0710起床。ダイニングに降りて朝食を昨夜知り合った方と一緒に食べる。なぜかこのホステルは中国人が多い。他、夜遊びするために来ていそうな若者が多く、少々うるさい。

準備をして0820出発。まずは一緒にズントーのアトリエなどのある隣の駅Haidensteinへ向かう。
駅へ行き、tourist infoで地図をもらう。日本語の地図があることからここも日本人がよく来るのだろうか。

駅からはAさんが出力して持ってこられていた地図を見ながら向かうも結構迷う。おかげで色々ととても凝った建物が見れてよかった。特に洗い出しのような外壁の集合住宅は外壁の仕上げをどのように施工しているのかわからずおもしろい。


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Atelier Zumthor
Peter Zumtor
1986
Suesswinggel 20,7023 Haldenstein,Switzerland

■ChurからHeidensteinへは電車で6分、駅前からのバスで15分ほど。電車は一時間に一本、バスはもっとあります。駅を降りて北側へ、googlemapで地図を出していっても結構迷いました。詳細に出力して持って行くことをお勧めします。
■向かいにあるのはズントー自邸らしいです。辿り着くまでにも写真のような興味深い住宅がいくつかありました。
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30分くらい歩いて辿り着いたアトリエはさすが。24mm角の長さの違う木材を継いで(わざわざ継いでいるところがすごい)、

金物で裏から留めている模様。パネル化してその金物を壁面下地に留めているのだろうか。エントランスはSt黒皮PLを曲げ加工して制作しているようなのだが、継ぎ目がまったくわからない。不思議。周辺の建物と同じような木材仕上げを使いながら、わざとケラバや軒を出さずにモダンに寄っているところがズントーらしいバランス感覚に思う。

隣の自宅は庭師さんが庭の手入れをしている。外壁のコンクリートは、型枠に目の細かいネットをタッカーで留めたもので打設したようなテクスチャ。光が当たったときにマットな質感を出したかったのだろうか。

次に駅の南東側にある老人ホーム?へ。

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Residential home for the elderly
Peter Zumtor
1993
Cadonaustr. 71-75,Chur, Graub?nden,Switzerland

■駅を出た道を東に歩き高速道路を越えると駅の南側に抜ける道が出てきます。すぐにロータリーに当たるので、そこの小さな私道のような道をまっすぐずんずん登っていくと左手にあります。mimoa情報ではchurからバス4番でdirection Altersheim行きに乗り、  Cadonaustrで降りて少し歩くと辿り着くそうです。
■小道から道路に入る所にツーリスト進入禁止、とあります。
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とても気持ちよさそうな老人ホーム。ちょうどイースター連休中のためか、誰も人がいない。家に帰っているのか。おかげで外からだけでも見ることができる。外壁のトラバーチンは水平方向はランダムに割り付けられ、基壇のコンクリもわざと目地をずらされている。トラバーチンと木、コンクリの経年変化を経た上での色合いがとてもマッチしている。トラバーチンの外壁下端にはちゃんと水抜き穴が設けられている。仕事が細かい。

駅近くからバスに乗りクールへ戻る。インフォでローマンシェルターは明日明後日でも見れることがわかったので先にDAVOSへ向かうことにする。

電車を乗り継いでDavosplats駅へ。目指すキルヒナー美術館は一つ手前の駅のDavos dorfとのちょうど間にある。

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Kirchner museum
Gigon&Guyer
1992
Ernst Ludwig Kirchner Platz,7270 Davos Platz

■Davosplats or Davosdorf駅下車。自分は前者で降りました。駅を出て北側の道、Rassauttuz通りを登りそのまま道なりにPromnade通りに入ってまっすぐ歩いて行くと右手にあります。もしくは駅前の道、Talstrasseをまっすぐ東に歩いていくと、左手に同じくギゴンのスポーツ施設が見えてくるので、そこを左(北)に曲がるとすぐに丘の上に美術館が見えます。ちなみにギゴンのスポーツ施設にはツーリストインフォも入っており地図ももらえます。
■12chf。1000-1800。展示内容はキルヒナー氏の作品のみであまり広くはありません。内部撮影はOKフラッシュ禁止。
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荷物をロッカーに預け入る。結論から言えば、安藤忠雄さんとはまた違う、目地の美学を見た感じ。

床や壁、天井の目地や型枠目地、配線ダクトの埋め込み目地がすべてそろっている。最も不思議なのは、展示室以外の廊下が床壁天井すべてコンクリート(とモルタル)なのに、全然しんどくも、ハードにも感じないこと。天井高も2930しかないのに。

廊下のエンドが全て全面開口になっていること、展示室からの光がそれぞれの入り口から漏れていること、床と壁の切れ目が、床を排水構のように30ほど下げていること、また型枠のセパ穴が(どうやっているのかわからないけれど)型枠一枚につき一つしかない=とても少ない、からだと思う。

展示室も天井裏にロフトがとれそうなほどの高さのライトボックスを設けており、トップライトでなくハイサイドライトでそこに光をバウンドさせて展示室のガラス天井に落としているため、均一な明かりになっている。床と壁の取り合い部には四周に幅30の給気+パンチングメタルの(真鍮?)のカバー、天井と壁の取り合いにも廊下側の壁上部に30程度の排気溝が取られている。とても細くスマート。おそらく配線ダクトの溝と寸法が合っていそう。展示室入り口の開口枠もスチール黒皮で、これがあることでコンクリだけの開口部よりもシャープに感じる。

外壁のガラスは耐候性と意匠的な理由だけだろうか?上部ハイサイドライト(内側におそらく電動のブラインドがありそれで展示室への調光をしている模様)と仕上げを連続させてjひとつのボリュームに見せたいという理由からろうか?ショップにあった作品集に載っている矩計図を見るとガラスがあり空気層があり、もう断熱材とコンクリ躯体となっている。HdeMの建築もそうだが、スイスの建築はボリュームに見せるための外装に結構な費用をかけているように感じる。それをどう施主に説得しているのだろう?

総じてとても丁寧にコントロールされている印象。トイレもちゃんと作っていた。どうしてこれがあんな交通博物館を作るのかよくわからない。

歩いて駅まで戻り夕方にホステルに戻る。6ベッドルームに今夜は自分一人らしい。珍しい。おかげで荷物を広げて思う存分整理できた。どうやらここは紅茶やコーヒーもフリーのようで頂きながらひたすら溜まった作業をこなす。明日がイースター最終日でみな(宿泊はスイス
人が多かった)家に帰ったのだろうか。地下のクラブがうるさい以外はとても静か。誰もいない。2時半就寝。



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