撮影:吉田亮人
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着手時までに数回の改修を行っていた築50年強の木造二世帯住宅の改修。
建築当初は、2階に亡き表具師であった祖父のアトリエを持つ単世帯住居であったが、親世代の同居に伴い二世帯住宅へ既に改修されていた。
今回、親世帯を2階から1階へ、子世帯が2階へ移住するにあたり、水廻りの増設と耐震補強(屋根の軽量化、耐震壁増設、柱頭柱脚金物増設)、断熱補強を伴う改修を行った。
1階においては、両世帯の車を駐車できるよう下屋を減築し、それによって新たな庭と採光通風の改善をもたらした。
2階では、屋根軽量化に伴い一部寄棟に変更することで、北側にハイサイドライトを設け、採光と気積の確保をもたらした。
全般的に細かく間仕切られていた室群を繋げて大きな空間を作るにあたり、残らざるを得ない柱列による「仕切られている感」を中和するべく、天井や造作家具を貫通するように配置している。
以前の改修で塞がれていた小屋裏を開いて建築当時のアトリエの姿に戻し、祖父が使っていた作業台天板(かぎ場板)に新たに脚を設計してダイニングテーブルとして再利用する等、郷愁と創造が共存できる場を考えた。
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2Fキッチン上部に北向きハイサイドライトを新設
2FキッチンカウンターはTanzen制作。天板左官は中野組施工のオルトレマテリア
南側開口部のハニカムスクリーンを降ろした状態
2.7mのダイニングテーブルは既存"かぎ場板'をリペアし、新規脚を設計・制作して使用
2F洗面天板は貝殻タイル(Tanzen制作)
キッチン天板オルトマテリアは貝殻研ぎ出し仕上げ(中野組施工)*
キッチン引き出し箱組は蟻組み、杉集成材素地仕上げ(Tanzen制作)*
1F共用玄関より奥の和室まで見通す
下足箱収納(Tanzen制作)
玄関の土間収納を全開にしたところ
1Fリビングより玄関を見る
1Fリビングダイニングから庭を見る
竣工: 2021年3月
用途: 専用住宅
建築地: 京都市
構造: 木造(改装)
階数: 2
建築面積: 91.95㎡
延床面積: 171.59㎡
設計・監理: みささぎ一級建築士事務所/松本崇
構造アドバイス:エスキューブアソシエイツ/上島弘之
家具製作:Tanzen/前田智之、森瀬大地
キッチン左官工事:中野組/中野隆太
施工:高橋工務店/高橋正明
撮影:繁田諭写真事務所/繁田諭(*のみ:松本崇)
(in English)
completion: Sep, 2021.03
type: house
location: Kyoto, Japan
structure: Timber (renovation)
storey: 2
foot print: 91.95 sqm
total area: 171.59 sqm
architect: misasagi
contractor: Takahashi Komuten
photo: Satoshi Shigeta (*:Takashi Matsumoto)