147日目 100602 NEWYORK



8時半起床。朝食を食べてから残された行っていない所をピックアップし、ルートを組む。
10時過ぎ出発。イサムノグチ美術館に向かう。

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Isamu Noguchi garden museum
Isamu noguchi
1985
3237 Vernon Blvd,Long Island City

■地下鉄N or Wに乗ってBroadway駅下車。地上に出て目の前のBroadwayをまっすぐ北西に歩き(イーストリバーの方向)、突き当たる交差点を道なりに左に曲がっていくとすぐ見えます。徒歩15分程度。

■大人10$。1000-1700、月休み。内部撮OK。

http://www.noguchi.org/
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地下鉄に乗ってマンハッタンの外ロングアイランドへ。降りると結構雰囲気が違う。道すがらスーパーがあったので入るとさすがミッドタウンより安い。炎天下の中歩いて到着。

美術館は近年補修されたのか、外壁が写真で見ていたよりきれいになっている。荷物を預け早速中へ。
内部は外見よりかなり広い。作品点数も四国の庭園美術館より多い。それぞれすばらしいものばかりで、写真も撮るのでくたくたになる。
途中、建築/ランドスケープのプロジェクトのマケットもあり、ルイスカーンとのアンビルトの計画もあった。石彫の形のバリエーションはとても多い。板金の作品も二次元からの空間の作り方が面白い。おおよそ見て、カフェで一旦休憩。重さに迷うもここの美術館のノグチ自身がテキストを書いたカタログブックを購入。Akariの和紙ポスターもかなり購入欲をそそられたが折らずに持って帰れないので、日本で探すことにする。

結局4時間も観覧して外に出る。それくらい盛りだくさん、これだけこの旅行中、美術作品を見ていると自分がどういうものに惹かれるのか、その傾向がよくわかる。やはり立体、noguchi, Hepworth, Arp, Moore, Branqusi, Chillidaはどれをどこで見ても面白い。抽象的な彫刻なのに、どうしてこんなにいくら見ていても飽きないのか不思議。形の生成方法、面と曲線の切り替えなど参考になるポイントは数知れない。

地下鉄に乗り、SOHOまで一気に南下。地上に出ると人でごった返している。プティックが軒を連ねる。

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Storefront for art and architecutre
Steven holl
1993
Kenmare Street 97,10012 New York,United States

■地下鉄NorWでprince St下車。Broadwayを南下し、KenmoreStを東へ曲がりまっすぐ歩くと左手(北側)に見えます。
■火ー土、11-18、無料。現在建築と美術のギャラリーとして機能していました。内部撮影可能。
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いくらか迷ってから到着。外壁は思い切り道路に回転してせり出している。この効果は大きい。大通りから少し外れたところにあるが、それでも道行く観光客は建築関係でなくとも写真を撮ってしまう。

外壁はStFB枠にフレキシブルボードを底目地で丸頭ビスで留めている。ラフな納まり。コーナーを丸く回しているところは写真では気づかなかった点。中に入ると写真家の展示をやっている。中と外の繋がり具合が思ったより近い。通りを歩く人の話し声まで聞こえる。本当に道の延長のような空間。この浅い奥行きの敷地の使い方としては、とても上手い解答だと思う。

奥の本棚にはなぜかCCA北九州のカタログがずらっと並んでいる。非売品だが閲覧はできる。どうして?何かここと関係があるの?と受付の男に訊いたが、彼もバイトでわからない模様。

近くの屋台でチキンライスを買って公園で食べる。遅い昼食兼夕食。
ユニクロNYに寄ってみる。日本での価格帯より少し高め。安い、というよりオシャレ、というイメージで売っていく戦略のよう。Wanderwallのデザインは竣工時から随分変えられている気がする。

OMAのプラダSOHOを随分歩き回っても見つからないので、リストを取り出し住所を確認すると、目の前にあった。歩き回って疲れていたのもあり、どう見てもプラダで買い物する服装でないので黒服の大きなドアマンに怖じ気づき、入らずに後にする。

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prada NY
OMA
2001
Broadway 575,NY 10012 New York,United State

■地下鉄Prince St駅から地上に出ると目の前にあります。Broadway側にエントランスがありますが、Pradaのサインもカッティングシートでガラス面にあるだけでわかりにくく、またイメージにある大階段は奥にあり、通りから見えにくいので結構わからず通り過ぎてしまいます。575、の番地名がファサードにあるので、それが一番わかりやすいです。
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今日は20時に友人が教えてくれたギャラリーのアポイントがあるのだが、まだ少し時間があるので、住所のわからないブロイやーのNewyork Universityのホールを探してみる。地図では当大学はすぐ近くにあるので。が、やはりそんなにうまくは見つからない。1961の建物なのでもう建て替えられているのかもしれない。

歩いていると何やらきれいなファサードがあったので、近寄ってみるとNY architectural center だった。ツーリストインフォでパンフレットを見て存在は知っていたが、時間もなさそうなので行けないだろうとマークしていなかったのに、たまたま行き着く。なにやら人が多い。入り口の黒人に入って良いの?と訊くと、フリーだからどうぞ、と通してくれる。どうやらAIA(American institute of Architectだったかな?)が新しく出版した40年ぶりに改訂したNY建築ガイドブックの出刊記念パーティに当たった模様。AIAの偉いさんらしき男がスピーチをしている。いくらかフォーマルな人々が続々入ってくる。ガイドブックはすばらしい詳細な記述で欲しくなるが、枕に出来そうなくらいの分厚さなのでもちろん買えない。

いい時間になったので駅へ戻り、地下鉄でハーレムへ。145Stで下車。夕暮れ時で何やらちょっと物騒な感じだなぁと思いながら、教えてもらったギャラリーへ向かう。(後で聞くと、そう見えるがラテン系が多く賑やかなだけで、全然安全らしい)。住所を控えてきていないことに気がつき、アパートの名札を見て行くも、名札自体どこも出ておらず、ここでパソコン開けて見直すのもなぁと探していると、ちょうどHさんが出てきてくれる。

大阪のギャラリーヤマグチに勤務されていて、渡米し1年半、つい先週openしたギャラリー。同じくヤマグチに勤務する友人がここのオープニングレセプションを教えてくれたのだが、生憎ボストンに発つ予定が決まっていたので変更できず、お伺いできなかった。ギャラリーは細長い廊下のスペースをインスタレーションに使っている。福岡舞子さんの展示は和紙を床のタイルに貼り、その上を自作のクレパス?でフロッタージュするように塗り
つぶしたもの。最初和紙と気づかず、床に塗っているのかと思ってしまった。その上を歩く。作品の上を歩く、というのは珍しい体験。壁面に掛けられた同じく床をフロッタージュした和紙をパネル化した作品も、筆致がわからず面白い。

Hさんの話の中で、NYは夢が叶う街だというのが印象に残る。日本だと一度何かにドロップアウトしてしまうと、もうその世界では再起が難しい雰囲気があるが、ここでは何度30点を取っていても、一度100点を取れれば上に上がれる。ギャラリーがしたいしたいと言い続けていると、それを手助けしてくれる人が必ず現れる。人の夢を手助けするお節介焼きが多いそうだ。それを聞くとなんだか素敵な街だなと思うが、一方、階層的には、富裕層と貧困層の二つしかないらしい。日本のような中間層がない。貧困層が上に上がれることは滅多にない。それはそれで厳しい世界だ。

お礼を言ってギャラリーを後にし、22時頃宿に戻る。作業をして0時過ぎ就寝。



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