160303_Taipei


さて、やっとこさ旅行の記録を少しずつアップしてみます。(といってもミャンマーでは余り書いてないけれど)。pomeraを持って基本的に向こうで書いていたテキストなのですが、読み返すと2010年と続きで旅行してるみたいに文体が同じ(意識してないのに)、、と不思議な気分になりました。長くて冗長的な気もしますが、局所的な需要に届くTIPSもあるかと思いますのでそのまま載せます。ではよろしくどうぞー。

160303 Osaka to Taipei

朝9時過ぎに電車に乗って関空へ。泉佐野駅が懐かしい。webでチェックインしていたので余裕こいていたら、結構ぎりぎり。向こうでは円がほぼ両替 できないらしいので関空直営店でクーポン使っていくらかUSドルに両替しておく。出国審査を抜けたところで放送で名前を呼ばれた。ゲートに行ってみると、 パスポートとビザを調べられた。webでチェックインしていると空港に来ているかわからないのでチェックするらしい。久々過ぎて、ぎりぎりまで準備ができ なかったこともあり、保険に入ることをすっかり忘れていた。空港で入ろうとしたら記憶より倍以上の掛け金なので訊いてみたら、同じ会社でもネット販売とは 違う商品しか扱ってないらしい。搭乗までの間に滑り込みでネットで旅行保険に入る。

トランジットの台北までは3時間10分。時差1時間。今回はchina airline。直前の最安チケットの割には快適。機内でリドリースコット監督の火星に一人取り残される映画を見る。インターステラーのような発明的発見 はないけれど、植物を栽培し生き延びるための科学的解決のアプローチが面白い。おそらくちゃんと裏付けも取っているのだろう。

現地時間3時に台北着。さすが八重山諸島のすぐ先だけあって、春のように暖かい。けど暑いというほどでななくちょうどいいくらい。桃園空港で乗り換 えが15時間ほどあるので(そういう便を選んだのだけど)、空港税関過ぎてすぐの左右両側の両替屋でレートを比べていい方(青い方だった)で少しだけ両 替。到着ゲートから出て正面のtourist infoで地図をもらったり、iTaiwanというfreeWiFiも登録してみた(けれど、空港以外で繋がる所は今日行った限りでは見つからなかっ た)。bus for cityの標識に従って外に出て、最短で市内に着く国光観光のバスで125元払って台北駅へ1時間ほど。ネットで調べたのと違い、空港からの往復どちらも 24H運行となっていた。台北行き1819の乗り場の隣が台中行きで見たら2時間で行けるとのこと(確か250元。空港は台北と台中の中間ちょっと台北よ りに位置する)で、一瞬台中オペラハウスを見に行くか迷うが、あまりに何も調べてなく、また着いたら日が暮れてそうなのもあって、渋々台北往きに乗る。

市内に着いたら5時前。帰りのバス乗り場(West taipei bus terminal)の場所だけ確認して、地下鉄MTRの台北駅へ。日本語のinfoも改札で訊いたらもらえた。1日券もあったが6回くらい乗らないと元は 取れなさそうなので普通に切符を買う。駅構内も電車もきれいで広い。

まずはまだ明るい内に、赤いラインの剣○Jiantan駅へ。OMAのリニューアルされたサイトに進行中の各物件も地図つきで紹介されていて事前に調べてあった、taipei perfoming art theaterの現場が駅のホームから正面に見える。

◆Taipei perfoming art theater/ OMA
2017竣工予定。
場所はこちら
地下鉄MTRの剣潭(Jiantan)駅の西側目の前。

ホームから見た所。既に鉄骨駆体は上棟しているようだがもう仮囲いで見えなくなってしまっている。にも関わらずすごい。OMA Hongkongに勤めていたSさんが、あれは見るべきだと言っていたのが今更わかった。雑誌などメディアに出ていたCGなど見たときは過去のプロジェク トの構成を入れ替えた焼き増しかな?と思っていた自分の目が節穴でした。鈍ってるなぁ。
キャンチを支える足場がものすごい繊細な編み物のようできれい。
まず予想よりかなり大きい。そのスケール感でホール部分が外部にキャンチレバーで球型と馬蹄型(メルニコフみたいな)で飛び出しているところのダイナミッ クさが圧倒的。それを支える鉄骨フレームの入れ方もにくい。斜めをうまく使っている。shenzenのストックマーケットもそうだったし、おそらく北京の CCTVも写真からでも伝わるように、OMAのアジアのプロジェクトの構成とスケール感の操作は絶妙。このスケールだからこそ生きる構成ということをよく わかっている。
そしてそれより感心したのが配置。敷地はMTRの高架に面しているのだけど、ちょうど敷地の前に駅がありRCとワイヤーでの吊り橋構造になっていて、その 駅のダイナミックさといい勝負をしている。敷地四方は大通りに囲まれており、当該建物はどの方向からも引いてよく見えて、かつその配置が四角の敷地に対し て角度をつけて振っているので、どの通りから見ても斜めからパースをつけて見ることになり、四方にボリュームが飛び出ている構成の2面が見えるようになっ ていてダイナミズムが生かされている。
敷地北側には大きな夜市があり、そのにぎわいにも負けない強さを持っている。これは完成が本当に楽しみ。開館してからまた見に来たい。
下は工事仮囲いの看板から。

次にまたMTRのred lineで来た道を戻り、大安で乗り換え一駅のtechnology building駅へ。降りて南に大通りを10分ほど歩き、台湾大學のキャンパスへ。その入り口脇にある伊東豊雄事務所設計の大學図書館へ。

◆辜振甫先生紀念圖書館/伊東豊雄
基本的に平日は8:20-22:00まで開館しているようです。くわしくはこちらを。受付でパスポートを預け、ロッカーに荷物を入れて見学可能。撮影OKでした。
場所はこちら
MTRのtechnology building駅を下車。大通りを南へ徒歩10ほど。台湾大学のキャンパスの入口に下のグリッドファサードの図書館棟が建っています。

前面道路に面した、見付の薄い(たぶん150くらい)グリッドの端正な立面の棟の裏に隣接して繋がって図書館はある。(手前のグリッドのRC棟もおそらく伊東事務所かな?家具が同じデザインだったので)。

あれ、これ?と思うくらい小さい。先ほどOMAの建物を見たから余計にそう感じるのか。結論から言えば、構成にスケールが合ってないように感じた。 屋根スラブの小口に対するプロポーションの問題かもしれない。おそらく参照はしているであろうFLライトのジョンソンワックス社屋に比べると、全然良くな い。圧倒的に天井高さが不足しているし、その高さと柱や傘状の構成単位とのプロポーションもぼてっとしている。

もちろん、伊東事務所が標榜する新しいジオメトリーによって、構造的に最適化された傘の配置(=柱の配置)はライトの時代にはできなかったことだろ うけれど、外観をガラス張りにして構成がそのまま現れている様子など、構成を優先しモダニズム的思考で考えればそれしかない、というところなのだろうけれ ど、退屈。その点、ライトはモダンといえど、やはりモダニズム黎明期のモダンはとても幅があり地域的個人的触れ幅が大きかったことがよくわかる。

入り口で見学をお願いしたら、パスポートをデポジットし、指定事項を入力すれば見せてくれた。荷物は外のロッカーに預け(入らなかったので受付で預かってもらい)中へ。撮影もフラッシュをたかなければOK。
隣のRC棟の方が端正によくできていると感じた。ところどころテラスとしてボイドが入っている構成といい、プロポーションといいよくできている。
その棟の図書館部分。ここから新図書館に入り、受付カウンターがある。
中に入ると、その本棚の配置がとてもよくできている。かなりスタディしたのだろうな。渦巻き状になっているからか、どこにいてもそこに入っていくような感 じを受ける。内部のプランは柱と本棚だけでできているようなもの。高さも二種類あり、抑揚がついている。棚自体は竹の集成材っぽい。外周部の机の心材も同 じだった。中国でのシナランバーのようなコスト感なのかな?細いスチールフレームの椅子は案外座りやすかった。
本棚はまだまだ空いている。配架図を見ると 半分くらいが英語の洋書。台湾も香港のように歴史的にイギリスorアメリカの影響が大きいのかな?電車やバスでも台湾語と英語がほぼ対等にインフォメー ションされている。
大學から駅までの間の大通りから一本西に入った通りでは、美味しそうな定食屋が多くあった。やっぱり大學周りの食堂は世界中どこも間違いはない。観光地では全くないので普通に美味しく安いものに出会えるのがいい。

台湾の町は、よく言われる香港よりエネルギッシュに感じた。それはバイクの多さ(原付が圧倒的に多い。二人乗りOKというのも大きいのだろう。けれど自転車、特に黄色いレンタルサイクルもよく走っていて日本と同じ感覚で歩道も走っている)とか、駅や駅前で座って喋ったりたむろしている若者の多さから感じるのかな?ヨーロッパや日本のように環境と健康のためか自転車(それも高級な)に回帰する国々と対比してみると面白い。中国圏もいつかそうなるのだろうか。



その後、一応ナイトマーケットを見ておこうと、Jiantang駅まで戻り、士林夜市を廻ってみたけれど、たまたま日が悪かったのか行った道が悪かったのか、ただのお祭りの夜店が出てるだけのように感じた。歩き疲れて適当に地下のフードコートのようなところで晩ご飯を食べ(普通に美味しかった)、台北駅近くの西バスターミナルから空港へ戻り、ターミナル1のスターバックス前にある長いベンチで横になって翌朝早朝のフライトまで仮眠。



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