2016_House F / 庫裏としての家


道路側からの外観

京都に建つ、あるお寺の庫裏となる新築住宅の計画。
敷地面積と要望される床面積から検討した結果、木造平屋となった。

1.)南側に接する隣地は隣のお寺の立派な庭であり、豊かな借景と日当たりが見込まれたため、まず敷地の幅一杯に南面する部屋を中庭を挟んで2列並べる。
屋根は景観条例の要請から単純な切妻屋根とする。片方はLDKとなるため天井高を目一杯確保するべく、条例上最大限の勾配とした。

2.)次に、道路に面した位置に1.)の二棟に直行する切り妻屋根を並べる。
元々道路際に建っていた大谷石組積造の塀は既に倒壊の危険があったため、やむなく撤去し、同じ高さのRC塀を建て、道路からの騒音を押さえ防犯性能を確保した。
また、塀の根入れ部分のベースを建物本体の基礎と繋げることで、転倒防止性能を確保した。

切り妻屋根の軒先を塀の高さに合わせたことで、道路から見ると(軒が低いため)屋根の上に、大きく空が見え、その向こうには今まで既存建物に遮られ見えなかった、本堂やその向こうの寺の瓦屋根の連なりまで見えるようになる。

3.)そして3つの切り妻屋根を繋げる。

プライバシー確保のため、隣接する寺側の外壁には窓を小さく絞って配置し、仕上げに漆喰を施すことで、元々敷地内にあった蔵のような外観となった。

寺側の外壁面を境界面として、2つの異なる「公(寺)」と「私(庫裏)」の世界。

住宅という観点から見れば、道路に面する塀側が「表」となるが、寺の敷地の一部という観点から見れば、一番道路から遠い外壁面が「表」となる。

寺の庫裏という特殊な形式だからこそ、住む人、道行く人、寺に訪れる人にも以前より良い環境をもたらすような計画として考えた。

***

入口 *

玄関。下駄箱はマエダ木工製作

玄関から中庭越しに本堂の屋根を望む

キッチンはマエダ木工製作

キッチンはマエダ木工製作 *

収納ローボードもマエダ木工製作

A)テレビボードや収納を既存ピアノ寸法に合わせて設計

B)ピアノを入れた場合 *

南側の隣地庭借景を望む

断熱スクリーンを降ろすと朝日が木影を映す

低い屋根越しに敷地内の寺の屋根を望む

庫裏と本堂の対峙する関係

寺側から見る *

寺側から見る *

洗面カウンターもマエダ木工製作。鏡の後ろにガラス戸と網戸を引き込んでいる。


model



General information

竣工: 2016年2月
用途: 専用住宅(庫裏)
建築地: 京都市
構造: 木造(新築)
階数: 1
建築面積: 125.72㎡
延床面積: 125.53㎡

設計・監理: みささぎ一級建築士事務所/松本崇
構造設計・監理:高橋俊也構造建築研究所/高橋俊也
家具工事:マエダ木工/前田智之
施工:(株)高橋工務店/高橋正明、内田誠二
撮影:繁田諭写真事務所/繁田諭、(*:松本崇)

基礎・外構工事:秀峰建設(株)/物部
木工事:木村組/木村
サイディング・ガラス工事:宝工業/長瀬
屋根・板金・樋工事:寺井板金/寺井
塗装工事:鮫島塗装店/鮫島
金属製建具工事:(株)ウエダ/米津
左官工事:坂本左官/坂本
タイル工事:湯浅タイル/湯浅
木製建具工事:(株)井上建具/井上
クロス・床貼工事:インテリア山装/山添
給排水設備工事:(株)山一工業所/山口
美装工事:マツダ美装/松田
木材プレカット:三浦製材(株)/三浦
建材:平安建材/樽木
電気工事:(株)KOUEI/平尾、角田
解体工事:(株)HIRAYAMA/廣岡


completion:  Feb, 2016
type:  house in temple
location:  Kyoto, Japan
structure:  timber
storey:  1
foot print:  125.72 sqm
total area:  125.53 sqm
contractor:  Takahashi Komuten
structural engineer:  Shunya Takahashi
furniture: Maeda Mokko architect: misasagi
photo:  Satoshi Shigeta+Takashi Matsumoto(*)

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