろうか。

個人的にはアトリエとPaspelの学校が、外からだけでも見れてとてもよかった。彼は建築の重さをよくわかっている。得体の知れない感触が篠原一男の建築と似た印象。

バスでまたChurに戻り、駅前の美術館連絡通路by Zumthorを見て、夕食を買い宿へ戻る。

今日も部屋には一人らしい。保険の申請書類や溜まったログのアップ、先の予約など、作業を4時間ほどした後、少し休もうと横になり、疲れが溜まっているのかそのまま部屋の電気も点けたまま寝てしまう。22時就寝。



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