0800起床。たっぷりの朝食を頂き、0900出発。今日も車で怒濤のツアーを案内してもらう。開館時間も見込んだ完璧なスケジューリング。

■St.Jakob statium
H&deM
スタジアムの手前に車のショールーム、裏手にはオフィス?アパート?のタワーが新しくできている。ショールームは隣のビルとの接続から複雑な形状になっているらしい。隣のPCパネルによるファサードのビルの方がおもしろい。上に行くに従い手すりの高さは低減され、手すり部分だけ穴が抜かれている。全てH&deMによる。

■Shaulager Laurenz foundation
H&deM
2003
Ruchfeldstrasse 19,4142 M?nchenstein
今は展示をしていないので入れないため外観のみ。次はマシュー・バーニーの展示のよう。見たかった。残念。外壁のここの土地の骨材と土を使った版築のような構法で打ち込まれたコンクリート(鉄骨が構造で仕上げとしてかな?)が骨材が大きく荒々しく全くコンクリートに見えない。

■Signal box 4 AUF DEM WOLF
H&deM
1995
Munchensteinerstrasse,Basel,Switzerland
確か後から出来た方。形がひねられている。ひねられた銅板は等ピッチにサポートが取り付けられていた。実物を見ても開口の開き方は不思議でやっぱりおもしろい。

■Kinderspital
Stump+Schibli
昨日ちらっと見たときにはわかっていなかったのだが、外壁の色が見る方向によってオレンジからイエロー、グリーンへと変わる。おもしろい。バーゼルの若手建築家らしい。

■apartment in Schutzenmattstrssse
H&deM
1993
Schutzenmattstrasse 11,4051 Basel
道路の排水口をモチーフにファサードの建具が作られたアパート。この付近だけかと思ったら、スイス中でこの形の排水口を見かけた。折れ戸で全開できるようになっている。

そこから車で国境を渡りWeil am Rheinへ。
ノーチェックで車に乗ったまま、止まることもなく超えられることに少し驚く。1100からのガイドツアーに間に合うように時間を組んでくれている。とてもありがたい。二週間前に開館したH&deMの新しい美術館がいきなり見えてくる。まずはゲーリーの美術館へ行き、ガイドツアーのチケットを購入(してもらってしまう)。展示とセットで13.5e。ここはドイツなので通貨はユーロ。

すぐにガイドツアーが始まるのでゲーリーは後で見るとして、外で待つ。ツアーは20人ほどで、若い学生っぽい団体がおりガイドはドイツ語となるが、自分以外に数人フランス人もおり、各場所でドイツ語の後で手短に英語でも説明してくれる。とても助かる。

以下は全てガイド中に見たもの。ザハ、安藤の建物はツアーでしか中が見れない。また、シザの工場は外観のみ。SANAAの配送センター?はまだ完成しておらず近寄れもしなかった。HdeMの美術館は入場無料。ゲーリーの美術館はツアーに関係なくチケットを買えば見れるが、内部撮影禁止(出るときにわかった)。

■Geodesic Dome
R. Buckminster Fuller
1956
二日間で組み立てられるらしい。膜構造なのに意外と音が響く。夏はコンサートが開かれるらしい。

■Gas Station
Jean Prouve
2003
移築されたもの。内部の家具もプルーヴェによる。

■fuctry
Alvaro siza
1993
このブリッジのような屋根は電動で雨の日は降りてくるらしい。

■Vitra Fire station
Zaha hadid
1993

今は市の消防署に管理を委託しており、ここは展示施設として使われている。が、今は何も開かれていなかった。当時は3Dcadもなく、手書きの時代でこの建物は作られたらしい。どこも直角がない。ガラスは全てシングル。階段の手すりが間が開きすぎていて危ないのでザハ事務所に問い合わせたら、返事が返ってきて手すりパイプを増設するまでに2年かかったらしい。ザハ事務所の対応もありえないが、待つヴィトラもすごい。使い勝手がどうなのか今一わからなかったが、照明から建具まで徹底されている。

■Vitra Seminar house
Tadao Ando
1993

時代的にも実際にもまだ良い頃の安藤建築。他の建物が幾分スペクタキュラーなものだけれど、安藤さんは自分の持ち味をよくわかっているなぁという感じ。アプローチがやはり巧い。囲まれた壁に沿って回り込んでエントランスへ。内部は会議室が並び、各部屋には外部をのぞむ窓がある。既存の木をなるだけ(三本切られたらしい)切らずに配置されている。幾何学的だけれど、実際に入ると複雑な印象のプランは、ガレリアアッカやタイムスビル、大山崎山荘美術館までの時代の感触。規模が大きくなりすぎてこの手法が空間のビッグネスに対して密度が小さすぎるように感じるのだろうか。このセミナーハウスくらいのスケールがちょうど合っているように思う。

ここで二時間に渡るツアーは終了。
Wと落ち合い、新美術館のレストランでお昼を頂く。ツアーを待っている間、先に展示を見てお昼を食べたようで、外で待っていてくれるらしい。本当に何から何まで申し訳ない。

■Vitra Funiture Museum
H&deM
2010
入場無料。

ヴィトラの家具や照明、ならびにヴィトラ以外の家具やプロダクトも展示されている。ほとんどが実際に座れるというのがすばらしい。子供がとても楽しそうにしている。日曜だけあって多くの子供連れで賑わっている。レストランも満員。小さな家のような空間を多く必要とされたためこのような形になったらしい。内部は比較的シンプルな内装。開口部付近の納め方が賢い。バルコニーの手すりも含め、内側からの景観を妨げないことと、外部からのボリュームを切断したような見せ方がうまく折衝されている。やはりボリューム同士の貫通部分がおもしろい。階段はどれもらせん階段で手の触れる所はスタッコビアンコで磨かれている。本当にH&deMは階段にオブセッションがあるかのようにどこの階段も非常に凝っている。セーヴェレンの寝椅子は初めて実物を見たがとっても良くできている。一階のショップは本もプロダクトもすばらしい品揃え、なんとか我慢して後にする。

■Vitra Museum
F.O.Gehry
1989
Charles-Eames-Straasse 1,D -79576 Weil am Rhein,Germany

展示もとてもおもしろそうだったのだが、時間がなく、内部空間を中心に見る。やっぱりすごい。適当(でないのだろうが)に付けられたようにみえる外観のボリュームの相関が内部では白一色の空間であることもあり、ボリュームの判別がつかず、とても複雑な空間になっている。ボリュームのぶつかりから事後的に発見されている開口という感じ。すばらしい。

次に向かうのはバイエラー美術館。

■Beyeler Foundation museum
Renzo Piano
1997
Baselstrasse 101,4125 Riehe

南アフリカ産の大きな石を外装に用い、内部の展示室は電動で調節される二重構造の屋根からのトップライトでとても明るい。建築的にはあまりぐっと来ないが、コレクションはすばらしい。モダンアートがいっぱい。ジャコメッティの作品数は今までで一番多い。庭園のエルスワース・ケリーの作品がおもしろい。単純だが見る方向により形が全く違う。

次に車でノバルティスオフィスへ。

■Novartis campus WSJ-158
SANAA
2006

セキュリティが厳しく中には入れない。門の外から遠目に見るだけ。通常でも中に入ることはかなり難しいらしい。隣のカラフルなビルはディナーディナー。見えないがその他にも百花繚乱という感じ。

また車に乗って本日最後のHdeMへ。

■Rehab basel
H&deM
2001
Im Burgfelderhof 40,4056 Basel

建築家や学生が多く訪れているようで、入り口に看板が立ててある。Wが受付で話し、一階のホールとレストランは見せてもらえるが撮影は不可。レストランでコーヒーを飲みながら眺める。広々として外光で明るく、庭にはレタス?野菜が植えられ、とてもとても気持ちの良い空間。テーブルの上に置かれた花など、使われ方もとても気持ちが良い。外からちらっと二階の球形のトップライトが見える。寝たきりの病人にも空が見えるように、というもので、斜めから見ても空が見える。すばらしいディテール。

隣の体育館がちょうど帰宅時間で中が見れそうなのでそちらへ。

■Pfaffenholz sport centre
H&deM
1993
5, rue de Saint-Exup?ry, F-68300 Saint-Lpuis, Basel

外壁はグラウンド側が木毛板パターンをエッチングしたガラス、反対側、道路側が草の模様のようなコンクリート。継ぎ目がわからないので現場うちだろうか。にしては模様が均一にできている。テラゾのように削りだしたようなテクスチャ。構造はPCの柱と現場打ちの腰壁で出来ている。木毛板は吸音のために使われている。おもしろいのだが、そのガラスやテラゾコンクリートの必要性と有用性は今一わからない。

また車に乗り移動してペレと同時代の建築家によるRC造の教会へ。

■Antonius Kirele
K.Moser
ペレのNotredame du Rancyより大分大きい。ステンドグラスが宗教画でなく抽象的な模様できれい。ミサ中だったので静かに退散。

■Allschwilerstrasse Residential and Office Building
H&deM
1988
Allschwilerstrasse 90,4055 Basel,Switzerland

これは良かった。ジュゼッペテラーニのような廊下だけのバルコニーが敷地境界線沿いに立っており内側が中庭になっている。内部の螺旋階段はこの頃から既に凝った作りになっている。

ここで今日のツアーは終了。およそ6時半。
家に戻り、夕食。

18軒の建築を一日で見たことになる。そりゃ疲れるはず。
家に戻り夕食を頂く。夕食後、スイスの全予定を調べた結果を説明してくれる。全ての電車の乗り継ぎ、開館時間を見越した経路、予約の手配、安いホテルの手配、タクシーの手配まで、バーゼルを離れてから8日分、全てを押さえてくれている。すごい。自分以外に、しかも日本人以外でここまでする人を見るとは。いくつか不透明だったところを決めたり、希望を伝え少し経路を短くしたり。
一応のヨーロッパ滞在のお尻は決めているので、他の国の予定も鑑みて決める。希望はどこまでも増えるので、優先順位とバランスで決めるしかない。あとはまた来る時の楽しみにとっておけばよい。一度で全てを回ろうというのが無理な話なのだ。結局コルのle lac(小さな家)とマークリの彫刻家の家は行けないこととなった。片方は工事中、片方はイースターにぶちあたるため。22時頃お開きになってから、部屋で作業1時半頃就寝。



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