209日目 100803 RIO DE JANEIRO



7時半起床。身支度をして出発の用意。今日はリオで自由に動ける最後の日、かつ少し遠い建築訪問二本立てなので、朝一で出発する必要があった。8時前から朝食を急いで食べて、8時半出発。地下鉄に乗りカリオカ駅へ。

地上に出て、東へ海の方へ歩く。15分くらいで港に着く。ニテロイ行きのフェリーが出ている。ニテロイからリオにやって来る通勤客でごった返している。切符を買って改札を抜ける。ニテロイ行き、帰りともに30分に一本のペースで出港していた。残念ながら甲板には出られないので、窓から顔を出して遠ざかるリオの街を眺める。

10分もかからずにニテロイ港到着。改札を出ると目の前にインフォがあったので地図をもらい、バス乗り場を教えてもらう。改札出て右手に歩き、道路を渡った所のバス停から47Bのバスに乗る。(47や47Aではないので注意。ちなみに歩いても35分くらいです。海岸沿いをずっと歩くので道もわかりやすいです)。小さなマイクロバス。

10分くらいで海岸沿いにニテロイ美術館が見えてくる。

Niteroi Contemporary Art Museum (MAC)
Oscar Neimeyer
1996
Mirante da Boa Viagem,24210-390 Niteroi,Brazil

■Rioの地下鉄Carioka駅から東へ10分ちょっと歩き、ニテロイ行きのフェリーに乗ります。2.8R。降りて右に進み、道路を渡った所のバス停から47Bのマイクロバスに乗り10分ほどで到着。港から歩いても35分ほどです。

■火ー日:10-17。外部テラスは9時から開いています。大人10R。内部撮影不可。

http://www.macniteroi.com.br/

10時15分ほど前に到着。既に数人が手持ちぶさたにテラスをぶらぶらしながら開館を待っている。大きさはおよそ想像通りだが、傾斜がかなりきつい。かなりの片持ちっぷり。よくこの一本足で持っているものだ。足下に水盤を置いているのが効いている。水面に反射する陽光がスラブをゆらゆら照らしている。水盤の基壇部分にはレストランが入っており、水平窓から海を望めるようになっていた。スラブに反射して遥か下の波が打ち寄せる音がすぐそばのように聞こえる意外。そこまで計算していたのだろうか。

アプローチの斜路はニーマイヤーの真骨頂。上空から見た写真によるときれいな円弧を描いている。ブラジリアの美術館もそうだが、この人は斜路がとても巧い。平面的な形以上に、アイレベルでどう見えるかということがよくわかっている。手すり壁を立ち上げるのか、他のもの(ガラスなど)を立てるのか、スリットを空けるのか、といった選択も見え方を考慮して決められている。

10時になり中に入る。残念ながら撮影不可。内部はブラジル現代美術。あまり広くもなく、すぐに見終わってしまう。展示はいまひとつ面白くないが、内部プランは予想外に良い。中を廻った上では平面がよくわからなかったのだが、置いてあった平面図の入った本を見ていると、風車型に間仕切りが設けられている。持ち上げられたボリュームの中は二階建てで、上階は全て展示室。下階にエントランスやトイレ、準備室などが入っている。

その本に載っていた断面図によると、片持ちの底面スラブの根本には放射線状にプレストレスワイヤーが入っていた。伏せ図では五芒星のようなワイヤーの配置。そのスラブから柱を立てて屋根スラブと大梁を支えていた。外に出てからもう一度見ても、外壁面は普通にRC打ち放しの上白塗装にしか見えないが、ワイヤーのエンドは埋め込まれているのだろうか。

11時前、美術館を後にする。向かいの崖の上に、アプローチが工事中の美術館ぽい建物もはるか上の方に見えたが、あれもニーマイヤー設計なのだろうか。バスの行きしな、廃墟なのか工事中なのか不明なこれまた建築家くさい建物が見えたので、帰りは歩いて帰ることにする。海岸沿いの道をてくてく歩く。このあたりは別荘地なのかリゾート地なのか、高そうなマンションが多い。小さな橋一本で繋がっている離れ島にも大きな洋館が見える。橋の足下は満潮時は埋まってしまうのか、両側から波が打ち寄せる不思議な砂浜になっていた。ありそうで見たことがない。往き道に見た建物は、地図ではシネマと書いてある。映画館だったのだろうか。フェンスで囲われ入れない。

港まで戻って来て、そこを越えて反対側へ歩く。海からも見えていた、これまたニーマイヤー設計のナショナルシアターがある。写真を取り忘れたが、そこに向かう道にある大きなバスターミナルもニーマイヤー設計らしい。150mほどの長いターミナルコンコースを抜けると、ナショナルシアターなどがあるエリアが見える。が、ここもフェンスが。入り口に居た男に訊くと、オフィシャルしかダメだ、と言っている。昨夜ネットで見付けた方はガイドツアーで見学できたと書いてあったので、訊き忘れたがツーリストインフォで尋ねるとその情報を教えてくれるのかもしれない。外観から見る限りそこまで見たいと思えなかったので、あっさり諦めて戻る。ちなみにニテロイ市はこのエリアに5つのニーマイヤー建築を計画中で、見る限り3棟が出来ていた。が、入れなければ意味がないんじゃないだろうか。付近はホームレス臭が漂う町外れで人を呼び寄せる、というより忘れ去られた場所、という感じだったが。

ターミナルにあったマクドナルドでテイクアウトし、港でフェリーを待ちながら昼食。海を渡り、地下鉄で一旦宿まで戻る。朝から曇り空だったが、リオに戻ってきた辺りから小雨が降り出したので、傘を持ち出して再出発。お次はニーマイヤー自邸。といっても今は彼は住んでおらず、ファウンデーションの管理になっている。英語のgoogleで検索したら行った人の情報があり見学できることが一昨日わかった。アポ要とあったが、昨日ツーリストインフォで聞いた限りでは、一人ならアポなしで開館時間に行けば大丈夫、とのことだった。

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Casa das Canoas (Neimeyer residence)
Oscar Neimeyer
1953
Estrada das Canoas 2310, Sao Conrad

■イパネマよりまだ南のサオコンラッド海岸の山の上にあります。コパカバーナからだとAv.Atranticaからバス#177に乗って、終点まで。(その他の場所からだと、175,176,179,557,750などが向かいます)。そこからタクシーorバス(番号が書いてなかったのですが、確かに所々にバス停マークがあり、登って行くバスがありました。ただ降りていくバスは一台も見かけませんでした)。歩いて登ると片道40分ほど(結構遠い)。2310という番地表示がないのですが、それまでの番地表示から2000番台を越え、そろそろというところで右に曲がるヘアピンカーブの辺りに、駐車場のある入り口あり、そこから見えるのでわ
かります。

■火ー金:13-17。大人5R。中にブックショップもあります。撮影可能。大人数の場合は事前連絡が必要だそうです。tel.24 22 48 26。
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Sao Conradと書いたハイエースは時折止まるが、#177はなかなか来ない。あれでも行けるのかな、と思っているとやっとやって来た。30分ほどバスに揺られる。海岸沿いのうねる片道一車線の道をハイスピードで走る。結構怖い。道も悪く、たまに体が浮く。乗客も皆降りてしまい、自分だけになったのを不審に思った車掌がどこまで行く?と訊いてきたでの、Casa das canoasと言うと、ああそれならまだ先だ、と言い、降りる手前で、この道を上っていけばいい、と教えてくれる。

降りてタクシーを拾おうと思ったが、車線の関係で少し戻らないと捕まえられないっぽい。雨も降っていて面倒なので、歩いて登ってみることにする。道路の名前は合っているので、後は番地が2310まで登ればいいのだが、麓で数百番台。先は長い。このあたりは高級住宅地なのか、大きそうな家が多い。山の手といったところだろうか。ニーマイヤーも高齢になったので、ここを離れコパカバーナに移ったのだろう。登るにつれ、雨もきつくなってくる。歩いているのは2,3人。基本車の道だ。途中まで登ったので意地になって最後まで歩くいたが、帰りはまだしも往きはタクシーをお勧めする。

無事到着。番地が確認できなかったが、駐車場があったのでこれかと思い中に入ると正解。雨の平日もあってか、一人だけしか見学客がはおらず。管理人のおじさんに入場料を払う。あとは自由に見ていい感じ。写真もOK。

地上階はリビングとキッチンといったパブリックスペースになっており、階段を下りた地下(敷地に高低差があるので、外部に面した窓はある)にダイニングやベッドルーム、バスルームがある。最大の見せ場はやはりプールのある中庭から建物内階段に貫通している岩だろう。他のニーマイヤーの建物はどれも平地に建っているが、これだけ自然をそのまま生かして取り込んでいる。そのせいかより一層自由に見える。キッチンの開放感がとても気持ちいい。

今まで見たニーマイヤー建築は、昔見たパリの共産党本部を除いて、内装がある、と感じたことがなかったが(全て大規模な公共建築だから、というのもあるのかもしれない)、ここで初めて見た気がする。やはり内装やディテールにはあまり興味はないように見える。地階の本棚にコルビュジェのチャンディガールのGAが置いてあったのが、やっぱり見ているのか、という感じ。

見学者のためにいくつかの建物の模型が置いてある。ニーマイヤー事務所の模型は初めて見たが、プレゼ用であまり面白くはない。ブラジル国内でも本屋やここのブックショップでいくつかの本を見たが、スケッチと最終図面以外に、スタディ模型や検討図の類が全く載っていない。その過程がみて見たかった。どれだけスタッフが苦労しているかを。

17時前に自邸を後にする。帰りも歩いて帰ると言うと、庭を抜ける小道をおじさんが教えてくれた。雨も止んできた。帰りは30分程度で麓まで到着。荒れる海を少し見に行く。浜辺では少年たちがサッカーの練習をしている。波は高い。

バスをかなり待って捕まえる。行きの177番がかなり待ってもやってこないため、557に乗る。コパカバーナの宿より少し手前でUをきったので慌てて降り、歩いて帰る。途中レストランで食事。宿の戻り、シャワーを浴びて少し作業をしてから23時就寝。



2 Responses to this post

  1. 匿名 says:

    9月12日、竹内さん結婚します。
    二次会は17時からです。
    場所は新風館付近です。
    男性は参加費1万円です。
    参加、不参加を8月12日までに吉野まで。

  2. まつもと says:

    簡潔極まりない業務連絡、ありがとうございます。
    何かの取り立てかと思いました。。
    吉野さんから携帯メールも頂いていますので、追ってそちらに返信させてもらいますね。

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