59日目 100306 PARIS – NANTES



06:00起床。昨夜は2時頃同室のスペイン人ぽい男性が彼女を連れて帰って来て、話し声で目を覚ましてしまい、よく眠れなかった。黙ってくれと言った頃にはこっちの目が覚めて、起きる時間くらいに眠くなる最悪のパターン。

06:30チェックアウトして出発。モンパルナス駅へ地下鉄で向かう。
一時間ほどで到着。08:00定刻通りTGV出発。

10:10ナント着。
学生時代の友人がフランス人と結婚してナントに住んでおり、駅まで迎えに来てくれる。この二日間お世話になる。子供が居ると知らなかったので、4歳半になる息子と一緒に待っていてくれて少し驚いた。

子供を日本人からなる日本語読み聞かせのアソシエーションに預けて、その足で予約しておいてくれたコルビュジェのユニテの見学ツアーに向かう。

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Unite D’habitation
Le corbusier
1959

■すいません、、、車で連れて行ってもらえたのでよくわかってません。駅からは結構離れています。前の通りは確か Rua Le corbusierでした。

■現役で住まわれているので、市庁舎Hotel de villeで週一回の見学ツアー(夏は三回らしい)を予約しておけば見学可能です。自分は土曜の11:00でした。当日、先に市庁舎でチケットを購入し、現地一階のホールで待ち合わせ。解説はフランス語のみでした。

※後日連れてくれた友人が詳細をアップしてくれたので転載します。

La Maison Radieuse
Boulevard le Corbusier
44400 Rezé

○公共交通機関でのアクセス
トラム2番線 Espace Diderot 下車 あるいは
バス 74、37、31番線 Maison Radieuse 下車 あるいは
バス 38番線 Le Corbusier 下車

○見学可能日
火・木・土の午前中 要予約
チケットの購入はユニテ・ダビタシオンすぐそばにあるルゼ市役所の受付で。
電話 02 40 84 43 84

○料金
大人 3.5ユーロ
学生 1.7ユーロ
12歳以下のこどもは無料
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フィルミニと同じく壁柱によるピロティが並ぶ。ピロティの高さは7m。一階のペイントはウレタン系っぽいので後から塗りなおしたのかもしれない。

エレベーターは後年入れ替えたとのこと。6階に上がる。


住戸はメゾネット形式になっており、三階に一階しか中廊下でエレベーターが停まる階がない。よって六階でも実際は18階になる。地上からは50m。高い。

中廊下が暗いのは、明るい住戸とのコントラストをつけること、また廊下は移動のためのみの空間であり、憩う空間ではないからというコルの考え方によるらしい。

住戸のひとつが見学できるようになっている。
入ると天井が低い。2200mmくらいしかなさそう。その狭い空間を効率的に使うため住戸内には船をイメージした建具や窓が嵌る。狭い空間での効率的な開口部。

入ってすぐにL型のオープンキッチンがある。この時代では画期的だったらしい。ダイニングと隔てる胸の高さのキャビネットはシャルロット・ペリアン作。キッチンからもダイニングからも食器を取れるようになっている。取っ手の造作含め、ここから派生した多くのデザインを遡ることができる。


キッチンの壁には廊下に面した子扉があり、牛乳やパンの配達を受け取れるようになっている。すばらしい。が、70年代にはその配達もなくなってしまったらしい。

リビングダイニングはテラスと上階への階段に面している。壁画にはモデュロールが描かれている。


二階に上がると子供部屋が二つとメインベッドルームが両側面の窓側に、その間、階段を上がったところにサニタリーが並ぶ。


サニタリーは両親の寝室からは直接も入れるようになっている。
子供部屋の間仕切りは黒板塗装仕上げになっており、落書きし放題。


テラスへの扉はにじり口のようになっており、椅子などをテラスに持ち出して手すりを乗り越えられないようになっている。

屋上に上がると、幼稚園がある。居住者も幼稚園に通う人以外は屋上に上がれないらしい。昔は居住者の子供しか通えなかったが、今は近隣の子供にも開放しているとのこと。幼稚園は見学できず。


コルビュジェは太陽や月、自然との触れ合いのある生活を重視した、両側採光の太陽のある生活、建物の周りには緑と公園を必ず用意した。

今はメインの入り口ではなくなっているが、池を渡るアプローチから建物壁面に施されたコルビュジェによるレリーフが見える。自然を通って建物にアプローチし、暗い廊下を通って明るい部屋に夫婦が入っていく、一連のストーリーが描かれている。

ツアーが終わり周囲をぐるっとまわって外観を見学する。何か事故があったようで警官と救急車が来ていて住民が見に出ている。それを写真に撮っていると思われないように気を遣って撮影。

お昼を食べに行く。
クレープのお店に連れて行ってもらう。クレープと言っても甘いものだけでなく、そば粉で作りハムや野菜を載せる食事としてのクレープがある。クリームソースとオニオンのクレープを注文。美味しい。さっと食べる食事、という位置づけらしい。デザートに日本でよく見る生地で作ったバターのクレープも頂く。

店を出て、裁判所に向かう。

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Palais de Justice
Jean Nouvel
2000
Quai Fransois Mitterand 19,44200 Nantes,France

■ガイドツアーがあるようですが、友人にフランス語でメールで申し込んで貰ったものの、返事がなく。。。土曜は休みで内部見学はできませんでした。
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スチールによるグリッドの構造体。内装や舗装の石も含め、どこまでもグリッドを貫いている。グリッドは理性の象徴ということだろうか。内部に浮かぶ文字が流れる柱には法律の文言が流されているらしい。

そのまま象のアトリエ、広場へと向かう。去年横浜に来ていた巨大なくもを製作したアーティストの工房兼ギャラリーがあり、そこがデザイン、製作した機械仕掛けの象が毎日観客を乗せて歩いている。


近くで見ると像の表皮は木製(集成材)でできている。

やはり足に加重はかからず、鉄骨の構造体が前後の車輪に荷重を伝えているようだ。ちゃんとまばたきもするし、鼻から白い煙を噴出す。

元船の工場(だったかな?)を改装したアトリエは、細いコンクリの構造体の屋根と壁を取り除き、新しく鉄骨の柱とポリカーボネイトの屋根を設置していて明るい。元はトゥールズに居た彼らをナント市が場所を提供し誘致したらしい。土曜だからかアトリエの見学には行列ができていた。

ナント市はさびれていたロワール川に挟まれれた中州のこの地区を文化事業で再生したモデルケースとして有名らしい。このアトリエの他にも川辺の元工場?をギャラリーやカフェに改装していた。


そのうちのひとつのギャラリーに入る。ここもコンクリートの構造体の一部屋根を切り取ってトップライトを設けている。どぶ付けサッシや黒皮鉄板の質感が荒々しい既存のコンクリートの質感とよく合っている。現代美術の展示も楽しめるものだった。

締めに古くからあるアールデコ調のカフェにてお茶をする。フランス大統領がナントに来た時はここで食事をするような由緒正しきお店らしい。

ひとしきり話し て駐車場に止めていた車に戻り、友人宅へ。旦那さんと帰っていた子供が出迎えてくれる。平屋建てのトップライトがいくつもある建物。

L字型に建物は配 置され、奥に四角い中庭がある。日本では今平屋が流行っているというと、パッシブエネルギーの観点から逆にフランスでは二階を増築するケースが増えている らしく、不思議に思われる。

荷物を置き、お茶を頂いてから、夕食。
野菜のスープに始まり、鶏のクリームソース煮、チーズ各種にフルーツの デザート。赤ワイン。すばらしく美味しい。

野菜が足りていなかったのでありがたい。こちらの人は肉の脂分を好まないらしく、鳥でも胸肉の方が好まれるらし い。もも肉を好む日本人とは正反対。昔はマグロのトロも捨てられていたらしい。

チーズはモルダビというチーズがあっさりしていて美味しい。フランス料理では メインの後、デザートの間にチーズが出てくる。またデザートはそれがないと食事が終わらないくらい、切っても切れないものらしい。

先日もパリの友人が日本 人はデザートを食後に食べないのでしょう?と訊いていたのは、そのレベルでの食べる食べないの話だったのかと気づく。

食事後、シャワーを浴びさせてもらい、部屋で少し作業をしているうちに眠気に負けて1時過ぎ就寝。



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