7日目 100113 AHMEDABAD



0800起床。ぐっすり休む。
0930出発。インド経営大学へ向かう。

昨日繊維会館の彼にローカルバスがある、と聞いていたのでバススタンド周辺で尋ねると151番のバスで行けるとのこと。しかしまだ止まってないのに乗り込み始め、目的地に着いても降りられそうにない込み具合を見てさすがにこれは乗れない、とオートリクシャを呼び止める。10分強走って到着。

入り口から警備が厳しい。インフォメーションで記帳して入館。
キャンパスはカーンの作ったオールドキャンパスと、2005年に完成したニューキャンパスに道を隔てて分かれている。キャンパス内は外の喧騒がうそのように静かで緑豊か。学生も皆愛想がよい。

しかし、すばらしい。
おそらくカーンはインドで、レンガアーチと通風のためのガラス無き開口という二つの要素を梃子にして、ここのデザインを進めたのではないか。


垂直要素の壁は全てレンガ造で、スラブは全てRCとなっている。(これはジャイサルメルで見かけた工事現場でもそのように作っていた。型枠は金属の弁当箱のようなもので、足場は丸太がまったく垂直関係なしにヴィラダラバの柱のようにランダムに立てられていた)

そのジョイント部分のアーチとの絡め方もすばらしい。アーチの中間にスラブを配するため、上階の足元にも開口が取れて、採光通風が可能になる。

手元に平面がないので見た感じだが、正方形平面の角部は切り込まれスリット状の開口部になっている。
どこも閉じていない。


構成ルールはあまり多くなく、しかしそのルールはインドの構法、気候、気質に合ったもので、それを徹底して使うことで、このような年月に耐える大らかさ、強さを持てた気がする。天井の割付や床石の割付、ランプの取り付け位置などは、インド人がよくそのとおりできたな、と感心するくらい徹底されている。

後述のシティミュージアム含め、コルビュジェの建物は20年も遡るということはあるが、傷みが激しい。それは管理体制もあるだろうけれど、インドの気候やインド人の気質に設計の方向性があまりあっていない気がする。ボリュームの操作やブリーズソレイユ、トップライトや斜路など、らしいボキャブラリーはこの地では小手先過ぎて風化の速さに耐えれていない。ガラスを使っても間違いなく掃除はされない。

レンガの積み方ひとつでも違う。
コルビュジェの建物も全てがRCではなく壁や柱はレンガのところもあった。特にサンスカルケンドラ美術館の中庭吹き抜けを囲むレンガ壁は、芋目地積みに目地をそろえてつまれている。斜路下の見えにくいところは馬目地になっているにもかかわらず。
対してカーンはすべて馬目地。
理にかなっている。目地の違いによる効果を考えるより、理にかなったルールを徹底することの強さ。
これは本当に見れてよかった。

新キャンパスは全てRC打ち放し。Biwa Petelの設計とある。目地の深さゆえか、壁の薄さゆえか(カーンの壁は480mm)、同じようなボキャブラリーを使っているのに全然違う。ソーク研究所を見るときに何が違うのかもう一度考えて見る。

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インド経営大学 Indian institute of management / Louis Kahn / 1974

■行き方
エリス橋とネルー橋の間にある大きなバススタンドのバス停から151番で行けるらしいが、オートリクシャー(トゥクトゥク)でも片道40Rs。英語名で通じるくらい有名。(コルインド本には往復300Rsと書いてあった。ちなみにメーター制のリクシャに乗って降車時98Rsくらいだったけれど、なぜか行きも帰りも40Rsだった。メーターの読み方が違うのか負けてくれたのか、よくわからない)

■入館情報
メインエントランス脇のインフォメーションでパスポートをデポジットで預けて記帳すれば入館可能。レジデンスエリアは見学不可。ライブラリでも記帳時の控えの提示が要求されるが内部見学可能。無料。
図書館は0800-日曜は1400-/祝日休み。新キャンパスへの地下通路内にちょっとした建設時の展示がある。また、kitchen dining areにあるカフェのchiken fryed riceは美味しかった。軽食だがメニューも多く廻りに食べるところも無いのでお勧めです。
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続いてコルの美術館へ向かった。

無料で開放されているということもあるのか(しかし翌日のガンディー美術館を見ればそれが原因ではなさそう。)傷みが激しい。人気もなく、呆けた人が寝ていたり、打ち捨てられた感じがする。自分以外に入館者は全くいなかった。内部も薄暗い。美術館ゆえにドーナツ状の平面にし、壁に開口を設けずハイサイドライト部に換気扇を設け換気している。展示に学生の手によるアーメダバードにある4つのコルの建物の模型がある。繊維会館も含め、カーンに比べ、あくまで彫刻として、という感があった。

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サンスカル・ケンドラ美術館 Sanskal Kendra city museum / Le Corbusier / 1957

■行き方
オートリキシャで「シティミュージアム、もしくはカイトミュージアム(1階にある)」と言えば大体通じる。歩いていくには遠い。

■入館情報
無料。記帳のみ。入館時に平面図入りのパンフレットをもらえる。1000-1800/月休(インドのコル本より)。
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ちなみに、隣の敷地にあるTAGORE HALLはAレーモンドの群馬県立音楽館に似た折半構造のコミュニティホール。入場無料。ちょうど小学校?の発表会みたいなものをしていた。

司会も子供だったが出し物もプログラムも全て英語のみだった。
帰りに寄った紀伊国屋的なスーパーでも店内表示は値札も全て英語のみだった。富裕層では既に英語を第一言語としてきているのだろうか。

帰りに迷いつつもなんとか久しぶりのネットカフェに辿り着く。
cyberpoint(ロンリープラネット日本語版にcyberworldと紹介されていた場所にある)。入るのを憚るくらいぼろぼろのビルの奥にあるが、店内は日本のネットカフェの簡易版という感じ。持ち込みPCでもLANケーブルを貸してくれてつなげることができたので、溜まったブログをアップなどする。ちなみに前述の紀伊国屋的スーパーReliance superはここの少し北、道路向かいにある。歯ブラシなどの日用品から食べ物、お菓子など一通りある。文房具やトイレットペーパーはここでもなかった。

ホテルに戻り、テキストや写真の整理。1時就寝。



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