84日目 100331 BASEL – LAUSANNE – ZERMATT



0620起床。最後の朝食をWが作ってくれる。今日はクライアントとの打ち合わせや会議などハードな一日だと言っていたのに、出社を(彼はいつも六時半には事務所に着いている)遅らせて朝ご飯を準備してくれた。お礼を言い、次は京都で会おうと握手をして出社を見送る。

急いで食べて荷支度をしてそっと家を出る。アパートの前まで降りるとバルコニーから娘さんが手を振って見送ってくれた。ありがとう、と応えて予定のトラムへ飛び乗る。

バーゼル駅からSANAAのつい先日オープンしたローザンヌ工科大学のロレックスラーニングセンターを見に行く。

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Rolex learning center
SANAA
2010
Route des Noyerettes,1015 Lausanne,Switzerland

■電車でLausanne駅下車、駅からメトロ2番線に乗り一駅のLausanne Flon駅でメトロ1番線に乗り換え、EPFL駅下車。駅を降りるとどちらの出口にも青い大きな「i」の看板があるので、それに沿って行くとインフォメーションがあります。そこで教えてもらうなり、そのままインフォを超えてまっすぐ駅を背にした方向に歩くと左手に見えてきます。

■既にカフェテリア、図書館、などとして開館しており、普通に入れます。図書館も入れます。が、内部撮影は入り口で警備員が張っていて注意していたので不可のようです。
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mimoaや大学ホームページの情報ではメールでのアポイントが必要、とあったのだが、Wが電話で問い合わせてくれたところでは、もうオープンしているので普通に入れます、とのことだった。大学構内のインフォメーションで場所を訊いたときも、別に入ってはだめとも何も言われなかった。

現場はまだ外構工事の最中で、一部仕切りをたててのアプローチとなっている。いやーうねっている。
入るとまずカフェテリアがあったので、サンドイッチとコーヒーでお昼を食べながら様子を見る。やはり写真を撮って注意されているのを見るに内部撮影はだめっぽい。ただ警備員が入り口の一人だけというのも片手落ちな気もする。

食べ終わり、地下のロッカー(南京錠など持っていれば自分で施錠して使用可能という方式)に荷物を預け、身軽になり内部を探検してみる。

予想よりけっこう急な傾斜、それでも一部をのぞき階段でなく傾斜のままとなっている。本当に全てワンルームとなっていて、事務室など管理関係の部屋は天井まで届かない白く(薄い)緩い曲線壁で囲われているだけ。トイレは地下。一部ミーティングルームはガラス張りの円形の部屋となっており、静かな環境を確保している。端っこの方は休憩スペースになっていてクッションがおいてあるのだが、傾斜を利用して床に寝そべっている様は、設計者的にはうれしいだろうなぁと思った。いくつかの箇所にはジグザク状に傾斜を緩和したスロープや身障者用の水平移動式リフトがあった。床は全てニードルカーペット、天井は白塗装?、壁も同様もしくはガラス。床スラブはコンクリ、柱と屋根は鉄骨のよう。

ひとまわりした印象は、どうも息苦しい。なぜかと考えると、外部建具が全て(だと思う)はめ殺しなこと(これはアレッツの図書館でもそうだったけど)、一番大きいのは天井高が低いからだと思う。床と天井の曲率は全て同じでなく、そのため天井高も一定ではないのだが、おおよそ2800くらい、これがちょっときつい。3500くらいあるところではそんなにしんどくなかった。構造的に?それとも空間の見え方として?天井高を抑える必要があったのだろうか?ユトレヒトのアレッツの図書館と比べると、もしくはバルセロナの図書館と比べると、空間の快適さとして随分劣ると感じた。確かに内部空間のつながり方は見たことのない発明だと思うのだが、普通の使用者にとってちょっとつらいと思う。

地下鉄を乗り継ぎ、予定より一本早い電車でツェルマットへ。どうやら今日なら少し天気がましなようで、マッターホルンが見れるかもしれないため望みを託し乗り込む。

Vispで電車を乗り換えてからどんどん雪景色になっていく。

ツェルマットで標高1620m。着くと一面真っ白。が晴れ間が見えてきているので思ったほど寒くない。まずは歩いてユースへ。
夕食も付いているので時間に間に合うように。往き道が結構な上り坂で、バックパックを背負っているからか息切れし休みながら行く。体力が落ちたのか?と思ったが、よく考えれば標高が高いせいもあるのだろう。

無事到着、夕食を食べる。ホームページにも食事の時間など載っていなかったので一応書いておきます。

zermatt yhはレセプションオープンが0700-1000,1600-2230、check in;1600-2230, check out till 1000, breakfast 0700-0930 , evening meal:1800-1930(included)、ドミトリーで50chf。料金は季節により変わるよう。

夕食はけっこう豪勢なもの。チキンとトマトのチーズ焼きとバターライス、サラダ、パン、ポモドーロスープ、デザート。お腹いっぱいになる。

窓の外を見ると、雲がなくなっている!急いでカメラを持って外へ。七時半なのにまだ結構明るい。

マッターホルンが見えそうな東の方へ駅前のインフォでもらった地図を頼りに歩いて行く。場末のレストランのテラスからやっと見えた!

北壁に少し雲が残っているが、見渡す限り空は晴れ渡っている。いやーすごい。来て良かった。しばし見とれる。世界一の彫刻だと思う。数々のクライマーが恋い焦がれる気持ちが少しわかる気がした。明らかに他の山と比べて形がいい。

雲が動かないかなーと写真を撮りつつ待ってみるが動かない。もう少し違う角度から見れないかと歩いてみる。遠くにはライブでもやっているのか大音量の歌声と演奏と歓声がきこえる。日も暮れてきてさすがに寒くなってきたので違う道から川沿いを戻る。山沿いの民家の明かりがとてもきれい。

部屋に戻り、シャワーを浴びて早めに就寝23時。



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