193日目 100718 CUZCO



8時半起床。話に聞いていたほど寒くはないのは2階の部屋だからのよう。1階は基礎コンがそのまま躯体に立ち上がっており底冷えするらしい。キッチンに降りてコーヒーを淹れる。牛乳と思って買ったのが外れ、豆乳のような味がする。今朝方、自分以外全員がチェックアウトしたらしく宿には誰も居ない。静かだ。高山病の気配は一日経ってもない。時間をかけてバスで来たのがよかったのかどうか。

八幡さんが見えたので今夜までの分を支払う。10時頃出発。ネットカフェに寄ってメールチェックしバスの中で書いていたログをusbメモリ経由でアップ。一度戻る。やはりお腹の調子が悪い。12時頃再出発。宿近くの坂を登って見る。見晴らしがいい。空は雲一つなく快晴。

Tさんに教えてもらったホステル、SAMANAPATA Ⅱ(iではない)は書いてもらった地図の通り、八幡のある路地に入る前の階段を上がり二つ目の路地を八幡と同じ方向に登ると右手にあった。ここに最近は日本人客も流れているらしい。wifiも使えて朝食も付いているとのこと。途中風呂敷を広げて売っていたおばさんから少し購入。どこも同じような品揃えだが柄や色はそれぞれ微妙に違う。

市場の方に向かう。広場には日曜だからか多くの人。ベンチで日向ぼっこしたり、誰かが演説しているのを聞いたりしている。のどかだ。サンペドロ駅前の市場に到着。マチュピチュ行きの電車は今はもうここからは出ておらず、タクシーで20分ほど西に行ったところにあるポロイ駅から出ている。そのためか駅自体閉鎖されているように見える(入ってはいないので詳細不明)。

市場は日曜だからか人は少なめ。大まかにゾーニングされており、外周部に衣類の店、その内側にフルーツやパフェの店、奥に野菜や果物、屋台と分けられている。服屋は他と同じ土産物屋もあるが、普通に現地の人が日常着るワンピースやセーターを売っている店もあり、店先にミシンを出して現にそこで作っている。たくましい。中は野良犬もうろついていて衛生的にはどうかと思うが、いい感じ。賑わっている屋台で昼食を食べる。隣のおばちゃんと同じの、と頼む。ラーメンみたいな麺の入った鶏骨っぽいあっさりとしたスープが出てきて、これじゃ足りないなと思っていると、後からメインの鶏肉と野菜のマリネぽいのが出てくる。予想以上にたっぷり。7s。

食後、サンドミンゴ教会へ。石積みを見に行く。とても精巧な石積み。今の時代でもここまで目地なしに納めるのは難しい。が、出隅や開口部を見るに大物で組積しているにもかかわらず、ここまで目地がないと、逆に張り物に見えてしまうという印象の逆転が意外。これは見てみないとわからない。面白い。

インカの石積みの上に立てたスペインの教会は特に見るところはない。一部美術館になっており、かなりのスパンをガラスのみのカーテンウォールで納めている。木製の梁もたいしたメンバーでもなく、方立ても建っていない。どうやって持っているのだろう。誰もそんなところ見もしていないが、さりげなく凄い。

12角の石を一応見に行く。真ん前に警備員が立っているのですぐに見つかる。すぐ近くの路地に土産物屋がかたまっており物色。値切る。

一旦宿に戻り休憩してから(坂を登るだけで息切れする。さすが高地)、ネットカフェでメールやり取り。宿に戻る。今日はやはり一人のようだ。夕食を作ろうとガスコンロの火をつけるチャッカマンが点かない。ガス切れしている。誰もいないので、隣にある八幡さんのお宅に何か点火できるものはないか訊きに行く。当初からサービス業なのに目を合わせない変わった人だなぁと思っていたが、「そんなの自分で用意してもらわないと困るなー」と言いながら、面倒そうに探して奥から別のチャッカマンを持ってきて下さり、キッチンで火をつける。元栓も閉められていた。今朝からどうもおかしかった片方のコンロがノブが取れる。そちらが閉まらなくなっておりガスが出っぱなしのため元栓が閉められていた模様。安全のためどちらも点火して、八幡さんは自宅に戻られる。使用後の処方を一応確認しておこうと追いかけると、「そんなことでいちいち呼ぶなよなー」とぶつぶつ言われながら上がっていくのが聞こえる。

一応振り返って考えるが、宿のキッチンに不具合があり使えない場合、オーナーが対処するのは「そんなこと」ではないと思う。そういうのってとても気分が悪い。ここに限った話ではないが(いちいち自分が書くまでもないと思っていたけれど)、日本国外にある日本人宿は
日本語が伝わる、という最大かつ唯一のメリットを除けば、基本的に同価格の付近の宿より設備やサービスは劣る。これは国外に出て、つくづく日本人の(自分も含めた)民族性と言っても過言ではないサービス精神の根深さから考えてとても意外だった。

彼らは基本的に宿、ホテル経営をなめている。地球の歩き方に載っていることで(彼らも更新がvividではないので)定期的にある程度の集客が絶えないため、何十年経っても同じサービス、同じ設備でいいと思っているのかもしれない。けれど着実に付近の安宿、フレンドリーでwifiなどの設備のある清潔な宿に日本人客も、特に旅慣れているバックパッカーを初め、移っている。同じ日本人として、このことはとても不思議だし、残念に思う。別に日本民族が、などこれっぽっちも強い気持ちはないけれど、生まれた血の強さと生活する文化の強さでは後者が勝つのだということを知った。

もちろん、そうでないすばらしい日本人宿もある。メルズーガの宿や、メキシコシティーのサンフェルナンドはとても居心地が良かった。けれど、少なくとも自分が経営した方が三倍はいい宿にできるだろうとさえ思える日本人宿が多い。彼らはプロではない。わざわざ自分がこんなことを書かなくても、資本主義の自然淘汰により客足は遠のくだろう。半ば愚痴っぽいが気分の覚え書きとして書いておきます。

9時前、マチュピチュから帰ってきた方が一人チェックインされる。自分と全く同じ経路なので、色々参考になるお話を伺うことが出来た。明日は早いので23時就寝。



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