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耐震補強と湿気対策を主眼とした住宅の改修。

建物全体ではなく一部分に、既存躯体の内側に門型フレームを入れ子状に並べた剛性の高いシェルターを挿入した。
それを既存軸組みにも一部連結することで、地震時に家屋全体にかかる水平力も負担できるようにフレーム断面を設定している。

門型フレームは方杖型とすることで断面を小さくし、その金物や仕口のカバーとして調湿作用を持つ面材を、方杖をフィレットしたアーチ状に切り抜きサンドイッチした。
壁天井材と併せ、湿気対策としつつ、アーチの形状によって様々な行為を伴う「奥」を作り出している。

平面形状においては、部屋の外形グリッドと、南北の窓を結んだ軸線を元にしたグリッドを重ねることで、広さの感覚を狂わせる。

誰がどこを使うと限定をせず、複数の行為を許容する、機能が重なったシェアスペースをを持つ不均質なワンルームを作り出した。
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上段はハンガーフック、下段はiPadスタンドを兼ねた引き手(秋友家具製作室製作)


ドレーキップ窓、滑り出し窓、FIX窓の組み合わせ。カウチソファも秋友家具製作室


下部全面引き出し収納のベッドフレーム(秋友家具製作室製作)


外装モイス貼りの桐タンス(秋友家具製作室製作)


左手の窓台下に手元照明が仕込まれたデスクスペース

玄関も部分改修。既存下足箱をカットし、中段に飾り棚を挿入している(秋友家具製作室製作)



General information

竣工: 2019年2月
用途: 専用住宅
建築地: 京都市
構造: 木造(改装)
階数: 2
設計・監理: みささぎ一級建築士事務所/松本崇
構造設計・監理:エスキューブ・アソシエイツ/上島弘之
家具製作:秋友家具製作室/秋友政宗
施工:山田工務店/山田昌樹、南豊史
大工棟梁:藤井雅敏
撮影:八木夕菜


(in English)
completion:  Feb, 2019
type:  house
location:  Kyoto, Japan
structure:  Timber (renovation)
storey:  2
architect: misasagi
structural engineer:S3A
furniture: Akitomo Kagu Seisakushitsu
contractor:  Yamada Koumuten
photo:  yuna yagi

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