朝7時起床。緊張のせいか目覚ましより早く起きてしまう。日本で免許を取ってから運転したことがないに等しいのに、外国で初めての、しかも長距離運転。おそらくこの旅一番の難関。朝食を食べて余った時間で少しログを書いてから出発。せっかくこのために一応買ったサングラスを忘れて取りに戻る。今日はMemorial dayでそのタイミングでせっかくDCに居るのに、丸一日離れてしまうというのも勿体ない気がする。イベントなどあるのだろう。大統領の演説とかあったりするのだろうか。

地下鉄も事故か遅れていたせいで9時の予約に15分ほど遅れてユニオンステーーションのAlamoレンタカーカウンター着。2階のパーキングまで行き、貸し出し手続き。ガソリンを満タンで返さなくてもよい先払いでお願いすると、窓口で見た料金よりえらく高いので料金明細を確認させてもらってから、サインする。窓口で見たのは一ガロンあたりの値段だったのだ。満タン分を先払いする代わりに、返すときは満タンにしなくてよい、という方式。(ちなみにDCからfallingwaterまでは満タンでも少し足りないくらいガソリンを消費するので、プリペイドの方がお得です。)

レンタカーはHerz,Avis,Budget,Daller、Alamoを比較した結果、ここに決めた。日本語のサイトがあったこと、かつ予約が近日でもOKだったこと(日本出国前に予約必要なところが他は多かった)、ユニオンステーションの窓口が祝日でも開いていたこと、少しだが同じ保険などの条件で最も安かったことから。従兄弟の話では、大きいところだと違反の罰金の代払いもしてくれるらしい(アメリカの違反は小切手で支払う必要があるらしく、海外からは結構面倒らしい)。

窓口が閉まる22時までには帰って来れない場合、借りたこの場所に車を返して鍵を窓口の返却ボックスに入れればいいこと、ナビの設定の仕方、出口から予定している道への行き方を訊く。よく見ると予約した日産車ではないため、訊いたらここには日産車がないため、料金同じで一回り大きいシボレーに代えてくれたらしい。小さい方が扱いやすいのに、と思いながら納得する。

運転席に座り、各種ボタンやミラーの確認。アメリカドライブガイドもせっかく用意したのに、自分のミスで日本に送り返してしまったため、微かな記憶を頼りに時間をかけて確認する。後部ウィンドウのワイパーらしきトグルの使い方がどうしてもわからない。(後で困ることになる)。

地図で今一度経路を確認し、10時過ぎやっと発進。駅のパーキングを出て公道に入る。信号を曲がっていきなり逆走。大通りで五叉路くらいで両車線も別れているため、車が走ってないと複雑でどれがどれやらとてもわかりにくい。車が少ない時でよかった。(結局2回逆走した。車の居ない曲がり角で間違えそうになる)

どうもナビがしゃべらないと思ったら、GPSがオンになっていない。路肩に停めて、設定をいじる。しゃべるようにはなったが、拡大縮小しかできず、スクロールができないため、先の道を確認できない。不便。入力した住所と表示される番地がなぜか違うのだが到着地を確認できないので困る。というのは、falling waterのwebsightに詳しい行き方が載っているのだが、普通にGPSに住所を入力すると、舗装されていない道を表示してしまうことがあるので、注意!と書いてあったから。(その後、このサイトの行き方とGPSの選ぶルートが異なるため、困ることになる)。

なかなかワシントン市内を出られない。ことごとく曲がるべき所が曲がれない。ナビが英語で喋るのだが、通り名などは言ってくれないので画面の曲がり角がそこかどうかが、今一わかりづらい。一時間くらいぐるぐるまわってやっとフリーウェイに出る。それからも何度か分岐を間違える。調べていた道順は全く役に立たない。

フリーウェイに出てからは逆に信号も曲がり角もないため楽。時速65マイル(およそ100kmちょっと)が多くの場所のリミットスピードと看板があるのだが、守っているとどんどん抜かされる。気にする必要はないと思っても、すぐ後ろに付いてくるのでそれが結構怖い。大体皆5~10マイルオーバーで走っている。眠くならないように、とガムを買ってきたが噛む方が口が渇いて困ることがわかった。緊張のおかげであくびは出ても全く眠気は感じない。

4時間くらい走ってようやく近くまで来たことがわかる。が、どうも道が違う。サイトの道順とは違う道からナビゲートしているようで、引き返したりして時間を食う。(それでも結局違う道から行ってしまう。舗装はされていたが山道でちょっと怖い。)。途中いきなり豪雨が降り出したかと思うと、急に止む。山だから天気も変わりやすいのだろうか。

route381の左手にfallingwaterの看板が出てきてやっと到着。パーキングのゲートで予約時間と名前を言うとレシートをくれる。運転およそ4時間半、10時に出発して、結局15時過ぎ着。遠かった。16時に駐車場の入り口ゲートが閉まってしまうので危なかった。近くのKentuck Knobのことをすっかり忘れていたことに着いてから気づいたが、二兎を追わなくてよかった。絶対間に合っていないはず。パーキングにはざっと見て50台くらいの車が停まっている。大賑わい。よくもまぁこんな遠いところまで来るものだ。人気は建築関係者だけでないよう。

visitor centerでチェックインし、ツアーまで一時間ほどしかないので、休む間もなく急いで売店(16時半で閉まってしまう)とビューポイントを廻る。道にはウッドチップが敷かれており感じが良い。これなら土に還る。ツアーはひっきりなしに廻っているようで、多くの観光客が見える。一回りするともうツアーの時間。写真撮影が可能なIn depth tourは朝8時半からと夕方四時半からがある。朝にしなくて本当によかった。絶対に来れていない。

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Fallingwater (Edgar J. Kaufmann Sr. Residence)
Frank Llyod Wright
1936
Mill Run Road 1491,PA 15464 Mill Run,United States

■車以外では行けません。最も近い街はGreensburgで、DCからグレイハウンドかアムトラックで7時間70ドルほど、そこからfallingwaterまでは車で50分。次はPittsburgで同じくDCから8時間ほど、70ドルほど、そこから1.5時間。その他各地からの行き方や時間などサイトに詳しく載っているので下記urlを参照下さい。

結論から言えば、ピッツバーグまで行き、そこで一泊してでもそこから行く方がいいと思います。DCから日帰りは可能ですが下記のようにかなりハードな行程になります。DC-Pittsburg-Cinsinaty-Chicagoと陸路で西に向かうのが効率的そう。

DCから車で向かう場合はホームページの道、特に最後、route40から381に入る方が、付近にガススタンドもあり、かつ道も山道でなさそうなので良いと思います。ナビは40から早めに曲がろうとしますが、それを何とか耐えて下さい。

また近くにライト設計の住宅Kentuck Knobもあり、そこも同じように数種類のツアーがありオンラインで予約できます。

■ ホームページからオンラインでチケットを買えます。撮影可能なツアー65$と不可能なツアー18$など数種類のガイドツアーがあります。前者は早めに予約しないと売り切れるようです。写真撮影は外部からなら誰でも撮れます。撮影した写真への禁止事項がかなり細かく厳しいので、残念ながらアップできません。悪しからず。

http://www.fallingwater.org/
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ツアーは二組に分かれ時間差で出発。10人ほどのグループ。英語がちょっと早く正確に聞き取れない。構造について、プレストレスコンクリートであるようなことを言っているように思うのだが詳細不明。石は近くで採れる石らしく、カウフマン氏の敷地内のため無料だそうだ。ライトの設計料が8000ドルと言っていたように思うが皆驚いていたので日割りだろうか。8000ミリオンだろうか。

建物はキッチンが裏手の地下にあり(といっても敷地に高低差があるのでどこも外部からアクセスできる)、表にエントランス、1階にリビング、2階にカウフマン夫妻のそれぞれの寝室、バスルーム、、3階に息子の寝室、リビング、バスがある。

リビングルームに入ると広さの割に天井がとても低い。2300-2400くらいしかなさそう。視線を外に向けるためとのこと。ソファーコーナーが二つ、ダイニングが一つ。ダイニングテーブルの脇にある戸棚から引き出す天板とテーブルを合わせれば20人分の食卓になるらしい。リビングの開口部はテラスへ出る掃き出し窓以外は、どこもソファを前にして低めの窓になっている。その腰壁のありようからか、どことなく日本っぽい印象を受ける。

建物の大きさの割には、各ベッドルームはかなり狭い。日本の住宅並の広さ。天井はさらに低く、窓際では2000程度しかない。

作り付けの家具から椅子、テーブルまで全てライトのデザイン。地下のボイラーが熱源のオイルヒーターは各室の作り付けのデスクやソファの端に上手く隠蔽されている。クローゼットの扉は模様を合わせた突き板。おそろしくお金がかかっている。(工事費を解説していたが、忘れてしまった)。内部のシャツ入れ棚までちゃんとデザインされている。丁番もここ用に作られたのだろうか。他で見たことのないとても小さな丁番。照明も既製品は一切無く、ダウンライトまでことごとくデザインされている。所員が多かったにしても、このエネルギーには感服する。

一度建物を出て、階段上に伸びる庇(片持ちで良く持っている!)のアプローチを登ると別棟のゲストハウスに行き着く。母屋が予定以上に莫大な工費がかかったため、建築家でタリアセンでも学んだ息子カウフマン Jrが設計した(?)らしい。母屋の経験から天井を450ほど高くし、その分ハイサイドライトを設けている。

ゲストハウスの隣には保存協会が現役でオフィスに使っている建物がある。ここはレギュラーツアーでは見れないらしい。(見れなくても良い気はするが)。最後に保存協会の紹介映像を見せられて終了。延べ2時間。この時間のツアーが最終のようで、既にビジターセンターおよび店舗関連は全て閉まっており、駐車場もほぼ空っぽになっている。さて、これから帰らなければならない。

持ってきていた果物とパンを食べ空腹を満たしてから(結局お昼もSAの出口がわかりにくく、降りれなかった、かつ時間もなかったため食べれず)、ナビをセットし出発。ガソリンがもう半分を切っているのでどこかで入れないといけない。最寄りのガススタンドをvisitor centreで聞いておいたのに、ナビに従っていきなり違う道に入ってしまう。Uを切れる場所も見つからず、あきらめてそのまま進む。

フリーウェイでガス欠になったらシャレにならないな、と不安になりながらガススタンドに注意しつつ進むも、フリーウェイの乗り口近くで一軒通り過ぎてしまう。結局、その後道を間違えたてフリーウェイを降りたところに見つかる。ガソリンを入れるのは初めてで勝手がわからないのでたまたま居たおじさんに教えてもらう。満タンにして出発。これで不安が一つ減った。後ろの窓が水滴で見えにくいのでワイパーを動かしたいが色々試しても動かない。仕方なく手ぬぐいで拭う。

帰りも雨。おまけに日も暮れて夜道。何から何まで初めてを経験させてくれる。

やっとワシントン近くでフリーウェイを降りる。と、また道を曲がり損ね、ナビが最提示した道を行くと、検問しているゲートがある。迷ったアジア人とわかったのか、通してくれる。どうやらセキュリティのかかったワシントン北部のマンションの敷地のよう。ナビの示す道には門が閉まっており、二周廻って結局元来たゲートから出る。

ユニオンステーションまで来てもパーキングの入り口がわからずぐるぐる廻って、ようやく到着。ちょうど深夜0時。5時間かかった。結局今日一日で10時間ほど運転したことになる。右足が張っている。目安では片道3.5時間と書いてあったが、予想以上にかかってしまった。逆走2回、道を間違えること10回、近く。想像以上に疲れた。なるべくなら二度と乗りたくないのが正直なところ。自分の車とか、隣に誰かが乗っていたりすると、もう少しましなのかもしれない。

窓口のボックスにキーを返却し、くたくたに疲れた体で、既に地下鉄も終わっているので、歩いて30分ほど、宿まで戻る。まだ多くの人が起きてpcに向かっている。これだけいっぱい人が居るのに、皆それぞれのpcに向かっている光景はちょっと異様。お腹が空いていたが今から作る元気もないので、持っていたリンゴを食べて倒れるように1時半頃就寝。



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