112日目 100428 COPENHAGEN




7時半起床。コペンハーゲン最後の一日なので残りを一気に廻るつもりで朝9時出発。天気はいい。電車に乗り、Islevへ向かう。

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Islev church
Inger&Johannes Exner
1970
Slotsherrensvej 321,2610 R?dovre
■S-tog C線Islev駅下車、徒歩25分ほど。バス166のバス停が最寄りにありましたが、コペン中心部からは乗り換えが必要そうなのでややこしそうです。
■月-金0900-1300と書いていましたが、当日は水曜日なのに葬儀をやっているような雰囲気で、入り口にいた人に訊いたら12時から1時の間なら見れる、と言われました。イレギュラーな日だったのかは定かでありません。入り口にカメラ×のマークがあったので撮影禁止だと思います。
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駅から結構歩くと道路際、南側に見えた。大きい。40年前よりもっと古い建物に見えるが、近づくとスチールワークがミースの影響を感じさせる意匠で時代を感じる。扉が閉まっているのでおそるおそる開けてみると喪服を着た男が立っている。中を見たいのだけど、と訊いたら昼12-1時に来たら見れるとのこと。

次の小学校へ行こうかと思い歩き出したが、12時まで1時間ちょっとなので逆に帰ってくる方がしんどそうなので、バス停のベンチに座って待つことにする。かばんに入っていた昨日のユダヤ博物館で購入した本を読む。

12時少し前に教会前に移って待っていると、おばあさん達が何やら井戸端会議しながら集まってきている。何か集会があるらしい。12時ちょうどに入ってみて入り口に立っていたおばさんに話してみると、奥のおじさんに何やら訊いてOKが出る。どういう仕組みがよくわからないが見て良いらしい。

ホールに入ってみると、なかなかすごい。待った甲斐はあった。煉瓦積み(構造か?)の壁に木造の屋根を乗せているのだが、四周にトップライトのスリットを採るために、吊りトラス構造のような架構になっている。梁は全て挟み込み+ボルトでジョイントしてある。平面はきれいに正方形で17.4m角、高さ21mの部屋。

少ししてからおばさんが入ってきてデンマーク語で何やら言ってから電気を付けてくれた。親切。シーリングランプが付くとよりきれい。ランプ自体のデザインもよくできている。壁面を見ると南面だけ煉瓦積みに隙間が空いている。何だろうか。隣はがやがや食事の音がするので部屋だと思うのだけど。四周の壁には燭台が並び、煉瓦が焦げた感じもまた良い。

写真が撮れない(どうしても撮りたくて一枚だけ撮ったけれど)のでスケッチでメモしていると、十字架の背後だけ煉瓦壁が少しへこませてあることに気づく。そこだけ光が多く落ちてくるようになっている。足下にも窓がある。神父のための台?も煉瓦で出来ている。なかなか力業。十字架の反対側のコーナーにはパイプオルガンが鉄骨柱で持ち上げられたロフト上部に設置されている。柱も変わったデザインで石山修武さんのような意匠。こんな遠いところでそんな形に出会うとは思わなかった。椅子も床からカットTを加工して支持体を造り、木の背と座を乗せている。

入り口側への開口部もまた普通でない。垂直でなく斜めに開口を設けているため、木引戸を開けても見通しにくいようになっており、ななめの煉瓦とのコーナーの処理が煉瓦をか?み合わせたようになっており、必然的な装飾になっている。よくできてるなぁ。

おじさんが電気を消して強制的に出ていけサインを出してきたので、お礼を言って退散。今一システムがよくわからない。歩いて次の小学校へ向かう。

大通りから少し入って住宅地っぽい所に学校はあった。ここもほぼ平屋で遠くからは全然目立たないし、どこまでが敷地かよくわからないくらい地域に混じっている。

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Nyager skole
Arne Jacobsen
1964
Nyager V?nge 14, R?dovre

■S-tog C線Jylingevej駅が最寄り、駅から歩いておそらく30分ほど。上記の教会から歩いて25分ほどでした。
■入り口あたりにいた大人に声をかけたらkontolに連れて行ってくれました。そこが職員室のようでそこでプランやパンフレットまでもらえました。とても快く自由に見学を許してくれました。
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ここもムンケゴー小学校同様、とてもフレンドリー。北欧の学校はみんなこうなのだろうか?
またもや授業風景は見えず、子供がひたすら走り回っている。本当に一度カリキュラムを調べてみたい。授業時間はあるのだろうか?

ムンケゴーと同じように廊下は低いところで2000ちょっとしかないが、ハイサイドライトがあり高低がついている。ここは教室数がもう少し少なく、背骨のように廊下が中央に走り、そこから枝分かれして前室→教室、というプランになっている。教室からしか行けない中庭があるのは同じ。こちらの学校の方が若干高さ方向の寸法が大きい。図書館もかなり空間の背が高い。

パンフレットに載っている写真は開校当時のもののようで、トップライトに直結されていたショーケースなどはなくなっているが、ほぼそのまま使われているよう。50年前の校舎が今も現役というのはすばらしい。しかし子供が元気だ。

お礼を言って後にして次もヤコブセンの建物へ。これが結構遠い。ちょっと不安になってきた頃に見えてきた。高さが低く道路から大きな前庭をとりセットバックしているので遠くから見えないため目の前まで来てやっとわかった。見付けて一安心して、前のベンチで遅いお昼を食べる。

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RØdovre town hall & Library
Arne Jacobsen
1956
R?dovre Parkvej 150 ,Roodovre

■上記と同じS-tog C線Jylingevej駅が最寄りですが、上記小学校からさらに南に下るのでより遠いです。徒歩45分くらい。大きめのバスターミナルがあったので、バスで来れるのかもしれません。コペンのツーリストインフォで訊いてみることをお勧めします。
■town hall:月ー金1000-1400、木曜-1800、library:月ー木1000-1900、金-1700、土-1400。
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市庁舎は残念ながら一時間ほど前に閉まってしまっていた。ファサードのサッシが巧い。玄関のガラスから除くと階段が見える。が、どうもぼてっとしている。ヤコブセンといえば階段、というくらい楽しみにしていたのだが、どこも実際に見てみるとあまり感心するような出来ではない。ぼてっとしている。塗装が何度も塗り直されているからだろうか?

向かいの図書館は開いているので入ってみる。ここも螺旋階段が見たかった。奥にあったが、地下に降りていく形で、立ち入り禁止になっていたので詳細には見れず。(今考えれば特別に見せて、と言えばよかった。疲れていたのだと思う)

時間もかなり押している(歩く時間が長すぎた)ので、次へ。40分ほど歩いて駅まで戻る。
回数券が尽きたので窓口もないので自販機で切符を買う。これがよくわからない。ゾーン制なのだが、今居るゾーンから目的のゾーンとの差を買うのか、今居る所は関係ないのかがわかりにくい。タッチパネル機でないので英語表示も出来ない。中央駅に置いている案内にもゾーンの図は表示が無く、そもそも英語表記の案内が全くない。

と、いちいち書いているのは、この後車内で検札に引っかかったから。ちゃんと買ったつもりなのに、どうやら足りなかったらしくパスポートまで見せろと高圧的に言われる。金額が足りなかったのは事実だが、ツーリストにわからないインフォメーションしかないのに高圧的に言われるというのもかなり腑に落ちない。結局次の駅で降りてもう2ゾーン分買い足せば良い、と言われたのでその通りにする。気分が悪い。

デンマークは親切な人ももちろんいるのだが、どうも印象が良くない。物価が高いせいもあると思うが、コペンハーゲンの街自体も晴れていてもなんとなく陰気な感じがある。なぜだろう?街並みのせいだろうか?

目的の駅を降りてバス停の時刻表を見ると行ったところのようなので、歩いて向かう。また結構遠い。さすがにちょっと疲れてきた。

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Ordrupgaard Museum Extension
Zaha Hadid
2005
Vilvordevej 110,DK-2920 Charlottenlund,Denmark

■S-tog C線Klanpenbourg駅下車、駅前からバス388で5分ほど。徒歩だと30分ほど。歩いて行くと途中から標識が出てきます。
■月休み。1000-1700、水曜-1900。大人90dkk。当日はフィンユールハウスが技術的問題により一時閉館の張り紙があったので、この金額にそれも含まれているかは不明。
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サイトの情報通り七時まで開いているか心配だったが、それは変更なかった。が、エントランス扉にまた不吉な張り紙が。目的の半分だったフィンユールハウスがクローズになっている。うーん、ついてない。仕方なくザハの新館から見る。

ブラックコンクリートによる躯体だが展示計画が合っていないのか、あまり面白くない。企画展もコレクションも印象派のものが主。お手洗いの洗面台まで作っていたのはさすが。フィンユールハウスのこの美術館出版の本があり迷ったがデンマーク語しか表記がないため見送る。ドローイングがきれいだったのでそれだけポストカードを購入。

さっと一通り見て気が済んだので帰りはバスに乗って駅へ。コペンまで戻る。

ツーリストインフォ前で自転車を借り、デンマーク建築センターDACへ向かう。たまたま何かのパンフレットに載っていて見付けた。ホームページを見てみると、ちょうど3XNの展示をやっており、水曜の夜が無料なので最後に行ってみることにする。

手前に建築協会?的な建物がありそこも何か展示をやっており面白そうだったが、既に閉まっていた。運河際にDACはあった。やたらと自転車が留まっているので入ってみるとすごい人!どうやら今日はペチャクチャナイトの日のようで、奥のホールでちょうど始まったところだった。入りきれない人だかりになっている。とても多くの建築学生っぽいオシャレな若者がうようよいる。どこも同じだ。というかこんなところがあったとは。日本でいうギャラリー間のような感じか。

展示もかなり力が入っている。というかプロジェクト数も規模もかなり大きい。デンマークのBIGやJSDと並ぶ三大若手事務所といった感じだろうか。それぞれ形の作り方が巧い。模型やCGレベルではとても面白そうな形だが実際はどうなのだろう。レンダリングがとてもきれい。

併設の本屋もかなり充実している。壁一面に建築本が並んでいる。GAが今月号まであるのには驚いた。本当にどこに行っても日本の建築家の本が結構な量置いているのには驚く。そりゃ皆日本の建築家をよくしっているはずだ。

ペチャクチャナイトは全然入れそうにないので、閉館時間少し前に出る。九時前で暗くなり始めているので、完全に日が暮れる前に帰る。無料自転車はライトがついていないので暗闇で走るには少し怖い。宿近くに停めて無事帰宅。外観だけでも見ようと思っていた建物を2,3軒見れなかったが(さすがに歩き疲れた)ほぼ全てデンマークで見たいものは見れた。どうやら今日は部屋は自分一人らしい。荷物の整理などして、作業を少ししてから早い明日に備え23時半就寝。



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