0600起床。昨夜早く寝たので5時に目覚ましをかけたのに寝坊してしまった。シャワーを浴び、少し作業をしてから朝食を食べに降りる。値段だけあってとてもしっかりした朝食をたっぷり食べ、調べ物をしてからホテルのフロントでタクシーを待つ。Wが雪の中歩くのは大変だろうから、とここからズントーの教会まで、タクシーを予約しておいてくれたため。2時間で60chfと少し高いが親切な忠告に素直に従う。

ホテルのフロントが電話してくれた所では運転手が10時と勘違いしていたらしい。来ないはずだ。0920頃乗り込み、車で20分ほどの教会へ。昨夜も少し雪が降ったようで雪景色がとてもきれい。

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St Benedict chapel
Peter Zumtor
1989
Caplutta Sogn Benedetg,Sumvitg,Switzerland

■Disentisの隣の駅Sumvitg-cumpadials駅(無人駅のため緑のボタンを押さないとドアは開かない。帰りもボタン押さないと止まらないので注意)から歩いて50分でも行けます。(当日夜にホステルで会った日本人の方は午後に歩いて行かれていました)あたりは雪景色でも道路は除雪されているので普通の靴でも大丈夫。坂を延々登るのでちょっとハードではあります。
■教会なので年中開いている?鍵はあったので閉められることもあると思うのですが。開館時間などのインフォメーションは書いてありませんでした。
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教会手前の駐車場にタクシーは止まり、ここで待っているから、と歩いてアプローチ。すぐに見えてくる。一面真っ白なのでカメラの露出が合っているのか全くわからない。
外壁の小さい木片の仕上げは周辺の小屋の屋根では同じものを見受けられたが壁には使われていなかった。大きさがいちいちばらばらなのがとても自然な印象を与えてくれる。エントランスの手すり、手すり子からとても気の遣われた形。ケースロックから同じスチール黒皮で作られているハンドルの微妙な曲線がとても繊細で柔らかい印象を与える。ドアはとても厚い。150くらいある。

中は誰もいない。幅6m×奥行き12m、高さ5.7mの空間。ハイサイドライトh=1200だけだがとても明るい。光が回り込んでいる。周知のごとく壁面の銀色はペイントによる。集成材の柱90*175の裏側を見ると白くペイントされている。触ると冷たくスチールっぽい。集成材の柱を欠きこんでFBを埋め込んでいるのか?壁とをつなぐ丸鋼は壁側、柱側とも丸い鋼板で留められているようで、このFBの構造的必要性がよくわからない。帰って調べたい。

ハイサイドライトもスチール?アルミ?のプレートを曲げて三角に加工したものを上下の金物と一体化し、それを上下枠にビス留めしているよう。そうでないとここまでシャープな見付けはできない。

壁と床の接地の仕方も巧い。柱はそのまま土台につながり、その土台の上に床板が張られている。そのため柱と床が縁を切られている。床から柱が立ち上がっているよりも密閉感が薄まる。屋根は棟から軒先へ400ほどの傾斜がついている。ハイサイドライトは対角線上に換気窓が付いているが、どうやって開閉するのかわからない。

椅子の背もたれと膝おきの見付けは、中央で45mm、端部で35mmの先細りとなっている。それにより、ぼてっとした感じにならずに、すっくと終わっている。うまいー、と一人唸る。

一時間ほど見てさすがにしびれを切らせて運転手が見に来たので、それでもそれから10分くらい入り口周りを見てから、車に戻る。駅まで送ってもらうとちょうど予定より一本前の電車に滑り込みで乗り込むことができた。一路valsへ。

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Valse Terme
Peter Zumtor
1996
Hotel Therme,7132 Vals,Switzerland

■Ilanzという駅からバスVals行きに乗り、Vals termeで降ります。IranzはDisentisの東、Churの西。Churからでも日帰りで行けます。Ilanzからはバスで40分くらい。バスはアナウンスもありますし、運転席後ろに時刻表が置いてあるので、それを見てバス停をチェックしてもOKです。間違えなさそう。他の乗客もほとんどがテルメ行きです。バスは片道11.8e。バスを降りて進行方向に少し進むとすぐに緑のvals termeと書いた看板が出てくるのでそれに従い右に登ればすぐに見えます。ちなみに帰りのバス停は行きと反対側の小屋です。自分がちょっと迷ったので。

■予約が必要。自分は40chfでしたが、どういう料金体系かはホームページをご覧ください、ページから予約もできます。1100-2000。それ前後はホテル宿泊客のみの利用となります。またカメラはフロントで預けなければなりません。あと下にも書きましたがレストランがとってもお勧めです。スイスのこの地域価格から見れば少し高い程度ですがすごく美味しい。
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バスを降りてアプローチの階段を登る。ここからテルメの壁面の石が敷かれている。すぐに建物が姿を現す。近くに寄ってみると一応目地は2mmほどある。外部建具の扉は銅板!。換気のための上開き窓はSSGで石面と面一で取り付けられている。框や上框の石が一枚ものなのがおそろしい。雪であまりうろうろできないのであきらめてまずはエントランスへ。

フロントで予約を確認してもらい、お昼を食べようと訊くと上階のホテルにレストランがあるらしいので、一度外に出てホテルのエントランスから入る。他に何もなさそうなので観念してレストランに入る。上品な雰囲気。メニューを見せてもらい、パンとパンプキンスープを注文する。オランダ式。

まずはオードブル(というのでしたっけ?ど忘れして。。。)、数種のスナックにサフランのソースと何かのソース。このソースがすばらしく美味しい。フランス料理のソースのように何がどうなってこの味になるのか複雑でわからない。

次にスープとパン。パンがまたありえないくらい美味しい。外がかりっと香ばしく中は柔らかい。完璧。スープもすごく美味しい。ひまわりの種みたいなものとカボチャ?(歯ごたえ的にはオニオン、だけど味が違う)の刻んだものが入っており、もうすばらしい。とても満足して満腹になる。こんな中途半端なオーダーなのにウェイターもとてもジェントルな接客ですばらしい。これで9chfなら全然安い。もっと他も食べてみたかった。

満足してスパに入る。プラスチック製のコインがキーになっており、それを入り口の改札でかざすと入場。ロッカー(すべてのインフォメーションがドイツ語の みなのがどうにかしてほしい)にはこのコインを入れると施錠でき、帰りは改札にこのコインを投入すると外に出られるシステム。シンプルで無駄がない。着替 えて入場。

入り口の階段からスカルパのように段板の一部が仕上げを荒い研ぎ出しに変えられている。床も壁もすべて同じ石のようだが、意外 と滑らない。皆水着着用で、サンダルやタオルを浴場内まで持ってきてその辺のベンチなどに置いて、入浴していく。日本の感覚からすればロッカーに置いてお けばいいのに、とか思う。習慣の違い。バスローブ。お湯は14℃から42℃まで数種類あるがメインは35℃で日本人からすれば少しぬるく感じる。水深が 163cmの自分で首下くらいまでと結構深い。プールという感じ。泳いでももちろん誰にも怒られない。あと以外とお湯の中で腰掛けられるところが少ない。 ほぼ立ちっぱなし。これも日本の温泉と振る舞い方が随分違う。またほとんどがカップルで来ており、水着でいちゃつくのも日本人の感覚からすると少し恥ずか しい。目のやり場に困る。

建物は石の壁で囲われた四角い小部屋とその外部の大風呂とに分けられる構成。小部屋は温度が違ったり、洞窟のよ うな天井高の高い四方石の空間だったり様々。どこも照明が下からなので天井に写る光がとてもきれい。全体的に思っていたより狭い印象。イースター初日で人 がとても多かったせいもあるのかもしれない。

構造的にスリットで各屋根スラブが切れているのだが、どうなっているのだろう。屋根スラブは厚500くらいありそう。
時計がいくら探してもないので困ってしょうがなくロッカーまで戻ったのだが、実は一カ所、床から立ち上がるパイプの先に小さい時計が付いているところがあったらしい。すごいわかりにくさ。

2 時間弱ほど入って出る。バスと電車を乗り継いでchurへ。駅から宿JBN hostelまで徒歩15分ほど。このホテルもWが予約してくれた。何から何まで頭が上がらない。ここも昨日のホテルも、backpackersという ユース協会とは独立したユースアコモデーションネットワークらしい。イタリアなど都市にはあったが、この手はどこも騒がしい若者で満ちている。まぁ安いの だからしょうがない。

予約している旨を告げると、あれ?一人?と言われる。どうやら三人でしか借りれない三人部屋の一人あたりの料金を見 てWが予約していてくれたようで、違う旨告げると、運良くより安いドミトリーが開いていたのでそこを四泊とる。42chf、スイスはどこも高い。朝食抜き だと35chf。wifiがつながるのが助かる。まとめてアップや調べ物を片付けたい。

夕食後部屋で日本人で自分と同じように建築を巡ら れている同業者の方とお会いする。訊くと今日は自分と逆方向でテルメ→教会と行かれたとのこと。テルメはぎりぎりすれ違いだったよう。風邪をひかれている ので薬などを少しお譲りする。

明日の予定を訊くとズントーのアトリエなど見に行くとのことで、明日は自分も時間に余裕があるので午前中、同行させてもらう ことにする。その後、ダイニングで作業をして1時就寝。



2 Responses to this post

  1. Taeko says:

    お久しぶりです。
    元気に出張を続けられているようで安心しました。
    イースターの休みに久しぶりに日本に帰ってきましたよ。
    大阪から京滋バイパスを通って久御山インターを通ったとき、たかしさんの事を思い出しました。
    これからもいい旅を続けてくださいね!

  2. takashi says:

    おー、帰ってたんですね-。日本に。
    京滋バイパス!なつかしい響き。
    思い出してもらってサンキューです。
    てことは夏には(たしか夏って言ってたような、間違ってたらごめんなさい。記憶が色々入り交じっているので)帰られないのでしょうか。
    元気に出張続けております(笑)
    ipodからはまだたえこさんの歌声は流れてきておりませんよー。

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