今日はチェックアウトかつ移動日なので7時半に起床。部屋で前夜に買ったパンとコーヒーで朝食を簡単に済ませてチェックアウトし、駐車場へ向かう。
案の定フロント硝子が凍っているので、ダッシュボードに入っていた小さなスコップで氷をゴリゴリ削り落としていると、レシートみたいな紙が出てきた。
嫌な予感がして見ると、駐禁切符!ちゃんとアプリで支払っていたハズ、、と読むと、「駐車してはいけない場所に駐めている」と書いてある。昨夜は周りに一杯駐まっていた車がほとんど無く、ポツンと数台しかいない。立っているポールを見ると、真ん中の島エリアは、夕方18時から朝8時まではバス以外は駐めてはいけないゾーンだった。。。同じ駐車場でも周縁部は問題ないゾーンだった模様。わかりにくい。しかも、昨夜と今朝と2回切符を切られている。$40×2=8000円ほど、悔しい。オンラインでカード支払いできるようなので、後で払うとする。
気を取り直して、東へ一路、Lake Tekapoを目指す。3時間超の長旅なので、途中国道脇にある公衆トイレや展望台をチェックしておいた。山道を登り、川や湖の脇を幾つか抜けていく。運転しているとゆっくり眺められないのが惜しい(車窓の写真は全て妻撮影)。
Queenstownを出る時には朝日が綺麗だったのが、ドンドン雲が降りてきて霧になり、20m先くらいまでしか見えない。インドで霧のせいで電車が止まった時、バスは動いていて5m先くらいしか見えないのに爆走する車内で冷や冷やしたのを思い出す。
山間の道を抜けTekapoに近づくにつれ霧も晴れてきた。国道は片側1車線でたまに追い抜き車線が出てくるが、詰まってくると見晴らしのいい直線で抜かなければいけないので少し怖い。
途中、Mt.Cookが望めるLake Pukakiの展望台に寄るべく少し脇道に逸れる。湖の水の色がLake わかちぷとは随分違い水色で綺麗。低い雲がかかって見えないな、と帰りかけたら、ぽっかり雲の切れ目からMt.Cookらしき山が見えたので、急いで車を降りて写真を撮った。(後から調べると違った)
満足してそこから1時間弱でLake Tekapoの今夜の宿に到着。宿の女主人が出迎えてくれた。14時からmtgが入っているそうで、それまでに着くべく、何度かメッセージのやり取りをしていたのだが、13;30くらいに着く、と送ったら、「すばらしい。ちょうど晴れてきたし、あなたは太陽を連れてきてくれたわ!」と熱い返事。B&Bに泊まるのは初めてかもしれない。
2階建ての家を改築して、外階段から2階にアクセスできるようにしてあり、2FにLDKがワンセットとバスルーム付き寝室が1つ、屋根裏部屋を改装した3Fにリビングとバスルーム付き寝室が(おそらく)2つ、という作り。我々は屋根裏部屋の部屋で、今晩はその階は我々だけだから、リビングは自由に使って、とのこと。翌朝は2Fで朝食が出るそう。オーナーの老夫婦は1Fに住んでいる。なんだか1泊だけのホームステイのような感じ。
一通り部屋の説明を受けた後、もう2時だけど近所でまだランチ食べられる所有る?と訊くと、山の上に登った所にAstro cafeというのがあって、道の通行料が$8かかるけれど、見晴らし最高よ!けど営業は3時まで、車で20分くらいだから、間に合うとは思うけど。とのことなので、せっかくなのでそこに向かうことにする。
湖の西側、広大な平野の中の細い道を行くと、ゲートがありそこで降りてカードで$8払うと開けてくれくれる。カフェは3時まで、この道は4時まで、とのこと。比叡山ドライブウェイのような曲がりくねる山道を延々登ると頂上近くの駐車場へ。
カフェと思しき建物の他に、天体観測用ドームがいくつかあり、今夜予約しているDark star projectで来るサイトだ!とようやく気づいた。(それくらいあまり下調べできていなかった。。地図にもマウントジョン天文台と書いてある)
眺めが素晴らしい。早速カフェでハムチーズクロワッサンと、フェラウェルラップを頼み、オーブンでトーストしてもらう。レジのパンクな出で立ちの女性が我々の眼鏡を褒めてくれて嬉しい。
外に出て、Lake Tekapoを望む席を取り、届いたランチを食べながら眺める。次から次へと観光客が来る。下の方に降りていく道があり、後から聞いた所では、ふもとの湖脇のTekapo Spring脇にある登山口から1時間ほど歩いて登ってこれるTrackもあるそう。それはそれで気持ち良さそう。
いっぱい写真を撮って一通り長めを楽しんで4時前になってきたので下山する。一旦宿に戻り、一休みしてから、6時過ぎにDark Sky projectの建物近くへ。一帯がどうやらtekapoの中心商業地のようで、比較的新しいのか、(そういえば確か2015年にDark sky projectの建物は出来たと言っていた)、綺麗。立ち寄った本屋さんにも、思いがけず、建築書コーナーもあり、ReneというNZの建築家の本や、NZの女性建築家の歴史を扱った本があり、迷いつつ買いすぎ荷物になる、、と思って見送る。
India Nepal料理屋で、チキンビリヤニとDumplin(蒸し小籠包のようなもの)を頼む。美味しい。
予約の8時30分前くらいになったので、チェックインに向かう。Summit Experimenceの日本語ガイドツアーで、ガイドの方が山頂の現在の天気の連絡が来て、出発決定となるので、それまで施設内にある天体望遠鏡でも見ていて、と言われる。アメリカだったか(解説してくださったのにうろ覚え)どこかで使われなくなったが、インストールするには角度等を調整し直す必要があり、NPOが間に入って特別に、この2015年に建てられたDarkSkyProjectの屋内にて、見学者が自由に見れること、という条件で置かせて貰っているらしい。
我々含めて10名ほどで、無事天気もOKが出て、小さなバスに乗り込み出発する。昼間通った道を、外灯も全く無い真っ暗な中で登っていく。星がよく見えるよう暗闇に目を慣らすために、途中から車のヘッドライトも電球色の小さな明かりに変わる。フラッシュなどの強い白い光は、一度見てしまうと目が明順応してしまい星が見えなくなるので禁止、携帯も最も暗い設定にする。
参加時に渡された首から掛けるカードは、ボタンが付いていて、赤い光で足下を照らせるようになっている。赤い光は目の暗順応を妨げないそうで、天体観測所のライトも赤い光だった。お土産売り場のペンライトが赤い光で「なぜ?」と思った疑問が解けた。
山頂に到着し、合図があるまで見上げないでください、と言われて下を見ながら昼間食べたベンチの前まで来て、一斉に見上げると、星が多い!一部靄がかかっているように見えるのは雲で無くて、天の川とのこと。星が無数に集まっているのでそう見えるらしい。この2週間ほど、テカポはずっと天気が悪く、久しぶりにツアーを敢行できた夜だそうで、我々はとても運が良いそう。撮影は、一眼レフを今回持って来ていないので、iPhoneだったが案外星も映っていた。
ガイドの方は、何も見ずに北極星や南極星、星座や星と星の位置から方角を割り出す方法など、強力なレーザーを天にかざして(そういえば、昔、石垣島のYHAで一緒になった仏像マニアに方に同じように星を案内してもらった事を思い出した。日本では販売されてない出力のレーザーで中国から取り寄せた、と言われていた。あそこも星が綺麗だった。元気にされてるかな)、淀みなく説明し、質問にも的確に答えて下さる。この施設を管轄するUniversity of Cantevuryの学生だろうか?すばらしいスキル。
場所を移動して、設置して準備されている大きな天体望遠鏡を覗かせてくれる。また、昼間に見た、ドーム小屋の中の巨大な望遠鏡も覗かせてくれる。どちらも角度や焦点の合わせ方がデジタルっぽくて皆目見当が付かない。
日本語ツアー以外にも、同時に中国語や他の言語でのツアーも来ていて、上手くローテーションで場所を移動してスケジューリングされており、オーガナイズがすばらしい。施設で貸して貰った大きな防寒コートのお陰で、上半身は全く寒くないが、気温は氷点下ゆえ、下半身が寒くなってくる。
予定通り1.5時間ほどの観測(移動を含めると、延べ2時間ほど)を終え、街のDSPまで送って貰い、そこで解散。車で宿に戻ると玄関の外階段も凍っていた。