210104_謹賀新年


旧年はお世話になったみなさま、ありがとうございました。
本年もよろしくお願い致します。

昨年は、設計事務所業と大学における教員業のバランスをいかに取るか、に奔走した一年でした。
自分というリソースを今まで以上に有効に活用できた一年だったなと思います。

教育においては、このコロナ渦によって教育インフラシステムが5年は進化が早まった感。
大きくは、設計演習系授業、ゼミ、CAD系授業を担当しました。

▼設計演習
今年から本格的に授業を複数受け持ち、設計演習は、2年生の全員課題1つ、3年生の選択課題(3年から各タームごとに複数課題が出題され、学生は興味のあるものを選ぶ)を3つ、担当しました。(本学はクォーター制で前期前半と後半のように、学期の半分=約7週間で1課題、1〜3年の学生は年間最大4課題を取る)

課題ごとに、発想の方向性は限定させずに、その育て方を(それも色々あるでしょうが、まず1つ)いかにきめ細かく教えられるか?を、個人的テーマとして課題設計しました。前年度までの用途と形式はある程度引き継ぎながら、共通して週ごとに考えることを明確化し、それを(どんな形であれ)提出する、課題の前半はなるべく授業中にワークショップ的に手を動かす(発想の仕方の一例を示す)など。

その点、Google classroomをプラットフォームとして提出する、というのは、目標の明確化と提出状況の可視化にとても功を奏した印象です。資料配付についても教員学生共に負担が減る。(逆に、対面授業で「紙で配れる」ってとても貴重だなと実感)

エスキスにおいては、個人のPCスキルによって十分/不十分が左右される印象でした。設計以前の段階は別として、設計に入ってからはCADや3Dができるとそれを画面共有できるのでZOOMエスキスでも十分ですが、スケッチや模型といった(実はそちらの方が情報量が多いのに)アクションもリアクションも上手く伝わらずもどかしい/もったいない。

設計演習は、「創造」的な側面(寄与の条件・状況からアイデアを発想する)と、「製図」的な技術を教える側面(計画学的配慮や、図面表記のルール、寸法の検討等)があると思いますが、専任教員であるからこそ、そのどちらかに偏ることなく、バランスを取ることが重要なのでは、と勝手に考えています。その辺りはまだまだ改善の余地ありそう。

あと、ZOOMは1対複数の講義形式や、教員(=司会)がいるような少人数ゼミ形式=1極構造対話なら使えるが、複数人が同時に話せないし、会話の輪が複数同時に走る多極構造の対話、すなわち「教室」の代替にはならない、と後期に対面授業が一部実施されて痛感しました。(よく言われているように)大学は先生の授業を受けるためだけに来る訳ではなく、様々な経験の機会の束こそが存在価値だと思いました。

▼ゼミ
共同で受け持たせて貰ったゼミではオンライン化に合わせてSlackを導入してみたことで、やり取りの見える化と情報の蓄積には貢献した印象(けれど、後期で対面するようになって、同じ事を話していても伝わり方が違うな、と実感)。各自の興味を、多角的に掘り下げ、人に伝わるようにアウトプットする事を地道にアドバイスし続けた毎週でした。公開度がまだ未決定ですが、年明けの卒業制作展展示を楽しみに。

▼CAD系授業
すべてのデジタルツールも、あくまで選べる道具の1つとして、学ぶ機会の端緒として授業を設計しました。今年は学内工房のウルトラファクトリーと連携授業を組めたのが成果の1つ(テクニカルスタッフさんには大変お世話になりました)。レーザーカッターを使った模型制作をプログラムに組み込みました。

どれも自分が学生の頃は全て独学が当たり前でしたが、今やアプリケーションもデバイスも一層多種多様化が進んだ昨今、その(ちょっとだけ学生より目が利く人間からのあくまで独断ですが)羅針盤になれば良いと考えています。

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事務所としては、今年度は竣工が1つ、工事中が1つ、計画中が1つ。その他水面下で色々。
竣工案件は、コロナ渦により着工も遅れ、かつお陰で一度も現場に行くことが出来ずに竣工したという初めての経験。施工会社はじめ関係各所の綿密なバックアップがあってこそでしたが、引き渡し間近で初めて見る現場は(写真報告では見ていたけれど)「ほんまに出来てる!」という不思議な印象でした。

一方、工事中の案件は近所なこともあり毎週現場定例に行っていると、やっぱり現場は楽しい!と感じます。おかげで(改修だから、という点もありますが)現場で考えたり話したりで、色々変更あり、応えて下さるお施主さんと施工会社、職人さんに感謝です。身体を動かしてこそ出てくるアイデアが多い。

そんな大学と事務所が迷彩柄のように入り交じった毎日をこなすには、正直1人では厳しいなと思いつつ、けれど人を入れても向き合う時間がなかなか取れないしな、、、と考えあぐねていたらあっと言う間に一年が終わりました。。ふむ。計画中プロジェクトは少しお待たせしており、申し訳ないです。

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と、それぞれ各論では色々ありますが、総じて一昨年までより忙しくも充実した日々でした。
本年も輪をかけて忙しくなりそうな気配ですが、濁流に飲まれずにうまく波に乗って行きたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。



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